「子どもの成長過程であらわれる癇癪との向き合い方(前編)」では、癇癪を起しやすい時期についてお伝えいたしました。後編では、 癇癪 の原因や対処方法をご紹介いたします。
癇癪を起こせばなんでもしてもらえると子どもが勘違いしないために、ものを買ってあげるといった対処法は避けるようにしてください。
子どもの成長過程であらわれる癇癪との向き合い方(後編)
癇癪の症状
子どもがどのように癇癪を起こすかというのは、子どもの性格や育った環境、体調などによっても異なります。一般的には、周囲の大人に強く反発する、大声を出して叫ぶ、近くにあるものを蹴ったり、投げつけたりするといった行動がみられます。
また、外でもその場に寝転がってしまったり、しゃがみこんで動かなくなったりすることもあります。わざと周囲の子どもとは違う行動をとるということもあります。顔が真っ赤になって、全身で怒りをあらわす子どもが多いといわれています。
癇癪の原因
癇癪を起こす原因は実にさまざまで、子どもを取り巻く環境や子どもの性格によっても異なります。ずっと一緒にいる親でさえ、何が原因で子どもが癇癪を起こしているのか、理解できないときもよくあります。
よくみられる原因としては、疲れているときや体調が悪いとき、お腹がすいているとき、自分の要求が通らないときなどに癇癪を起こします。親や周囲の人に自分の気持ちをうまく伝えられないときや、ほかの人の注意をひきつけたいときにも癇癪を起こすことがあります。
また、はじめて行った場所やはじめて置かれる状況などになじめないときに、恐れをあらわす代わりに癇癪を起こしてしまうこともあります。
子どもは自分の気持ちをコントロールすることが難しいので、どうして癇癪を起こしているのか自分でもわかっていないことが多いです。どうすればいいのか分からず、混乱したまま、乱暴な行動に出てしまいます。
ごくまれに、発達障害や自閉症の子どもの症状のあらわれのひとつとして、癇癪を起こしていることがあります。病気が原因となっていることは多くはありませんが、子どもの様子を総合的に判断して、心配なときは小児科医に相談してみるのもよいでしょう。
癇癪を起したらどうしたらいい?
子どもが癇癪を起こしたら、まずは安全で静かな場所に移動しましょう。公共の場やまわりに多くの人がいるところでは、子どもとしっかりと向き合うことができなくなります。
道にひっくり返ってジタバタしているようであれば、事故を防ぐためにも、あまり長い時間そのままにせず、抱っこして移動しましょう。ただ、ひっくり返って癇癪を起こせば、すぐに抱っこしてもらえると捉えられるのもよくないので、移動するタイミングを見極めるのも大切です。
周りに迷惑をかけているからと、子どもの話を聞かずに大声で叱ると、子どもはますます反発してくることがあります。まずは子どもの話を聞ける体制をとり、子どものことを理解しようという姿勢をみせましょう。
興奮しているため、子どもが話をすることができないようなときは、まずはぎゅっと抱きしめたり、背中や腕をさすったりして気持ちを落ち着かせてあげるのも有効です。
癇癪の原因はさまざまです。どんな原因であっても、親はいつでも子どもの味方であること、愛していることなどをしっかりと言葉と態度であらわすと子どもは親の忠告を受け入れやすくなります。
癇癪を起こせばなんでもしてもらえると、子どもが勘違いしないために、ものを買ってあげるといったことで解決しないようにしましょう。
癇癪は子どもが成長する過程で、だれもが通る道です。親も癇癪に対応していくことで、自らも成長できるチャンスだととらえ、忍耐強く向き合うようにしましょう。
まとめ
子どもの成長過程であらわれる癇癪との向き合い方(後編)
癇癪の症状
癇癪の原因
癇癪を起したらどうしたらいい?