寒い季節になっても、子供は外で遊ぶ事を好みますね。子供の成長、発達の為にも外遊びを積極的に取り入れていく事はとても有意義なことです。そのような中、よく見かけるのが子どものしもやけです。
子供は素手で多くの物に触れて、遊びを楽しみますので、手が冷えたり汚れたりと、しもやけを作る要因を沢山持っています。しかし、これをただのしもやけで見過ごしてはいけない事があるのです。実はしもやけに見えている手は膠原病といった疾患が原因で起こっているサインかもしれないのです。
母親などは特に、自分も冬場になると指や足が切れる方も多いので、子ども自分と同じであろうと見過ごしてしまいがちです。 膠原病 は発見が遅れると体の状態が悪化していきますので、しもやけと甘く考えずにきちんと病院などで 原因 を突き止め適切な治療を子供に受けさせる姿勢が重要です。
しもやけと思っている子供の手、実は膠原病が原因かも
しもやけとは
しもやけとは、冬場など外気温の低下の影響等で体の表面温度が下がり、皮膚や筋肉、血管の収縮が起こることによって血液の流れが滞ってしまうために起こる炎症の事です。特に細い血管の集まる手足の末端にできる事が多いのが特徴です。
また、鼻や耳、頬なども同様で皮膚の露出が多い所にもできます。しもやけの状態は皮膚が乾燥した状態になっていますので、皮膚の角質層に亀裂が入ったり出血したりすることがあります。これをヒビといい、さらに悪化するとあかぎれという呼び名に変わります。
子供の場合は特に手足にかく汗の量も多く、手を洗ってもきちんと水気を取り除けていない事も多い事から、冬場は特に気化熱により体温の低下や手足の乾燥が起こり易くなります。したがって、しもやけ予防は血行不良を起こさない事と乾燥を予防する事が大切になります。
また、ビタミンEを多く含む食品を日頃から摂取することで治療につなげる事ができます。ビタミンEを多く含んだレタスを使って、レタス鍋などは冬場にお勧めです。
膠原病とは
膠原病は、この言葉自体が病気を示す名前というわけではありません。自己免疫疾患・結合組織疾患・リウマチ性疾患が合わさり、複数の臓器に障害をきたした体の状態の総称です。
簡単に説明しますと、自己免疫疾患というのは、自分の免疫が自分の悪くない細胞まで攻撃してしまうために何かしらの臓器に病変をきたしてしまう状態です。結合組織疾患は全身にある新陳代謝を行う組織自体が炎症を起こしてしまう為、多くの臓器に病変を起こしてしまう状態です。
リウマチ性疾患は筋肉・骨・関節などの運動器官に痛みが出る事の総称になります。つまり、体の内外のどこかに何かしらの炎症などの病変が現れ、膠原病特有の症状を呈します。
現在、日本ではその症状の中の数種類には難病指定しているものもあります。その発生原因は未だ解明されていません。その為、残念なことに完治する方法は確立されていないのです。
しかし、現代はステロイド治療の進歩に伴い寛解状態にまで持って行くことができ、生存率も95%以上となっています。ですから症状が重篤化する事の無いよう、早期発見、早期治療が大切なのです。
膠原病の皮膚症状 レイノー現象としもやけ
膠原病は全身性エリテマトーデス(蝶形紅班)、強皮症(全身性硬化症)、皮膚筋炎(多発性筋炎)といったように、初めに皮膚に症状が現れる事が多くみられます。その中でも、しもやけと間違われ易い、レイノー現象は強皮症の初発症状であり、注意が必要です。
レイノー現象は寒い時期に手足の指が白くなったり、紫になったりして、冷感やしびれを伴う事が多いのが特徴です。
典型的な例は指の色が白、紫、赤と移行していきますので、ちょうどしもやけの症状に似ています。その為、皮膚科を受診したり冷え性であると思われたりして強皮症の発見が遅れてしまう事があるのです。
強皮症は字が示す通り皮膚が硬くなっていく病気ですが、実は徐々に筋肉や内臓にまでその影響は広がっていき最悪の場合死に至るケースもあります。
皮膚の硬化は手足に強く出やすく、左右対称にみられることも特徴ですので、子どもがしもやけかな?と思ったら左右を比較してみてみる事も大切です。
強皮症の治療
残念ながら治療法はありません。それぞれの症状に対する対処療法が主な治療法になります。日常生活での取り組みは、体を冷やさないようにすることと、日常に体操を取り入れる事も有効です。
子供のしもやけがなかなか治らない、夏場クーラーの中でも手足の先が白くなるなどの症状があれば、膠原病を疑い専門医に受診する事も必要であると知っておくことが大切です。
まとめ
しもやけと思っている子供の手、実は膠原病が原因かも
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膠原病とは
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