乳歯の噛み合わせで保護者が最も気になるのは、嚙み合わせたときに舌の前歯が上の前歯よりも前に出ている反対咬合ではないでしょうか。上下のあごの骨のバランスに問題がなければ、比較的簡単な装置で矯正ができるようになってきたと言います。
噛み合わせ の 矯正 のさまざまな器具をご紹介いたします。
予算や使い勝手で選べる噛み合わせの矯正器具
噛み合わせが悪い例
反対咬合
反対咬合とは下の歯が上の歯の前に出てしまって噛み合わせが反対になってしまっているものです。一般的には受け口と呼ばれることも多いようです。
奥歯に虫歯ができやすく、サ行やタ行の発音が明瞭にできなくなることがあると言われています。
開咬
開咬はオープンバイトとも呼ばれていて、奥歯を噛みしめても前歯や横の歯の上下に隙間ができてしまうものです。
噛み合わせにずれがあるために、前歯でものを噛み切ることができません。また、ものを噛む時に咀嚼筋にかかる負担が大きくなるので、顎関節症にもなりやすくなります。見た目の問題だけではなく、こうした健康への影響が懸念される状態です。
ほとんどの場合は前歯が噛み合わなくなりますが、稀に、横の歯が噛み合わなくなることもあります。
出っ歯
上の前歯が前に突き出ていたり、上顎全体が前に傾いている上顎前突(じょうがくぜんとつ)と呼ばれる状態です。外見的な問題から子供の精神的な負担が懸念されます。
常時口が開いた状態になることが多いので、口の中が乾燥しがちで、虫歯や歯周病の原因になります。また、食べ物をうまく噛めないことから、成長期の子供の栄養面も心配です。
矯正開始の時期とメリット
乳歯から永久歯に生え変わる6~10歳にかけてが矯正開始の適期と言われています。完全に永久歯に生え変わってからでは、歯列を整えるためのスペースを作るために抜歯が必要になることがあります。
また、この時期には顎の骨の発育を促したり、抑えたりすることもできると言われています。
歯並びは単に口の中だけの問題ではなく、悪い嚙み合わせを放置すると、顎が歪んでしまうので、肩や背中の筋肉のバランスもくずれます。噛み合わせの悪さが頭痛の原因になることさえあるのです。
もちろん、矯正をすると見た目がよくなりますが、歯磨きがきちんとできるようになるので虫歯や歯周病になることを防ぐこともできます。
また、滑舌がよくなり、正しい発音ができるようになります。
さまざまな矯正器具
プラスチック・セラミックブラケット
1本1本の歯につけたブラケットという装置をワイヤーで繋げた装置です。ブラケット部分の素材としてプラスチックとセラミックがあり、プラスチックは比較的に安価で、セラミックは目立ちにくいという利点があります。
リンガルブラケット
ブラケットが目立たないように歯の裏側につける矯正方法です。特に目立ちやすい上の歯だけリンガルブラケットを選択することも可能です。
メタルブラケット
ブラケットをプラスチックやセラミックにせずに金属にすることもできます。矯正費用をできるだけ抑えたいときに有効です。
デーモンシステム
ブラケットとワイヤーにこだわって、従来より弱い力で矯正ができるようにしたものです。歯にかかる負担もすくなく、矯正に要する期間も短縮できます。また、歯磨きもしやすいので、矯正期間中の虫歯や歯周病のリスクも軽減されます。
インビザライン
ブラケットやワイヤーを使用しないマウスピース型の矯正器具です。0.5ミリほどの薄さで透明なので、目立たないことと自分自身で取り外しができることが人気です。
クリアアライナー
インビザラインと同じようなマウスピース型の矯正器具ですが、少しずつ形を変えていくことができるという特色があります。
インビザラインやクリアアライナーのようなマウスピース型の矯正器具は必ずしも適応になるとはかぎりません。症状によってはワイヤーによる矯正になりますので、矯正専門医から事前の説明を受けることが大切になってきます。
矯正期間中の注意事項
矯正器具が口の中に入っているので、どうしても歯磨きが行き届かないことが多くなります。矯正期間中の虫歯や歯周病を防ぐために歯間ブラシやデンタルフロスなどを上手に使って丁寧に歯磨きをするようにしてください。
マウスピース型の矯正装置は外した時に洗浄しましょう。市販の入れ歯洗浄剤の使用も有効ですが、薬剤についてはかかりつけの矯正医に相談してみましょう。
矯正にはどうしても多少の痛みが伴うものです。また、矯正器具が粘膜を刺激して口内炎ができてしまうようなこともあります。治療期間も長くなりますので、お子さんを励ましながらきれいな噛み合わせを目指しましょう。
まとめ
予算や使い勝手で選べる嚙み合わせの矯正器具
嚙み合わせが悪い例
矯正開始の時期とメリット
さまざまな矯正器具
矯正期間中の注意事項