原因がわからないことが多い子どもの蕁麻疹は、比較的短時間で症状が落ち着くことが多い病気です。ですが、頻繁に 蕁麻疹 を繰り返したり、腫れがひどかったりするときは、早めに皮膚科や小児科で 飲み薬 を処方してもらうようにしましょう。
子どもによくみられる蕁麻疹には飲み薬で対処する
蕁麻疹とは
蕁麻疹は、子どもによくみられる病気のひとつで、皮膚がさまざまな形状で腫れて、かゆみを引き起こすものです。
蕁麻疹が原因の発疹は、普通、短時間であらわれ、半日から一日ほどで症状が落ち着き、消えてしまいます。中には、数十分ほどできれいに消えてしまうものもあります。
子どもの蕁麻疹は、おもに急性蕁麻疹と慢性蕁麻疹というふたつのタイプにわけることができます。一か月以内に皮膚の症状が落ち着きをみせるものを急性蕁麻疹と呼び、一か月以上続いて症状があらわれるものを慢性蕁麻疹と呼びます。
蕁麻疹という病気の名前については、イラクサ(蕁麻)という植物に触れたときにあらわれる皮膚の状態に似ているため、こう呼ばれるようになったといわれています。
蕁麻疹の種類
蕁麻疹は、原因によってさらにふたつの種類にわけられます。
ひとつは、原因を特定することが難しい蕁麻疹で突発性蕁麻疹と呼ばれるものです。蕁麻疹の症状があらわれる患者のうち、7割以上は原因が特定できない突発性蕁麻疹であるといわれています。
一度だけあらわれ、消えてしまうケースやあらわれたり、消えたりを繰り返すケース、まったく異なる場所へあらわれるケースなど人によってさまざまなケースがあります。
もうひとつは、ある特定の物質や原因によってあらわれる蕁麻疹で、刺激誘発型蕁麻疹と呼ばれています。アレルギー性蕁麻疹や食物依存性運動誘発アナフィラキシーもこちらのタイプに分類される蕁麻疹です。
アレルギー性蕁麻疹では、特定の食べ物や植物などが体の中に入ったり、触れたりした際にあらわれます。食物依存性運動誘発アナフィラキシーでは、特定の食べ物などを食べた2時間から3時間以内に、強い運動の負荷がかかることであらわれます。
ほかにも、アスピリンなどによってあらわれる蕁麻疹や日光、温熱、寒冷といった皮膚への刺激であらわれる蕁麻疹もあります。
蕁麻疹の原因
蕁麻疹は医療機関できちんとした検査を受けても、結局、原因がわからないということも多く、特定には限界があります。子どもの蕁麻疹では、いくつかの原因が複雑に絡み合ってあらわれるということもあります。
幼稚園や保育園に入園したり、新しい習い事をはじめたり、子どもを取り巻く環境が変わることでストレスを生じると蕁麻疹があらわれるという子どももいます。また、子どもは体が疲れているときにも蕁麻疹を引き起こすことがあります。
インフルエンザや風邪といった感染症にかかったときや虫にさされたりすることも蕁麻疹の引き金になることもあります。
蕁麻疹の治療に使われる飲み薬
蕁麻疹があらわれるとき、ヒスタミンというかゆみをもたらす物質が体の中に放出されて血管や神経を刺激するといわれています。ですから、効率的に蕁麻疹の症状を落ち着かせるには、抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤の飲み薬を使うとよいのです。
市販の飲み薬ではアレルギール錠やレスタミンコーワ糖衣錠、アレグラFXやアレジオン10などがこれにあたります。ただし、市販の飲み薬の多くは、15歳以下の子どもは飲めないので注意が必要です。
小児科や皮膚科などでは、子どもでも服用できる飲み薬を処方してもらえます。症状の程度によって処方される薬は違いますが、アレロックやジルテックなどを使ってまずは様子をみます。
全身に症状が広がっていたり、顔の腫れがひどかったりするときはステロイド剤を服用することもあります。
子どもが蕁麻疹になったら
子どもに蕁麻疹があらわれたら、まずは掻き壊さないように、赤いところには触らないでねと子どもにもわかるように指導します。体を温めるとかゆみがひどくなるので、患部を冷やしてあげることも大切です。
蕁麻疹があらわれているところを清潔にして、特定の原因となるものが身近になかったかよく確認します。しばらく様子をみても、まったく改善しないようであれば、小児科や皮膚科などかかりつけの医師に相談すると安心です。
あらわれたり、消えたりを繰り返す蕁麻疹のときは、どのような状況で蕁麻疹になったのか、どれくらいの時間であらわれたり、消えたりするのかといったことを簡単にメモしておくと診断の助けになります。
また、患部の写真を携帯などで撮っておき、受診時に見せられるようにしておくのも有効です。
まとめ
子どもによくみられる蕁麻疹には飲み薬で対処する
蕁麻疹とは
蕁麻疹の種類
蕁麻疹の原因
蕁麻疹の治療に使われる飲み薬
子どもが蕁麻疹になったら