胃食道逆流症 と聞いて「ピーン」とくる人はどれくらいいるでしょうか? もしかしたら、テレビの薬CMで逆流性胃炎の病名ならご存知かと思います。字から連想して分かるように、胃からこみあがってきたものが、食道にまで達する時に生じる炎症性の病気です。
胸のムカムカなどの症状があり、逆流性食道炎もGERDに含まれます。では具体的に説明して確認していきます。
胃食道逆流症(GERD)は治る病気?!
何が原因で起きるのか?
食道と胃の境にある弁の役割をはたす下部食道括約帯(LES)が、食物と胃酸の逆流を防止しているのです。LESは普段は閉じていますが、飲食に伴い飲み下す行為の嚥下運動の際やゲップをする時に大きく開きます。そして、何でもない時でもLESが弛緩することがあるのです。
一過性LES弛緩といわれる状態があり、座っている姿勢・立っている姿勢時にLES弛緩が通常と比べて長く続く事があります。これが頻繁に起きるのがGERDの主な要因と言われています。
さらにこれら以外にも下部食道括約帯の働かなく要因は、お腹を締め付けたり、下部食道括約帯の働きが全くない状態で横になると逆流する事も考えられます。
症状と原因の確認
胃食道逆流症は大人だけでなく、小児科に通う子供でもかかりやすいと認識しておくべきです。人間は正常の場合、食べた物が胃から食道へは逆流しないようになっています。
しかし、胃食道逆流症にかかると、人間の体にある逆流防止機能が働かなくなり、嘔吐を繰り返してしまうのです。主な症状は、過度の嘔吐です。生まれて間もない赤ちゃんは、まだ逆流防止機能が不十分なので、逆流が起こることが多々あります。
乳児が授乳時にミルクを出してしまうのも、これが原因です。この乳児期はだいたい1歳半頃で逆流防止機能が出来上がってくるので、治る傾向にあります。
しかし続く場合は胃食道逆流症と診断されることが多くあります。 胃食道逆流症にかかり、逆流した胃酸が気管に入ってしまうと咳・呼吸停止・肺炎になってしまうことがあります。気管支の持病がある子供は胃食道逆流症になりやすいです。乳児の授乳姿勢は特に注意が必要です。
逆流防止機能が未発達な為、横に寝かせることによって逆流しないように助けてくれている重力がかからなくなってしまう横姿勢は細心の注意をはらうべきです。それ以外にも小児が炭酸飲料を飲んだり、カフェインなどを多量に摂ると胃食道逆流症を起こすきっかけにもなってしまいます。
小児の胃食道逆流症の治療法
1歳半頃まで下部食道括約帯がまだ十分に発達していないので、急いで治す必要は少ないです。胃食道逆流症に小児がかかった場合は、まず薬で治療を行います。胃食道逆流症の症状が重たい場合には手術の場合もあります。
薬で胃食道逆流症を治療する際には、胃酸分泌制御役が必要です。胃酸分泌抑制薬は胃酸の分泌を抑制することで胃食道逆流症の症状を軽減し、食道の炎症等を治す治療です。現在では胃酸分泌制御薬が処方されることがほとんどのようです。
胃食道逆流症になった際の対処法
小児が胃食道逆流症にかかった場合は横になる際、頭の部分を約15cm高くして夜中に逆流が起こらないようにします。
就寝2~3時間前の食事を控えたり、炭酸飲料・チョコレートを口にする回数を減らしたり、広範囲で使用されている多少副作用(便秘・眼圧上昇・認知機能低下など)のある薬(抗コリン作用)を服用しないのも選択肢の1つです。
身の回りに喫煙者がいると小児も受動喫煙となるので、喫煙者には極力近寄らないように意識する事も大切です。
胃食道逆流症の見極めと治るまでの取り組み期間
子供が頻繁に吐くようならば、胃食道逆流症を念頭において小児科に連れて行くべきです。きちんと病院でみてもらい適切な対処をして薬を服用し、7日前後で治るので深刻になる心配はないケースが多いようです。
しかし病院にも行かず、そのまま処置をしなければ子供は胃食道逆流症が続く可能性があります。小児がかかりやすい胃食道逆流症は親である大人が注意してみてあげて下さい。
気になる兆候があるならば、とりあえずかかりつけ医に相談してみることです。重症の場合は専門医へ受診をお勧めします。
まとめ
胃食道逆流症(GERD)は治る病気?!
何が原因で起きるのか?
症状と原因の確認
小児の胃食道逆流症の治療法
胃食道逆流症になった際の対処法
胃食道逆流症の見極めと治るまでの取り組み期間