中耳炎は、細菌やウイルスが中耳に入る事によって起こる病気で、特に生後6ヶ月~2歳位までの子供がなりやすいです。 子供 が発する耳に違和感があるというサインにいち早く気づけば、 中耳炎 の早期発見・治癒につながります。夜や休日に子供が耳を痛がった時は痛みを和らげる応急処置を行って様子を見ますが、翌日には必ず耳鼻科で診察を受けましょう。
子供の中耳炎の特徴と応急処置の方法
なぜ子供は中耳炎になりやすいのか
中耳炎は、鼻の奥から耳の鼓膜の内側にある中耳へ細菌やウイルスが入って、耳が痛くなる等の症状が出る病気で、生後6ヶ月~2歳位までの乳幼児期に特にかかりやすいです。
中耳炎の大きな原因は風邪です。生後6ヶ月頃には母親からもらった免疫がなくなり始める事、行動が活発になったり外出する機会も増えたりする事で風邪を頻繁に引くようになります。さらに、2歳頃までは免疫力が弱いため、中耳炎にかかりやすい状態が続きます。
子供が中耳炎になりやすい原因として、鼻の奥と耳をつなぐ耳管の構造が挙げられます。子供の耳管は、大人に比べて太く短く、耳管の傾きが水平に近いため、細菌やウイルスが鼻の奥から耳管を通って中耳に入りやすいのです。
また、子供の免疫力が十分でない時期から保育園に通って集団生活をすると、風邪を引く機会が増えて中耳炎を繰り返す事も多いですし、抗菌薬が効きにくい薬剤耐性菌に感染してしまうと、治療が長引いてしまいます。
子供の免疫力が上がってくると、細菌やウイルスに対する抵抗力も上がり、次第に中耳炎にかかりにくくなります。ただし、きちんと治療しなければ滲出性中耳炎や慢性中耳炎に移行して耳が聞こえにくくなったり、鼓膜に穴が空いたりする恐れがありますので、完治するまで医師の治療を受けるようにしましょう。
子供が発する中耳炎のサイン
中耳炎にかかっていても、小さな子供は耳が痛い等と言葉に出して言えないですが、耳に何らかの違和感を覚えていて、以下のような様々な中耳炎のサインを発します。
- イライラして不機嫌になる
- 夜泣きして眠らない
- 耳を引っ張ったりする
- 首をしきりに振る
- 耳が聞こえにくい
- 熱が出る
- 耳だれ
耳だれとは、中耳炎等の耳の病気にかかった時に耳から出てくる液体で、さらさら、粘液状、膿が混じっている等、その状態は様々です。
激しい耳の痛みや発熱を伴う急性中耳炎は比較的発見しやすいですが、耳が聞こえにくくなるものの目立った症状が現れない滲出性中耳炎は、子供からのサインを見落としてしまいがちです。しかし、中耳炎の発見が遅れれば、中耳炎に伴う症状や長期にわたる耳鼻科での治療で子供に辛い思いをさせてしまう事になります。
耳を気にする仕草をする・不機嫌が続く・テレビに近づく等、子供が発する中耳炎のサインにいち早く周りの大人が気づいてあげられれば、中耳炎の早期発見・治癒につながります。
もし、以前に中耳炎にかかった事がある場合は、中耳炎が再発する恐れがあるので、風邪を引いた時点で耳鼻科に行って中耳炎にかかっていないか調べてもらうのが良いでしょう。
子供が夜や休日に耳痛で泣き出した時の応急処置
子供が耳が痛いと言って泣き出しても、夜や休日だとかかりつけの耳鼻科は閉まっています。連れて行く病院も思い当たらない状態で、つい焦ってしまいますが、多くは急性中耳炎です。
夜や休日に子供が耳を痛がった時の応急処置では、痛みを和らげるための処置を行いますが、具体的には以下のような方法があります。
- 寝かせるのではなく、座らせるか立たせる
- アセトアミノフェンという成分を含む「アンヒバ」「カロナール」等の痛み止め(鎮痛剤)を飲む
- 耳の下の後ろ側の部分を冷やす
- 出た耳だれはこすらずに優しく拭き取る
アセトアミノフェンは、副作用が少なく、子供でも比較的安全に使用できる痛み止めです。以前に風邪等で小児科を受診した時にもらった解熱剤の坐剤や内服薬が残っていれば、それを利用すると良いでしょう。
しかし、症状が耳の痛みだけでなく、高熱が続いて苦しそうだったり、激しい下痢・嘔吐・脱水等、明らかにいつもと異なる症状があったりする場合は小児急病センター等での受診が必要です。
通常の急性中耳炎による耳の痛み・発熱・耳だれであれば、応急処置をした上で翌日まで様子をみても問題はありませんが、痛みが治まって元気そうにしていても中耳炎が治ったわけではありませんので、翌日には必ず耳鼻科を受診しましょう。
耳が痛い・発熱・耳だれといった中耳炎の一般的な症状ならば、まずは応急処置をして様子を見て、翌日耳鼻科で診察を受けるのが良いでしょう。
まとめ
子供の中耳炎の特徴と応急処置の方法
なぜ子供は中耳炎になりやすいのか
子供が発する中耳炎のサイン
子供が夜や休日に耳痛で泣き出した時の応急処置