血小板減少性紫斑病 という病気の名前を聞いたことはありますか?字を見てなんとなく想像がつくかもしれません。血小板は血液を止めるための大切な成分です。ここでは、国の特定疾患である血小板減少性紫斑病についてご紹介します。
特定疾患 血小板減少性紫斑病を知っていますか?
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血小板減少性紫斑病とはどんな病気でしょう
血小板減少性紫斑病は一般的に特発性血小板減少性紫斑病といわれ、原因が見当たらないのに血小板の数が減って、紫斑ができる病気です。原因が見当たらないので特発性という言葉が付くことが多いです。
この病気は急性と慢性に分けられ、急性は発病から6カ月以内に治癒する場合で、慢性は6カ月以上血小板が減少している状態のことをいいます。急性特発性血小板減少性紫斑病は、子供に多くみられ、慢性特発性血小板減少性紫斑病は思春期以降の女性に多くみられます。
血小板減少性紫斑病の原因は何でしょうか
ウイルス感染が原因でつくられた抗体が、抗原であるウイルスと結び付き、血小板と結合する複合体を作る事が原因といわれていたり、自己免疫機能の異常で、自分で自分の体を攻撃する自己抗体が作られて、脾臓で血小板を破壊するのではないかともいわれています。
子供の場合は、ウイルスが原因で感染症にかかり、そのあと発症することが多いようです。風疹、麻疹、水ぼうそう、突発性発疹などのウイルスに感染すると、血小板に対する抗体がつくられ、血小板が脾臓で破壊され、血小板が減少してしまうようです。
しかし、なぜこのようなことが体の中で起こるのかということについては、今だによくわかってないのが現状です。
血小板減少性紫斑病の症状はどのようなものがありますか
血小板は血液のなかで、出血を止めるという大事な働きをしています。その血小板が少なくなるわけですから、出血しやすくなったり、出血が止まらなくなったりします。
主な症状
- 皮膚の症状・・・赤い点々とした出血、打ち身の時に広がる紫色の内出血
- 鼻の症状 ・・・鼻血が止まらなくなる
- 口の中の症状・・歯茎や粘膜から出血する
- 消化器の症状・・消化管から出血して、便が黒くなる、または便に血が混じる
- 泌尿器の症状・・血尿や茶褐色の尿が出る
- 脳の症状 ・・・脳内出血、硬膜下出血がおきる
このように、体のさまざまな所に出血の症状がでてきます。とくに、脳の症状は重症になることもあるので、しっかりと治療しましょう。
血小板減少性紫斑病が疑われる時の検査方法とは
まずは、血液検査がおこなわれます。貧血状態や白血球の減少がなく、血小板の減少がみられる場合、この病気を疑います。血小板の基準値は1マイクロリットルあたり10万から50万ですが、血小板減少性紫斑病になると、10万以下になります。
また、骨髄検査をおこなって、白血病などで血小板が減少していないかを確かめることもあります。
血小板減少性紫斑病の治療はどのように行なうのでしょうか
子供の血小板減少性紫斑病は、だいたい6カ月以内に治る予後は良好な病気です。血小板が1マイクロリットルあたり10万以下になっている場合でも、出血がない時は安静にして様子をみます。
しかし、血小板が2万以下になると、出血する傾向にあるため、速やかに血小板が3万以上になるように治療をします。
まず、免疫グロブリンを大量に投与するか、もしくは血小板輸血をします。こうすることによって、血小板を速やかに上昇させます。免疫グロブリン治療などがおこなえない場合は、ステロイドによる投薬治療になります。
長期のステロイド治療は副作用もあるので、血小板の数を確認しながら、血小板が3万以上を維持できる最小限のステロイドの量を調整しなくてはいけません。
慢性状態になっている時、出血症状が日常生活に支障をきたしている時などで、5歳以上の場合は、脾臓の摘出も考慮されます。
血小板減少性紫斑病で日常生活に気を付けることはどんなことでしょうか
ウイルス感染で風邪をひいた時などは出血症状が増悪することがあるので、気を付けなければなりません。日常的に紫斑がないか、口内出血はないかなど自分でチェックすることも大切です。打ち身をする可能性のあるスポーツは避けたほうがいいでしょう。
まとめ
特定疾患 血小板減少性紫斑病を知っていますか?
血小板減少性紫斑病とはどんな病気でしょう
血小板減少性紫斑病の原因は何でしょうか
血小板減少性紫斑病の症状はどのようなものがありますか
血小板減少性紫斑病が疑われる時の検査方法とは
血小板減少性紫斑病の治療はどのように行なうのでしょうか
血小板減少性紫斑病で日常生活に気を付けることはどんなことでしょうか