子どもの頭痛、肩や首のこり、集中しづらいなどと訴えるときにはさまざまな理由が考えられます。見落としやすいのが歯の噛み合わせです。虫歯の治療、歯のはえかわりなどで以前とは 噛み合わせ が変わってしまうことがあります。
わずかな差が不調を生み、子どもには説明しづらいときがあります。
体の不調時に見落としやすい子どもの噛み合わせ
噛み合わせのはたらきとは
新生児は歯がなく、母乳やミルクを飲んで成長します。歯が生えて食べ物を噛めるようになると、離乳食を食べるようになり少しずつ歯ごたえを楽しめるようになります。
しっかり噛むことはあごの骨の発達をうながします。その際に噛み合わせがとても大切なはたらきをします。
前歯には噛み切る機能があります。そして臼歯(奥歯)はおもにすりつぶす役割があります。いずれの歯においても噛み合わせがよくないと、思うように食べることができません。
子どもの発育と噛み合わせ
子どもの乳歯はあごの骨の健全な発育とともに、順番に生えそろっていくことで、しっくりと噛み合わせができてきます。そして学童期になると乳歯は役割を終えて、永久歯がそれに代わって生えてきます。永久歯も同様に順番に生え変わっていきます。
こうして長年にわたって使う噛み合わせができあがります。この途中で乳歯に虫歯ができてしまうと、順序よく組み立てられて計画的に生えそろっていく段取りがくずれてしまうことになります。
噛み合わせの不具合とともに八重歯や歯並びがきれいに並ばないことが起こります。
噛み合わせとさまざまな不具合
こうなるとうまく噛めない、食べ物をうまくすりつぶせないといったことが起こります。さらに歯並びなどが悪いと歯を磨きにくい場所ができやすく、こうした場所から虫歯や歯周病などが生じがちです。ますます歯の状態を悪くしてしまうことにつながります。
また食品をよく噛めないために消化吸収が十分でなく、胃腸などに余分な負担をかけることにもつながりかねません。
まだある噛み合わせによる不調
そして噛み合わせが悪いことで、肩こりや頭痛などの症状を起こしがちになります。とくに虫歯の治療にともない歯に詰めものをすると、以前と歯が噛み合う場所がことなることがあります。
わずかな差ではありますが、こうしたことが頭痛や肩こりの原因となることがあります。また集中力が続かなかったり、勉強に身が入りにくくなるといった影響も考えられます。
健全な噛み合わせをつくるには
したがってとくに乳歯が揃い始める時期、永久歯に生え変わる時期など子どもの歯の噛み合わせをつくる大事な時期にはとくに歯みがきや歯のメンテナンスに保護者の方々が注意して管理されるといいでしょう。
とくにこうした時期には子どもたちの自主性と健康を自分で維持していくということを教えるべきです。歯についても同様です。歯が全身の健康を守るうえでとても大事なはたらきをしていることを教えます。
さらに、効果的な歯みがきやうがいのしかたを教えて自分でできるようにします。学童の場合には永久歯の奥歯の位置を把握させます。意外と奥のほうまで歯があることを自覚させます。
子ども自身に噛み合わせを教えよう
噛み合わせは、あごの骨の発達と並行してできあがっていきます。したがって噛み合わせが健全にできあがるように仕向けていくことが大切といえます。
以上のことから噛み合わせは子どもの健全な成長に欠かすことができません。トラブルは健康に支障を招きかねず、つねづねから維持できるように教えていきましょう。
まとめ
体の不調時に見落としやすい子どもの噛み合わせ
噛み合わせのはたらきとは
子どもの発育と噛み合わせ
噛み合わせとさまざまな不具合
まだある噛み合わせによる不調
健全な噛み合わせをつくるには