川崎病 は、1967年に川崎博士によって発表された病気です。1歳前後の子供が発症することが多い病気ですが、最も注意しなければいけないのは後遺症です。
それでは川崎病とは一体どのような病気なのでしょうか。そして後遺症は残るのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
全身の血管に炎症が起きる病気・川崎病。症状と後遺症は?
川崎病の症状
川崎病の主な症状は発熱、発疹、結膜炎、リンパ節の腫れ、イチゴ舌などですが、これらの症状は段階的に進行していきます。
川崎病に感染すると、まず39度前後の高熱が突然出ます。その後、発熱から2日ほど経つと全身に赤い発疹がでてきます。発疹は蕁麻疹のようであったり、大きかったり、小さかったりと様々です。
発疹と同時に両目の結膜が充血します。目の症状は充血のみで、目やにが出ることはありません。高熱は最低でも5日は続きますが、その間、その他の症状が現れます。
例えば、首の片方のリンパ節が腫れて痛くなったり、手足が赤くなってむくんだり、手のひらや足の裏が赤くなったりします。また、唇が真っ赤になったり、舌がイチゴのように赤くブツブツになったりするのも川崎病の主な症状です。
のどの痛みを伴うこともあります。発熱から10日ほど経つと、熱が下がるのと同時に膜様落屑(まくようらくせつ)といって、手や足の指先の皮膚が剥けて剥がれ落ちていきます。
川崎病を発病しても、すべての症状が出ない場合もあります。また、関節の痛みや下痢といった、主要な症状以外の症状が現れる場合もあります。
症状の程度には個人差がありますが、通常は発病から2~3週間すると、回復の兆しが見られます。
川崎病の後遺症
川崎病で最も怖いのは、合併症及び後遺症です。
症状が強く出た場合や高熱が10日以上続いた場合、冠動脈障害が引き起こされることがあります。冠動脈は心臓に酸素や栄養を送る大切な血管ですが、その冠動脈にコブができてしまいます。多くの場合、コブは自然に小さくなり元通りになるのですが、まれにコブが原因で後遺症が残ることがあります。
コブは冠動脈瘤(かんどうみゃくりゅう)と呼ばれますが、この中で血栓と呼ばれる血の塊ができてしまい、血管が詰まって心筋梗塞を引き起こしてしまうのです。心筋梗塞を引き起こすと死亡してしまうケースもあるので、十分注意をして病気の経過を見なければなりません。
川崎病の原因
川崎病の原因は残念ながら分かっていません。そのため、予防法はありません。しかし、日本人の発症率が高く、欧米ではあまりみられないことから、遺伝的要素が関係しているのでは、と考えられています。
また、ウィルスや細菌に対する免疫機能が過剰に働くことによって血管に炎症が起きるのではないか、とも考えられています。
川崎病の治療とケア
川崎病は早期に治療を始めることが大切です。川崎病と診断されると、入院治療が必要となります。
病院では、心臓エコー検査や心臓カテーテル検査を行い、注意深く冠動脈の経過を観察していきます。血液が固まって冠動脈瘤ができるのを防ぐため、アスピリンやガンマグロブリンといった薬を使用します。
早期に発見し、病院で適切な治療を行えば、3週間から1か月で退院できます。しかし、冠動脈瘤は川崎病を発症してから15年後に見つかるケースがあるので、退院後も、心臓に異常がないかを定期的に検査する必要があります。
病院受診の目安
川崎病の症状がみられたら、病院を受診しましょう。川崎病は判断が付きにくい場合があるので、すでに一度受診している場合でも、気になる症状がある場合は再受診をすることが大切です。
まとめ
全身の血管に炎症が起きる病気・川崎病。症状と後遺症は?
川崎病の症状
川崎病の後遺症
川崎病の原因
川崎病の治療とケア
病院受診の目安