赤ちゃんや子供が感染しやすい病気のひとつとして、感染性胃腸炎があります。
感染性胃腸炎 とはどのような病気なのでしょうか。そして、どんな 症状 が出るのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
感染性胃腸炎の種類とその症状。
感染性胃腸炎とは
感染性胃腸炎とは、ウィルスや細菌に感染することで、嘔吐や下痢、発熱などの症状を発症する急性胃腸炎のことです。大きく、ウィルス性胃腸炎と細菌性胃腸炎に分けることが出来ます。
ウィルス性胃腸炎とその症状
ウィルスに感染して発症する急性胃腸炎をウィルス性胃腸炎と呼びます。その原因ウィルスとして代表的なものは、ノロウィルスやロタウィルス、アデノウィルスです。
特に、ロタウィルスによるウィルス性胃腸炎は、「誰でも5歳頃までに少なくとも1回は感染する」といわれている程、よく起こる感染性胃腸炎です。
毎年冬から春にかけて流行し、ロタウィルスに感染すると、2~5日の潜伏期間の後に激しい嘔吐や下痢の症状が出ます。下痢便の色が白いことが特徴で、水のような下痢便は1日に10回以上も出ることがあります。
通常1週間ほどで嘔吐や下痢の症状は治まり、回復します。しかし、ロタウィルスは非常に感染力が強く、症状が治まった後も便からウィルスが排出されることがあります。
ノロウィルスもロタウィルス同様冬から春にかけて流行しますが、アデノウィルスは夏に感染が拡大するケースが多いようです。どちらも激しい嘔吐や下痢、発熱といった症状が出ます。
細菌性胃腸炎とその症状
細菌性胃腸炎とは、細菌に感染して起こる胃腸炎のことです。細菌に汚染された食品を摂取したり、調理する人の手を介して感染する急性胃腸炎で、原因となる細菌には様々なものがあります。
中でも赤ちゃんや子供が感染しやすい細菌はサルモネラ菌、腸管出血性大腸菌、カンピロバクター菌などです。
サルモネラ腸炎は、サルモネラ菌が付着した肉や魚、生卵、卵の加工品などから感染し、10~48時間の潜伏期間の後、激しい下痢、嘔吐、発熱、腹痛といった症状が出ます。細菌性胃腸炎の原因の半数を占める細菌です。
腸管出血性大腸菌は、O-157に代表される病原性大腸菌のことで、十分に加熱されていない肉や生野菜などから感染します。
感染力が非常に強く、人から人へも感染する細菌です。3~8日の潜伏期間の後に、激しい腹痛、発熱、倦怠感、下痢といった症状が出ます。真っ赤な血便が出ることも特徴です。
カンピロバクター菌は、猫や牛、豚などの動物の消化管内や糞にいる細菌です。十分に加熱されていない肉や卵、ソーセージ、練り製品などから感染します。
また、ペットの糞から感染することもあります。3~5日の潜伏期間を経て発症し、下痢、嘔吐、発熱、腹痛といった症状が出ます。
感染性胃腸炎の治療とケア
ウィルスが原因の感染性胃腸炎の場合、特効薬はありません。ですので、症状を緩和する薬を使用して、ウィルスが体の中からいなくなるのを待つしかありません。
処方される薬としては、吐き気止めや整腸剤などがあります。あまりにも下痢がひどい場合には下痢止めが処方される場合もありますが、下痢をすることでウィルスを体の外へ排出しているので、無理に下痢を止めるとウィルスが排出されず、かえって完治までに時間がかかってしまいます。ですので、基本的に下痢止めの薬は使用しません。
細菌が原因の感染性胃腸炎の場合は、抗菌薬を服用して治療を行います。重症の場合は入院治療が必要になることもあります。
ウィルス性、細菌性に関わらず、感染性胃腸炎を発症している間は、脱水症状に気をつけなければいけません。経口補水液でこまめに水分補給をすることが大切です。スプーンを使って少しずつ飲ませてあげるといいでしょう。脱水症状を起こしている場合には、点滴が必要となります。
病院受診の目安
激しい嘔吐や下痢、腹痛といった感染性胃腸炎の症状が見られたら、病院を受診しましょう。また、脱水症状を起こしているときには、夜間や休日であってもすぐに受診することが大切です。
まとめ
感染性胃腸炎の種類とその症状。
感染性胃腸炎とは
ウィルス性胃腸炎とその症状
細菌性胃腸炎とその症状
感染性胃腸炎の治療とケア
病院受診の目安