生まれたばかりの赤ちゃんに赤いあざがあるのを見つけると親はびっくりしてしまいますが、 赤ちゃん の 血管腫 は基本的には良性でそれほど心配することはないものが多いと言われています。血管腫がどのようなものかを知って、適切に対処してあげましょう。
赤ちゃんによくあらわれる血管腫とはどんなものか
血管腫とは
血管腫とは、血管を顕微鏡でよく見てみると分かるもので、生まれつきの血管の異常です。そのほとんどは良性で、皮膚が平らなものと盛り上がるものに分けられます。
お母さんのお腹の中にいる間に何らかの異常が血管に生じるために発症する病気ですが、原因はまだはっきりとはわかっていません。
血管腫は成長とともにいつの間にか消えてしまうものや、大きくなってもずっと変わらないものがあり、治療方法が異なります。
単純性血管腫
単純性血管腫は、真皮部分の毛細血管の異常増殖が原因で起こる血管腫で、まわりの皮膚との境界がはっきりとした平らで真っ赤なあざのことです。均一な赤みを帯びています。
単純性血管腫は自然に消えていくことはありませんが、大きくなると皮膚が厚くなるため、退色したように見えることもあります。
赤みの色合いはピンク色から紫色までいろいろな濃度が見られます。成長とともに色が濃くなっていくこともあります。男児よりも女児に多くみられ、顔や首にあらわれることが多いと言われています。
単純性血管腫は、乳幼児のうちにレーザー治療を行うとあざを薄くすることもできます。
サーモンパッチ、ウンナ母斑
サーモンパッチとウンナ母斑は単純性血管腫の一種で、小さな赤ちゃんに比較的多くみられるものです。
サーモンパッチは、まぶたや額の真ん中の部分、眉間などにでき、産卵期の鮭にみられる赤みとよく似ていることからこの名前で呼ばれるようになりました。
赤ちゃんによって色味は薄く出る子と濃く出る子がいます。赤ちゃんが泣くと、一時的に赤みが濃くなることもあります。1歳を過ぎるころには徐々に消えていくため、治療は行わず経過を観察します。
ウンナ母斑は、後頭部からうなじにかけてあらわれます。平らで赤みを帯びたあざは、3歳くらいまでに消えることが多いですが、それまでに消えないと大人になっても残ることもあります。あまり目立たない場所ですが、どうしても気になる時はレーザーで治療することもできます。
いちご状血管腫
いちご状血管腫は、生れた直後にはわずかに赤い斑点が見られるか、無症状である状態から、生後数週間で急激に皮膚が隆起していき、いちごのように見えるあざになるという病気です。
皮膚の表面はいちごのように真っ赤になることが多いですが、色味に大きな変化が見られないこともあります。
生後6か月~12か月でいちご状血管腫は最大の大きさになり、その後、徐々に消えていきます。一般的な経過としては、自然に消えていくものなので特に治療をせずに様子を見ても大丈夫です。
ただ、いちご状血管腫がまぶたにできて目をふさいでしまったり、気道をふさいでしまったりする場合は、早めの治療が必要です。レーザー治療などで除去します。
海綿状血管腫
海綿状血管腫は、奇形性の静脈がかたまりになって皮膚の下で盛り上がる血管腫です。表面にいちご状血管腫があらわれることもあります。触ると弾力のあるやわらかい腫瘤で、血管が青紫色に見えることもあります。
普通は生まれた時にはあらわれず、生後数週間経ったころにあらわれます。1歳頃までに大きくなり、その後は萎縮していくとされます。自然に消えてなくなるということはありません。
多くは治療を必要としませんが、血管腫が大きいときはレーザーでの治療を試みたり、切除手術を行ったりすることもあります。
まとめ
赤ちゃんによくあらわれる血管腫とはどんなものか
血管腫とは
単純性血管腫
サーモンパッチ、ウンナ母斑
いちご状血管腫
海綿状血管腫