子どもの結節性硬化症にはいくつか特徴があり、それぞれの症状に対応が必要とされます。結節性硬化症事態は寿命には影響を及ぼさない病気であるといわれておりますが、その影響によって二次的な障害も合わさる事が多い為、生活する事に苦労を伴います。
特に小児のうちから重度であると専門的な対応や知識が必要になる事もあり、在宅生活を続ける事すら難しい事もあるのです。 結節性硬化症 を正しく学び、今後の家族の幸せの形を探してみてください。
重度の結節性硬化症の子供の特徴と今後
結節性硬化症の原因
結節性硬化症の原因は、遺伝子の異常です。体内で産生されるはずのある2種類のたんぱく質が正しく形成されない為に引き起こされる病態です。
その2種類のタンパク質の働きは他のたんぱく質の生産量を監視・抑制する働きがあるのですが、それが上手くできなくなる為、あまり体内では活性化してほしくないたんぱく質が過剰に増えてしまい、それが体に悪影響を及ぼす事が原因です。脳や内臓、皮膚にまでその影響は及びます。
子供の結節性硬化症の症状
子供の結節性硬化症の症状には、けいれん、知的発達障害、自閉傾向、運動能力や言語発達の遅れ、学習障害等がみられ、攻撃性のある動きや衝動がみられる事が多くあります。
また、重度の場合、これら全てがみられる事が多く、その療育には専門的な関わりを必要とします。見た目的にも特徴があり、生まれたての頃には葉っぱの様な模様の白っぽいあざや、ミカンの皮の様なでこぼこした皮膚が背中にしばしばみられます。
また、顔にはそばかすの様なカフェオレ班が見られ、その後、成長が進むと血管繊維種といった赤みを帯びた小さな粒々が顔や手足にみられます。
特に小鼻の周囲などに多くみられることも特徴で、結節性硬化症の典型的な特徴ともいえます。
さらに、見た目にはわかりませんが、腎臓に腫瘍が出来やすく血尿や高血圧もみられ腎臓がんにもつながっていくといった傾向があります。
高齢になってくると血栓が出来やすくなり脳梗塞を併発するリスクも高まってきます。このように、結節性硬化症は知的面、運動面、発達面全てに障害として影響し、直接的に命を脅かす事はありませんが、二次的に生きにくさを生む難病です。
結節性硬化症の治療
残念ながら結節性硬化症の治療法はありません。それぞれに出現する病気に対し対処的に治療が行われます。
けいれんには抗けいれん薬の調整を行いますが、まれに脳にできた腫瘍が原因で薬が効かない事がありますので、その際は手術で脳の腫瘍を取り除く事を行います。
次に、高血圧に対しては降圧剤で調整を行うのが一般的ですが、高血圧を引き起こしている要因が腎臓にできた腫瘍である場合には、そちらを手術で取り除く事になります。
発達の問題や行動障害の対応は作業療法や言語聴覚療法が行われ、訓練によって足りない部分を補っていくリハビリテーションを行います。
現在、皮膚に対してはレーザー治療などで見た目をきれいにする事はできますが、根治できるという事ではありませんので、再発します。
重度の結節性硬化症の子供の施設利用
重度の結節性硬化症の子供の場合、発達の遅延から歩くという事が難しく、歩けていたとしても年齢と共に歩けなくなっていく事が殆どです。知的な障害も強く、生活は殆どが全介助となっていきます。
けいれん発作や高血圧の管理などもあり家庭で介護しながら共に生活するという事は、かなりの労力と時間を必要とします。問題行動などもみられたりしますので、24時間体制で介護にあたらなければならないと言っても過言ではありません。
知的発達は伴わなくとも体はどんどん大人になっていきます。体力的にもきつくなってきます。難しい選択ではありますが、施設に預けて介護をお願いするという選択も必要です。
重症心身障害児施設などでは、専門的ケアやリハビリテーションを受ける事が出来ますので、子どもの事は安心して任せる事が出来ます。家庭、家族、子ども、それぞれがちゃんと生活できるようにするといった考え方を持つ事が大切です。
誰かが無理をするという事では結果的に家族間に大きな歪を生んでしまいます。生活する場所は違っても、毎日顔を合わせる事が出来なくても愛情を注ぐ形というものは多々あります。
もし、重度の結節性硬化症のお子さんを抱えている方で悩んでいるようでしたら、施設サービスを利用するという形があってよいという事を胸に留めとおいていただけたらと思います。
まとめ
重度の結節性硬化症の子供の特徴と今後
結節性硬化症の原因
子供の結節性硬化症の症状
結節性硬化症の治療
重度の結節性硬化症の子供の施設利用