気管支喘息とは、気管や気管支などの空気の通り道に、炎症が起きている状態のことです。健康な人と比較して、気道の粘膜が赤く腫れていたり、表面をおおう細胞がはがれており、気道が狭くなっています。そのため、息苦しく喘ぐ状態が続きます。
気道の炎症は放っておくと、アレルゲンを引き起こす原因物質に反応して、さらに症状が悪化してしまいます。気管支喘息の中でも子どもに起こる、喘息を小児ぜんそくといいます。子どもの3%から9%に起こる頻度の高い病気です。
では大人の気管支喘息と異なる、 小児 の 気管支喘息 の症状と対応方法について今回はお伝えします。
小児における気管支喘息の症状と対応方法
小児の気管支喘息について
小児の気管支喘息は、大人の気管支喘息と同じように、気管支に強度の収縮が起こり、「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という喘息発作の症状があらわれます。
しかし症状が出ても、大人のように言葉で症状を伝えることができないことが問題です。泣いたり不機嫌になり、症状を訴えたりします。小児喘息においては、診断や治療方法も大人とは異なった対応をする必要があります。
小児気管支喘息だからといって、毎日安静にしていることはできません。子どもは成長過程にあり、遊ぶことも運動することも大切です。
そのため、小児気管支喘息においては、出来る限り他の子どもと同じ生活をすることが治療の目標になります。小児気管支喘息は、その7割は思春期の頃までに症状が軽くなり、治っていきます。
どんな症状なのか?
小児気管支喘息では、子どもは呼吸をする時に「ゼーゼー」と聞き苦しい呼吸を繰り返します。これは炎症で狭くなった気管支を息が通る時に出る音です。この時子どもは呼吸困難である可能性が高いです。小児気管支喘息では、運動した後や風邪の時にも、この症状が出てきます。
明らかに「ゼーゼー」という呼吸をしていなくても、子どもが息苦しそうにしていないか、様子をしっかりと見てあげることが大切です。特に初期症状は、見逃すと症状を悪化させてしなう可能性があるので、少しでも異常を感じたらまずは病院で診断を行いましょう。
吸入ステロイド薬の上手な使い方
気管支喘息では、喘鳴発作の症状が発症した時は、収縮した気管支を拡げるための薬を利用します。気管支を拡げることで、発作を抑える対応を行います。さらに気管支の収縮は、アレルゲンなどによる炎症が原因であり、気管支の炎症に対応する薬も利用します。
発作を抑える時は、基本的に吸入ステロイド薬を利用していきます。発作の回数に応じて、吸入ステロイド薬の量は調節します。発作の数が減ってくれば、薬を利用する量も減らすことができます。こうした判断をする際は、自分たちではなく医師の判断を仰ぎながら進めていきましょう。
吸入ステロイド薬は、気管支に入らないと効果が現れないため、正しく吸入できているかチェックすることが大切です。また、口の中や喉に吸入ステロイド薬が付着したままだと、声がかれるなどの副作用が出ることがあるので、吸入後はうがいをすることが大切です。
ステロイド薬といえば、副作用の影響を心配される人も多いですが、適切に使えば副作用も少ない薬です。正しい知識でステロイド薬とも向きあいましょう。
親御さんが寄り添うことが大切
「ゼーゼー」という呼吸は、気管支喘息以外の病気でも起こる可能性はありますが、医師がこの呼吸を聞いた時は、まず気管支喘息だと考えます。日本の小児喘息のガイドラインにおいては、2回以上の喘鳴があった時は、喘息と診断します。
しかし気管支喘息は、必ずしも医師の診断中に症状が出るとは限らず、夜間や明け方に症状が見られることも多い病気です。そのため、子どもと最も長く一緒にいるお母さんが子どもの微妙な変化を察知していくことが大切です。
医師の診断を受ける際にも、いつ、どこで、どんな時に、どの程度の喘鳴があったか記録をしくと、正確な診断を行うことに役立ちます。その時には、小児気管支喘息はアレルギーの影響が大きいので、食事の記録もお伝えすることが大切です。
まとめ
小児の気管支喘息の症状と対応方法
子どもの気管支喘息とは?
どんな症状なのか?
吸入ステロイド薬の上手な使い方
親御さんが寄り添うことが大切