ご存知のように膠原病は自分がもっている免疫機能が自分の細胞を攻撃してしまう自己免疫疾患です。子供がかかる小児膠原病もおとなの膠原病と同様に複数の疾患の総称です。
具体的にどのような疾患が小児膠原病に含まれているのか、小児 膠原病 の 種類 についてご紹介いたします。
子供もかかる膠原病の種類とさまざまな症状
小児膠原病とは
大人がかかる膠原病の多くを子供も発症します。ただし、同じ病名でも病態が違う場合があるので、病名に「若年性」とつけられている場合があります。
関節リウマチに対応した若年性特発性関節炎、全身の諸臓器に慢性的な炎症を起こす全身性エリテマトーデス、特有の皮疹と筋崩壊を起こす小児皮膚筋炎、口腔粘膜や外陰粘膜の病変を起こすベーチェット病、唾液や涙液など外分泌腺の破壊を起こすシェーグレン症候群、いくつもの膠原病の特徴を合わせもつ混合性結合組織病などがその代表的な疾患です。
小児膠原病も大人の膠原病と同様に自己免疫疾患であることはわかっていますが、根本的な発症のメカニズムは解明されていません。そのため、根治する方法がないのが現状で、ステロイドや免疫抑制剤を使用して自己抗体の働きを抑制する対症療法を施すことになります。
薬はほとんどの場合内服ですが、症状が重い場合には大量のステロイド剤を点滴するという方法がとられることもあります。
それぞれの疾患の症状
若年性特発性関節炎
炎症を起こした関節が痛む疾患で、以前は若年性関節リウマチと呼ばれていました。
全身性エリテマトーデス
全身性エリテマトーデスは発熱、全身倦怠感と皮膚、関節、内臓などのさまざまな障害が一度に、または次々起こってくる疾患です。
皮膚の症状として最も有名なのは、頬にできる赤い発疹です。蝶が羽を広げているように見えるので、蝶型紅斑とも呼ばれています。また、顔面、耳、首の周りにできる丸い形をした円板状疹も特徴的です。
光線過敏症や口内炎、関節炎などが生じることもあります。
臓器の障害としては血球減少症や胸膜炎、心膜炎、腎炎などがありますが、全ての症状が出てくるというわけではなく、症状の種類や軽重には個々人に違いがあります。
小児皮膚筋炎
筋炎は数週間から数か月にわたって進行する筋力低下をまねく炎症性筋疾患です。手指や肘関節や膝関節外側の紅斑や上瞼の腫れぼったい紅斑などの皮膚症状がある場合には皮膚筋炎と呼ばれています。発症のピークは5~9歳と50歳代にあると言われています。
筋炎を中心に皮膚症状だけではなく、関節炎、間質性肺炎などを併発することもあります。子供は皮膚筋炎が筋炎よりも多いことが知られていて、大人の多発性筋炎や皮膚筋炎とは違った病因ではないかと考えられています。
ベーチェット病
ベーチェット病には口腔内のアフタ性口内炎の繰り返し、ブドウ膜炎などの眼の症状、ニキビや毛のう炎・結節性紅斑などの皮膚症状、外陰部潰瘍の4つの特徴的な主症状があります。
これらの主症状の他にも中枢神経症状や消化器症状、血栓性静脈炎・動脈瘤などの血管症状、関節症状などを伴う場合があり、非常に多彩な症状を呈する疾患であると言うことができます。
シェーグレン症候群
シェーグレン症候群は涙腺や唾液腺などの外分泌腺に慢性的な炎症が生じ、涙や唾液の分泌が減少して乾燥症状が出る疾患です。単独で起こる原発性シェーグレン症候群と他の膠原病と合併して起こる二次性シェーグレン症候群があります。
二次性シェーグレン症候群は関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、多発性筋炎、皮膚筋炎、強皮症などと合併して起こることが知られています。
混合性結合組織病
炎症や血管病変、皮膚硬化や肺線維症などを引き起こす、膠原病のさまざまな病態が混合した疾患です。
日常生活で注意すること
上述のように小児膠原病にはさまざまな病態があります。若年性特発性関節炎の場合には適度な運動が大切であるというようにそれぞれの病態によって日常生活での留意点は変わってきます。
全てに共通して言えることは、規則正しい生活をして、過労にならないように注意することです。また、食事の栄養バランスにも留意して、体調の管理に努めるようにしてください。
外出時には紫外線に注意する必要があります。
まとめ
子供もかかる膠原病の種類とさまざまな症状
小児膠原病とは
それぞれの疾患の症状
日常生活で注意すること