「安易に市販の風邪薬処方は危険!成分を必ず確認!(前編)」では、おすすめの子供用風邪薬をご紹介いたしました。後編では、 市販 風邪薬 の注意しなければならない配合成分や副作用についてお伝えいたします。
安易に市販の風邪薬処方は危険!成分を必ず確認!(後編)
- 目次 -
配合成分の注意点
ひとえに風邪薬と言っても症状によって必要となる成分が異なってくるため購入する際にも注意が必要です。また必要な成分だけを求めても、患者の体質や状態などによって副作用が出てしまう可能性もあります。
近年ではアスピリン系の風邪薬の処方は避けたほうがよいといわれています。
これは東京都薬剤師会においても回答が成されていますが、インフルエンザ、水ぼうそう、はしか、かぜなどのウイルス性の疾患になった際にアスピリン系の薬剤を服用すると、その後意識障害、嘔吐、けいれんなどの重い症状がでるライ症候群を引き起こす危険性があるそうです。
また一般的に風邪薬はピリン系、非ピリン系とわけられていて、ピリン系の薬剤には発疹などのアレルギー反応があらわれる場合があるとされています。
そのため非ピリン系のイブプロフェン、アスピリン、サリチルアミド、アセトアミノフェンなどが含まれた風邪薬の服用が比較的副作用が少ないといわれています。なおアスピリンはピリンと付いていますがピリン系薬剤ではなく、非ピリン系になります。
市販風邪薬による副作用の実状
一般的に市販されている薬剤は安全性が高いと考える人がほとんどでしょう。「以前服用した経験のある薬剤と同じものであれば問題ない」という考えで安易に購入する薬剤を決めている人も多いでしょう。
確かに以前服用して問題なかったものであれば比較的副作用のリスクは少ないかもしれません。しかし風邪と言っても、常に同じウイルスによって感染し、症状も全く同様とは限りません。異なる症状であれば、服用する薬剤も変えるべきなのです。
厚生労働省によって平成19年から平成23年の間に一般用医薬品による重篤な副作用が出た報告をまとめたものが発表されています。驚くことにその5年間で1,220例もあり、毎年250例前後の報告があったというのです。
うち一般的に風邪薬と言われている総合感冒剤においては404例に重篤な副作用があり、死亡症例も12例、後遺症が残ったものも8例報告されています。
404例の中での主な副作用としてはスティーブンス・ジョンソン症候群、間質性肺疾患、劇症肝炎などが含まれています。
このように市販されている薬剤は基本的に安全と考えがちですが、患者の症状や体質、状態などによって重篤な副作用が出ることもあるということは心に留めておく必要があります。
「風邪の時にはこの薬」と決めつけて毎回同じ薬剤を購入するのではなく、それぞれ含まれている成分や効果を確認して適正な市販薬を購入するようにしましょう。
特に患者が子供で初めて薬を服用する場合、成分によってはアレルギー反応を示す可能性もあるため、親の判断だけでの市販薬の使用は避けたほうがよいでしょう。
そしてある程度さまざまな薬の服用経験を重ねたのちであれば、常備薬として市販薬を準備しておくことは良いでしょう。
しかしその場合も、薬局に在籍する薬剤師に、過去に病院で処方された薬で出た副作用などがあれば必ず伝えると共に、アレルギーのほか体質的特徴などできる限り詳細を伝え、適切な市販薬をみつけてもらうようにしましょう。
まとめ
安易に市販の風邪薬処方は危険!成分を必ず確認!(後編)
配合成分の注意点
市販風邪薬による副作用の実状