赤ちゃん期に自閉症を診断することはとても難しい行為です。ですが、昔から言われる「癇の強い子供」の場合、育てにくさを感じることが多々あるでしょう。そのような場合、発達障害の有無に関わらず丁寧な育児が必要となります。
今回は、発達障害や 自閉症 を疑う 赤ちゃん のための育児方法についてご紹介します。
自閉症を疑う赤ちゃんの育て方(睡眠障害編)
自閉症を疑う赤ちゃん
自閉症とは、社会性やコミュニケーション能力に乏しく、想像することが苦手な障害です。また、現代医学では先天的な脳の機能障害と考えられています。
自閉症は知能検査や聞き取り調査、行動観察により診断の可能な障害ですが、発達の未熟な赤ちゃん期において自閉症を診断することは極めて難しい行為となります。(詳しくは「自閉症を疑う赤ちゃん。その特徴と対処法は?」をご覧ください。)
従って、今回は発達障害や自閉症の疑いのある育てにくい赤ちゃんの特徴と対処法をご紹介します。
感覚過敏と睡眠障害
発達障害を持つ子どもの多くに睡眠障害が認められます。その理由として感覚過敏があげられます。感覚過敏とは、音や光、嗅覚、触覚などの感覚が研ぎ澄まされているため日常生活に支障をきたす状態のことをいい、特に未就学児は感覚が未発達なため感覚過敏によるトラブルが多く見受けられます。
それでは、日常生活において養育者を最も悩ませる睡眠障害に対しどのように対処することが望ましいのでしょうか。
室温を一定に保つ
発達障害児者は自律神経が未発達なため体温調節を行うことを苦手とします。そのため、睡眠時も身体が暑くなりなかなか眠りにつけない場合があります。また、眠っていても暑さにより目を覚ますこともあります。
対処法としては、衣服の着脱による調整、または空調などを使い室温を一定に保つ、氷枕やアイスパック、冷えピタなどを活用し身体の熱を下げる工夫が必要となります。
音や光
感覚過敏なため、かすかな音や光に反応しなかなか眠りにつけないことがあります。眠りについても、家族の誰かが帰宅するとその音や光に反応し目覚めてしまう可能性もあります。
音や光に敏感な場合、部屋の明かりを消しなるべく無音を心がけます。この時、DVDプレーヤや空気清浄機などの電化製品の電源が入っていると、かすかな光がもれ眠らないことがあります。
電気を消しても眠らない場合は、電化製品の光がもれていないか、カーテンの隙間から光が差し込んでいないか確認すると良いでしょう。
また家族が遅く帰宅する場合は、鍵の施錠の音や明かりに気を配りましょう。夜食を食べる場合も同様に、電子レンジの音や食べ物の匂いにも気を付けなければなりません。嗅覚が過敏な場合、少し違った匂いがすると目覚めてしまう可能性があります。
どうしても眠らない
何をしても眠らない場合があります。そのような場合は最終手段としてベビーカーや車に乗せ、なるべく暗い道をお散歩する方法があります。話しかけたりせず静かに夜道をお散歩してください。
赤ちゃん期や幼児期のお子さんは心地良い振動により眠りにつきやすくなることもあります。ですが、夜道は危険ですので安全確保を怠らないよう注意しましょう。
家族の絆
眠らないという行為は、養育者を最も悩ませる行為の一つです。眠らない日々が何年も続くわけですから養育者は精神的にも肉体的にも疲弊してしまいます。
寝たふりをしても、子どもは遊びを続け眠りません。叱れば養育者が反応したことに喜び、なお眠りません。子どもを無視し眠りにつけば、1,2歳のお子さんなら勝手に外へ出て行ってしまう可能性もあります。
眠らないという行為は養育者を精神的に追い詰め、家族全体としての問題になりうる行為でもあります。従って家族の協力や支えが必要不可欠となります。
家族一人ひとりが発達障害を疑うお子さんの特性を理解し、サポート体制を築く努力をすることにより解決できる問題もあります。また家族が協力することにより、家族の絆はより深いものとなるのではないでしょうか。
まとめ
自閉症を疑う赤ちゃんの育て方(睡眠障害編)
自閉症を疑う赤ちゃん
感覚過敏と睡眠障害
室温を一定に保つ
音や光
どうしても眠らない
家族の絆