最近、耳にすることが多くなった 自閉症。自閉症は実はごく身近な障害なのです。しかし、実際は自閉症についてよく知られていなかったり、誤解されたりしていることが多いのです。
自閉症を正しく理解するために、自閉症の 特徴 を一緒に見ていきましょう。ごく身近な障害である自閉症。特徴を知り、自閉症を正しく理解しましょう。
ごく身近な障害である自閉症。特徴を知り、正しく理解しましょう。
自閉症とは
自閉症を心の病気だ、と誤解している人がいるようですが、自閉症は決して心の病ではありません。また、親の育て方や育てる環境が悪いから自閉症になるのだ、といった誤解もあるようですが、それも全く違います。
自閉症は病気ではなく、発達障害です。つまり、生まれつき脳に障害があることが原因なのです。
自閉症の研究が始まったころは、自閉症はとても珍しい発達障害だと考えられていました。しかし、研究が進んだ現在では、軽症の自閉症まで含めると、100人に1人の割合で自閉症の子供がいる、と考えられているのです。
自閉症の3つの特徴
自閉症には様々なタイプがあります。10人いれば、10通りの違った自閉症の形があるのです。しかし、その根本には3つの典型的な特徴があります。
まず1つ目は、対人関係の障害です。一言で対人関係の障害といっても、その障害の表れ方は人それぞれです。例えば、他人に興味がなく、いつも一人で遊ぶことを好み、友達と一緒に遊ぶことを嫌がる子もいます。その一方で、人見知りが全くなく、見知らぬ人に馴れ馴れしく話しかける子もいます。
全く違うタイプなので同じ自閉症に見えないかもしれませんが、実は根本にあるものは同じです。それは、他人との関係を正しく理解できない、ということです。そのために、他人との距離が極端に近すぎたり、反対に他人との関係を持つのを極端に嫌がったりするのです。人の気持ちをくみ取ることが出来ないため、一方的に話し続けたり、人を傷つけてしまうような言葉を平気で口にしてしまったりすることもあります。
自閉症の2つ目の特徴は、言葉・コミュニケーション能力の障害です。言葉の遅れが見られたり、一度使った言葉を使わなくなったりします。また、言葉の障害以外にもコミュニケーションを上手くとれない、という傾向があります。例えば、その場に合わない事を急に話し出したり、初対面の人に対して一方的に話し出したりすることがあります。会話中に視線があいにくかったり、逆に相手の目を凝視し続けたり、といったこともあります。
自閉症の3つ目の特徴は、興味のかたよりや強いこだわり、そして常同運動が見られることです。特定の物に対して異常なほどの興味を示し、興味のある物と興味のない物との差がはっきりしています。また、おもちゃなどの並べ方や散歩の際の道順などに強いこだわりを持ちます。万一、それらの順番が逆になった場合には、パニックやかんしゃくを起こしてしまいます。それは、状況の変化に臨機応変に対応する能力に欠けているからです。また、手をひらひらとさせたり、その場でクルクルと回ったり、飛び跳ねたり、といった常同運動を繰り返すことも、自閉症の子供ではよくあることです。
上記3つの自閉症の特徴以外にも、自閉症の子供には、落ち着きのなさや知覚過敏、睡眠時間が短い睡眠異常といった症状が見られます。
自閉症と子育て
自閉症は、生まれつきの脳の障害です。自閉症の研究は進んでいますが、実際に脳のどの部分にどんな問題があるのか、といったことはまだ分かっていません。ですので、自閉症は治療するものではなく、上手く付き合っていくものなのです。
自閉症だと判断できるのは、3歳を過ぎてからです。そして、自閉症と診断されたら、それをその子の障害ではなく、「特性」として受け入れ、その子に合った子育てをしていくことが大切です。早い時期に自閉症と診断され、焦ることなくその子に合った教育をしていけば、その子供の可能性は大いに広がっていきます。また、小さい頃の適切な子育てのおかげで大人になってから自閉症の特徴があまり見られなくなった、という事例もあります。
自閉症の人の中には、素晴らしい才能を発揮した偉人も数多くいます。アインシュタインやエジソンなどがその例です。自閉症の子供は、その子の強い興味やこだわりを伸ばしてあげることで素晴らしい才能を開花させることもあります。ですので、自閉症を「特性」として、その子を尊重した子育てをすることが大切なのです。
まとめ
ごく身近な障害である自閉症。特徴を知り、正しく理解しましょう。
自閉症とは
自閉症の3つの特徴
自閉症と子育て