子供 は何か違和感がある時に 腹痛 を訴えることがあります。親は、どの程度の腹痛なのか、緊急性がある腹痛なのかということを常に考えて行動する必要があります。お腹だけではなく、子供の全身状態をよく観察することが大切になります。
子供の腹痛は普段と違う様子を見極めることが重要
子供の腹痛についての訴え方
2歳以下の小さな子供や赤ちゃんは、腹痛について言葉で説明をすることはできません。お腹を触っていたり、体を丸めていたりする様子や機嫌の悪さ、食欲のなさなどから腹痛について推測するしかありません。
2歳を超えて少し話ができるようになっても、5、6歳までは胸や背中など他の部分の痛みをお腹が痛いと訴えることもあります。この年代は実際にお腹に触れてあげると、痛い場所をしっかりと認識できることがあります。
小学生になると腹痛についての理解が進みます。みぞおちが痛い、下腹部が痛いなど場所の特定も的確になります。
痛みの様子もずきずき痛む、差し込むように痛むなど具体的に説明できるようになります。ただ、この年代は痛みの状態を意識的に大げさに言うこともあるため、どの程度の症状なのかを見極めるのが難しくなります。
子供の腹痛の原因
子供の腹痛の原因として最も多くあげられるのが、便秘です。お腹を触ってみるとお腹が張っているのが分かります。便通は毎日ではなくても、リズミカルに排便していれば便秘を引き起こすことはありません。
子供によって排便のリズムが異なるため、「普段と違う」ということを基準にして考えると、便秘になっているかどうか予想がつくことがあります。
いわゆるお腹の風邪と言われる感染性胃腸炎の時もお腹が痛くなります。腹痛と嘔吐、下痢などが立て続けに起きます。同時に発熱が見られることもあります。
急性腹症と言われる外科的な病気もあります。小さい子供に多い腸重積(ちょうじゅうせき)やそけいヘルニアかんとん、虫垂炎や腹膜炎、胃・十二指腸の潰瘍と穿孔などについては注意が必要な病気です。
病院に行った方が良い腹痛
子供が腹痛を訴える時は、まず全身の状態をよく観察することが大切です。脂汗をたらすほど痛がる、血便が出ているといった時はすぐに病院を受診した方が良いでしょう。
20分おきぐらいの間隔でお腹が痛くなったり、おさまったりする場合は腸重積が考えられます。腸重積は発症後24時間以内に治療を開始すると高圧浣腸だけで整腸できることがあるので、緊急性の高い腹痛と言えます。
このように急性腹症が原因となる腹痛では、できるだけ早めに受診する必要があります。
腹痛はいろいろな原因で起こり、家庭で原因を適切に判断することはできません。いったん痛みがおさまっても、その後次第に痛みが強くなっていくようであれば、緊急の処置が必要である場合もありますので、夜間でも受診した方が良いでしょう。
なんとなくお腹が痛いという状態が長く続く場合は、判断が難しくなります。外科的な要因がなくてもお腹が痛くなることは、子供ではよくあることです。我慢できないほどの痛みでない場合は、日中にかかりつけの小児科で相談してみると良いでしょう。
腹痛の際のホームケア
便秘が原因の腹痛には、市販の子供用浣腸薬を使用して排便を促してみるとお腹が楽になることがあります。小さな赤ちゃんの便秘には、肛門をマッサージしてあげるだけで排便できることがあります。
下痢や嘔吐を伴う感染性胃腸炎の腹痛は、嘔吐や下痢がおさまると腹痛も自然に消失していきます。無理に食べさせたりせずに、水分だけを少量ずつ頻回で飲ませてあげましょう。
心理的な要因でお腹が痛いと訴えてくる場合は、優しくお腹をさすってあげると痛みが軽減することがあります。お腹をマッサージする時は、ゆっくりと「の」という字を描くように行いましょう。
子供に多い反復性腹痛への対処
集団生活を始めた園児や児童の中には、繰り返し腹痛を訴える子供がいます。へその辺りに痛みを訴えますが、外科的要因はなく、心理的な要素が大きいとされています。腹痛と共に頭痛や嘔吐を訴えることもあります。
子供は大人には分からない様々なストレスを抱えて、社会生活を送っています。親や先生の些細な言動が子供の心に大きな傷を作っていることもあります。
反復性腹痛を訴える子供は、実際にお腹が痛いということを認めてもらえるだけでも腹痛が軽くなることがあります。不安の強い子供には、少しお腹が痛くても大丈夫であることを伝えて安心させてあげることが必要です。手を握ってあげたり、お腹をさすってあげたりすると不安感が和らぎます。
反復性腹痛については、かかりつけの小児科医と連携して、長い目で様子を観察していくことが大切になります。
まとめ
子供の腹痛は普段と違う様子を見極めることが重要
子供の腹痛についての訴え方
子供の腹痛の原因
病院に行った方が良い腹痛
腹痛の際のホームケア
子供に多い反復性腹痛への対処