蕁麻疹は珍しい病気ではなく、15~20%の方が一生のうちに一度は経験すると言われているほどです。幼い子供の皮膚症状や痒みの訴えは保護者にとってもつらいものです。 蕁麻疹 で 熱 が出るようなこともあるのでしょうか。
蕁麻疹と発熱についてご紹介いたします。
蕁麻疹で発熱するのはどのような場合ですか
蕁麻疹とは
蕁麻疹は皮膚の一部が突然赤くくっきりと盛り上がり、しばらくすると跡形なく消えてしまう病気です。それぞれの皮疹は数十分から数時間以内に消えることが多いのですが、中には半日から1日続くものもあります。
ほとんどの場合痒みがありますが、チクチクとした痛みに似た痒みや焼けるような感覚を訴える場合もあります。
皮膚の盛り上がりの大きさは1~2ミリ程度のものから手足全体の大きさのものまで、さらにはひとつひとつの盛り上がりが融合してしまって体全体を覆ってしまうようなこともあります。
皮膚の盛り上がりの形もさまざまで、円形・楕円形・地図状などと表現されます。
蕁麻疹という病名の由来は、人がイラクサ(蕁麻)の葉に触れるとこのような皮膚症状を起こすことだと言われています。
皮疹が何日にもわたって残ったり、茶色になったり、表面がガサガサするようであれば、蕁麻疹ではなく他の病気だと考えられます。
蕁麻疹発症のメカニズム
皮膚の中の血管が何らかの原因で一時的に膨らんで、血液の中の血漿(けっしょう)が周囲に滲み出た状態が蕁麻疹だと言うことができます。
皮膚の血管の周辺には顆粒がたくさん詰まったマスト細胞と呼ばれる細胞がありますが、このマスト細胞から顆粒が放出されると血管が顆粒の成分に反応して蕁麻疹を生じさせると言います。
顆粒に多く含まれるのはヒスタミンという物質で、皮膚の血管に作用して血管を拡張するとともに血漿を血管の外に滲み出させるのです。
蕁麻疹に痒みが伴うのは、ヒスタミンが痒みの神経を刺激するためです。
蕁麻疹と発熱
蕁麻疹には発症のきっかけとなる原因によってさまざな種類があります。食事や薬、太陽光や寒冷の刺激などはよく知られています。また、全く何が原因か特定できない場合もあります。
例えば、感染症で風邪症状があったり、ノロウイルスに感染して胃腸症状があるような場合に蕁麻疹が出ることがありますが、炎症に伴う発熱であると考えられます。
反対に蕁麻疹が出てから、感染症の症状が出るというようなこともあるようです。どちらの場合も最初に出た症状から数日以内に次の症状が出ることが特徴的です。
上述のように蕁麻疹の原因が感染症である場合、蕁麻疹と発熱の順序はさまざまですが、発熱の可能性があると言うことができます。
また、蕁麻疹自体のほてりがあると、皮膚温が上昇するということも考えられます。その場合は感染症を原因とする蕁麻疹の発熱に伴う倦怠感は感じられないことが多いようです。
子供が蕁麻疹になったら
興奮やストレスは痒みを悪化させてしまいます。できるだけ、静かに横になるようにさせてください。
また、患部を温めると血行が促進されて痒みが増幅してしまいますので、寒冷蕁麻疹以外は冷やすようにしましょう。
注意しなければならないのはアレルギー性の蕁麻疹で複数の症状が急速にあらわれるアナフィラキシー症状です。
蕁麻疹とともに口の中やまぶたの腫れがあり、ヒューヒューという呼吸音があったり、血圧低下や失禁などの症状が重なっているような場合は直ちに医療機関を受診してください。
蕁麻疹の初期症状はかぶれや虫刺されなどとの区別がつきにくいものです。また、数十分で消えてしまうような場合もありますので、写真を撮っておくと受診の際の診断に役立ちます。
まとめ
蕁麻疹で発熱するのはどのような場合ですか
蕁麻疹とは
蕁麻疹発症のメカニズム
蕁麻疹と発熱
子供が蕁麻疹になったら