胃腸炎は老若男女問わず、誰もがかかる病気です。感染性胃腸炎は冬場に特に流行しやすい感染症です。ウイルスや細菌、寄生虫など様々なものが原因となりますが、原因がはっきりせずに発症するものも多くあります。
一般的によくみられる病気の1つですが、免疫力の低下している人や小児、高齢者は重篤化すると脳症や腎症などの合併症を起こすことがあるので、早期に病院に受診し適切な対処をすることが必要です。
また、感染性腸炎は感染力も強いため感染予防に努めることも重要になってきます。ここでは、 感染性腸炎 の症状や治療、感染予防の方法について書いていきたいと思います。
感染性胃腸炎とはどのような病気なのか
一番割合が多いのは「ウイルス性」の胃腸炎
胃腸炎とは病原体が胃腸に感染して起こる病気です。食物や動物などを通して感染することが多く、しばしば食中毒として集団感染を起こすこともあります。感染性胃腸炎は主に11月~2月頃の冬場に流行することが多く、中でもウイルスを原因として発症する胃腸炎が最も多くみられます。
ウイルスの種類は、大人では「ノロウイルス」、小児では「ロタウイルス」による胃腸炎が多くみられます。また、小児では「アデノウイルス」による感染性胃腸炎も有名ですが、これは主に夏場に流行することが多いです。ロタウイルスは生牡蠣の摂取などが原因で発症することもあります。
感染性胃腸炎は、食事や飲み物の摂取により主に感染します(経口感染)が、感染した人の吐物や便を介して人から人に移る二次感染も多くみられ現在問題となっています。また、咳によって移る飛沫感染などもみられます。
どんな症状が出るの?
感染性胃腸炎の症状は個人差も大きいですが、腹痛、下痢、嘔気・嘔吐などがみられます。これらの症状と一緒に「発熱」を伴うことが多いのが胃腸炎の特徴です。
これに加えウイルス性の胃腸炎では、咳や鼻水などの風邪症状が一緒にみられることも多く、更にロタウイルスによる胃腸炎では便が白色になる(白色便)になることもあります。下痢が激しいと血便がみられることもあり、下痢や嘔吐が続くと脱水症状を引き起こします。
小児や高齢者は胃腸炎になった場合は脱水症状に特に気を付けなければいけません。脱水の症状には、口渇や身体のダルさ(倦怠感)、頭痛などがありますが小児や高齢者の場合は症状が表に出にくい場合も多いため保護者や介護者は注意して観察が必要です。
感染性胃腸炎の診断や治療方法は?
通常の胃腸炎の場合は血液検査でも異常が出ますが、感染性胃腸炎の場合、血液検査はほぼ正常値を示すことも多くありなかなか確定診断出来ません。そのため便の一部を採取して原因となる細菌やウイルスがいないかを確認します。
大腸カメラなどの内視鏡検査などは必要治療に関しては、感染性胃腸炎は自然治癒することがほとんどで、特別な治療法はありません。3~4日間下痢や嘔吐などの症状が続いた後に徐々に症状が落ち着いてきます。
下痢や嘔吐などそれぞれの症状に対して薬を投与することはしますが、下痢を止めることによってウイルスなど原因となる病原体を外に排出するのを阻害してしまう場合もある為、無理やり下痢を止めてしまうようなことは行いません。
先程も述べたように、胃腸炎で注意しなければいけないのは脱水症状です。そのため定期的な水分摂取や点滴による補液が重要になってきます。水分摂取は嘔吐を予防するため少量のお茶やスポーツドリンクをゆっくり数回に分けて飲むようにします。
嘔吐が激しく飲めない場合は点滴で水分を補います。食事も症状が強い時は無理に摂取せず、状態が落ち着いてきたらお粥などの刺激の少ないものからゆっくり開始するようにします。
手洗いや消毒で感染を予防しましょう
ロタウイルスやノロウイルスによる感染性胃腸炎は非常に感染力が強く、毎年学校や職場で集団感染を起こしています。感染者の便や吐物、咳などを介して感染しますが感染予防として「手洗い」「手袋・マスクの着用」「消毒」が大切です。
消毒の方法は、次亜塩素酸ナトリウム(塩素系洗剤)を使用して行います。感染者が使用したトイレや食器などは全て塩素系洗剤で拭いたり、洗ったりして消毒を行います。感染者が触ったドアノブなども感染源となるので消毒が必要です。
また、小児の場合触ったおもちゃも感染源になりますが、小児の場合おもちゃを口に入れる場合もあるので塩素系洗剤を通常より多めの水で希釈して消毒に使うようにして下さい。よく消毒に使われるアルコールは感染性腸炎の予防には全く無効なので注意して下さい。
まとめ
感染性胃腸炎とはどのような病気なのか
一番割合が多いのは「ウイルス性」の胃腸炎
どんな症状が出るの?
感染性胃腸炎の診断や治療方法は?
手洗いや消毒で感染を予防しましょう