乳幼児期に自閉症の診断を受けることは困難ですが、自閉症を疑う乳幼児期の子供には癇癪がみられます。では、なぜ癇癪がみられるのでしょうか?
今回は、 自閉症 を疑う 赤ちゃん や幼児の育て方(癇癪編)についてご紹介します。
自閉症を疑う赤ちゃんの育て方(癇癪編)
癇癪って何?
発達障害における癇癪とは、言葉の発達の遅れからくる癇癪、表現方法が分からないために起きる癇癪、こだわりの強さからあらわれる癇癪、また感覚過敏により接触を嫌うことから起きる癇癪などがあげられます。
発達障害児者によくみられる癇癪とはワガママから表れているのではなく、表現できないことから起きてしまう癇癪ということができます。
言葉の発達のおくれ
自閉症という診断は3歳までに言葉が表出したかにより変わります。3歳以前に言葉が表れた場合はアスペルガー症候群、3歳より後に言葉が表れた場合は自閉症、または高機能自閉症と診断されます。
定型発達の子どもは1歳前後で言葉が表れますが、発達障害を持つ子どもの場合は言葉の表出が数年遅れます。何年もの間、自分の意思や伝えたいことを表現できないのですから、ストレスの高い状態となります。
さらに、ストレスの高い状態が長く続くことにより癇癪が起きやすい状況となってしまいます。
表現方法
自閉症を疑う幼児の場合、言いたいことを上手に伝えられない傾向があります。または、言いたいことがあっても、どのように表現するのか表現方法が分からず怒ってしまう場合が見受けられます。
言葉の発達の遅れや表現方法が分からず癇癪を起してしまう場合は、絵や写真を使いコミュニケーションを取るようにしましょう。また、周囲の大人が子どもの気持ちを代弁する必要があります。代弁することにより言葉や表現方法の習得につながります。
幼児期の子どもにおいては、癇癪を起すのではなく「どう言えばいいですか?」と、質問できるようにすると良いです。また、話しかける側もなるべく短く分かりやすい言葉で話すようにしましょう。
特に「ダメ」という言葉は、どうしたら良いのか分からずパニックに陥ってしまいますので、「ダメ」ではなく「どうしたら良いのか」を教えるようにしましょう。
こだわりの強さ
発達障害を持つ乳幼児は、物の位置や道順、一日のスケジュールなどに強いこだわりを持つ子どもが多くいます。例えば、物の位置が変化している、いつもと違う道を歩く、突然予定が変わるなど、「いつもと違う」ことが起きてしまうとどうして良いか分からず混乱しパニックに陥る場合があります。
一見、ワガママから起きる癇癪と勘違いしてしまいますが、どうして良いか分からず困ってしまい起きるパニックですので、小さいうちはあまり変化のない生活を送るよう心がけましょう。
感覚過敏
感覚過敏を持つ子どもの場合、抱っこをする、触るなどの接触を嫌い泣いて怒る場合があります。感覚が過敏のため触られることに対し不快、もしくは痛いと感じてしまうのかもしれません。
感覚過敏は年齢とともに緩和されていくものなので、嫌がるときには無理に触らず、触っても抵抗を感じない部位を探すようにしましょう。
言葉の重要性
上記は、言葉が上手く伝えられないために癇癪となり表れてしまう問題行動です。癇癪を認めてしまえば、子どもは癇癪を起こせば分かってもらえると学習してしまいます。
小さい頃から絵や写真、ジャスチャー、簡単な単語を使いどうしたいのか伝える努力をさせましょう。養育者には、忍耐や根気が必要となりますが5年、10年と時間がかかったとしても必ずできるようになる日はおとずれます。
まとめ
自閉症を疑う赤ちゃんの育て方(癇癪編)
癇癪って何?
言葉の発達のおくれ
表現方法
こだわりの強さ
感覚過敏
言葉の重要性