赤ちゃんや子供は抵抗力が弱いため、よく風邪をひきます。 風邪 はこじらせると肺炎や気管支炎を引き起こすこともあります。ただの風邪と侮ることなく、全身状態をしっかりと観察して早めに小児科を受診するようにすると安心です。
子供にとって一番身近な病気である風邪とはどんなもの?
風邪とは
いわゆる風邪と呼ばれるかぜ症候群は、鼻や咽頭、喉頭などの上気道部分に急性炎症を起こす症状の総称です。最近では、気管や気管支、肺などに広がる下気道の急性炎症の状態も総称することが多くなりました。
子供は平均して年間に6~8回ほど風邪をひくと言われています。風邪は子供がかかる病気の中で最も罹患率の高い病気です。
かぜ症候群は、咳やくしゃみなどの飛沫感染で感染拡大していきます。空気中に散らばったウイルスや細菌などの病原体が、気道粘膜に付いて増殖を繰り返していきます。感染しても発症するかどうかは、個人の体力や抵抗力、環境の違いなどによって異なります。
風邪の原因
かぜ症候群の原因となる病原体は80~90%がウイルスとされています。子供がかかる風邪の原因となるウイルスの代表的なものには、アデノウイルス、インフルエンザウイルス、エンテロウイルス、ライノウイルス、RSウイルス、コクサッキーウイルスなどがあります。
風邪を引き起こすウイルスの種類は200以上と言われ、様々な病態の風邪を何度もひいてしまいます。ウイルス以外の風邪の原因としては細菌とマイコプラズマやクラミジアといった病原微生物が挙げられます。
細菌感染で多いのは、A群溶血性連鎖球菌(溶連菌)による感染です。ほかに子供がかかりやすい細菌には肺炎球菌、インフルエンザ菌(インフルエンザウイルスとは別のものです)、黄色ブドウ球菌などが挙げられます。
先天性の疾患や慢性気管支疾患などがある場合、未熟児や早産児の場合はかぜ症候群が悪化しやすい要因となることもあります。
風邪の症状
一般的な風邪の症状は、咳やくしゃみ、鼻水、鼻づまり、のどの痛みといった上気道に関わるものが多くみられます。全身の反応としては、発熱や関節痛、頭痛、だるさなどが挙げられます。胃腸に症状が出る時は、下痢・嘔吐、腹痛なども起こります。
小さな子供の場合は発熱とともにぐずったり、ミルクの飲みが悪くなったりもします。風邪の原因によって、どの症状が強く表れるかは異なります。
インフルエンザウイルスに感染すると高熱や関節痛がひどくなります。小さな子供は重症化しやすい傾向にあり、肺炎や脳症、心筋炎などを併発することがあり、注意が必要です。
RSウイルスに感染した1歳未満の子供では肺炎、気管支炎、中耳炎などを併発し、重症化しやすいので全身状態をしっかりと管理することが大切です。
風邪の治療法
多くのウイルスには特効薬がありません。ウイルス性のかぜ症候群の場合、十分な安静と、水分・栄養分の補給で一週間ほどすると自然に治癒していきます。抗菌薬も一般的には不要とされていますが、二次感染を防ぐ目的などで使われることもあります。
かぜ症候群では、不快な症状を和らげ、体力を回復するために対症療法で治療が行われます。高熱が出て眠れない、食事がとれないといった場合は解熱剤を使うこともあります。ただし、熱性けいれんを発症したことのある子供には、解熱剤を使用しないという方針の医師もいます。
診断キットによってインフルエンザウイルスに罹患していることが明らかになった場合は、速やかに抗インフルエンザ薬を投与します。
一方、細菌が原因の風邪の場合は、原因菌を特定して抗菌薬を投与します。中途半端な抗菌薬の使用は耐性菌を増やしてしまうことになりますので、医師の処方通りにしっかり飲み切るようにしましょう。
病院へ行く基準
くしゃみや咳、鼻水といった上気道の症状が見られても、熱がなく機嫌よくしている場合は、しばらく様子を見ても良いでしょう。37度前後の発熱は、病気が原因ではないこともあります。
部屋の温度が高すぎる、厚着をさせているといった環境要因で熱があがっている場合は、少し涼しくしてあげて様子をみましょう。小さな子供で38度以上の発熱がある時は、元気よくしていても早めに病院に行った方が安心です。
あまり熱が高くなくてもぐったりしていたり、水分をとれなかったり、呼吸が苦しそうな時にはできるだけ早く受診するようにしましょう。夜間でも病院に連絡をして、場合によっては救急車などを呼ぶことも考慮します。
赤ちゃんや小さな子供は的確に自分の症状を伝えることができません。親は、子供の全身状態をよく観察して「いつもと違う」と思ったら、症状をしっかりと確認することが大切です。
まとめ
子供にとって一番身近な病気である風邪とはどんなもの?
風邪とは
風邪の原因
風邪の症状
風邪の治療法
病院へ行く基