子供の急性胃炎は水分補給に気を付けて、安静にすることが治療の基本となります。食事の与え方を誤ると 胃炎 を長引かせることにもつながります。子供が欲しがるままに与えることはせず、胃腸に負担をかけない 食事 を上手に与えるようにしましょう。
上手な食事療法で胃炎を長引かせない
子供の急性胃炎について
子供の急性胃炎はほとんどがウイルスか細菌が原因となって発症します。腹痛や嘔吐から始まり、主症状は下痢へと移行していきます。水分を十分に摂って安静にしていれば3日から6日ほどで症状はおさまってきます。
小さい子供や赤ちゃんは適切な食事療法を行っていかないと、症状がぶりかえしてしまうこともあります。脱水を起こさないように気を付けつつ、親は食事をコントロールする必要があります。欲しがるままに与えないように注意しましょう。
食事は少量頻回で与える方が胃腸への負担が少ないので、一日に5回から6回程度に分けて与えるのも良い方法です。子供は量が少ないとよく噛まずに食べてしまうことも多いので、ゆっくりよく噛んで食べるように声掛けすると消化吸収がよくなります。
第一段階は水分
激しく嘔吐している時には水分も制限を行います。少しの水分でも刺激となって、嘔吐してしまうことがあります。嘔吐の症状はそれほど長くは続きませんので、嘔吐がおさまってきたら、少しずつ頻回で水分を取らせるようにします。
湯冷ましやほうじ茶などを常温で少しずつ与えます。大人用のスポーツドリンクは子供には糖分が多すぎるため、イオン飲料を与える時は必ず子供用のものを選ぶようにしましょう。
冷たいものや熱いものは胃に刺激となりますので、常温のものを与えるように気を付けます。
下痢や嘔吐などで脱水が心配される状態の時には、病院で経口補水液を勧められることがあります。乳幼児の一日の水分の必要摂取量はおおよそ体重1キロあたり100mlと言われています。
OS-1などの市販の経口補水液は乳幼児では一日に摂取していいのは、体重1キロあたり30mlから50mlまでとされています。塩分が多めに入っているので、元気な時にたくさん飲むと腎臓などに負担をかけることになります。
脱水になりかけている時に、急いで体に適度な塩分と電解質を補うために飲むのが経口補水液です。一日に摂取して良い量を体重から換算して、飲ませすぎないように注意しましょう。
第二段階は流動食
嘔吐や腹痛、下痢が少しおさまってきたら、食事を流動食にします。胃や腸の粘膜の炎症が治っているわけではありませんので、刺激の少ない柔らかいものを少しずつ与えます。栄養についてはまだ考えなくてもよいでしょう。
重湯や野菜スープ、味噌汁の上澄み液、ヨーグルト、プリンなどを少量ずつ与えてみます。味付けはごく薄くすることも大切です。
以前は乳製品を与えるのは良くないとされていましたが、近年、考え方が変わってきており、ヨーグルトなども勧められるようになりました。ただ、普段から乳製品をあまり好んで食べない子供には無理に食べさせる必要はありません。
第三段階は軟食
三分がゆから五分がゆくらいの軟らかさのおかゆを少量ずつ与えます。薄く味付けをして温めた豆腐やはんぺんなどを煮たものも食べられます。一食ずつ、様子を見ながら量やバリエーションを増やしていきます。食べられそうなら、白身魚や野菜を柔らかく煮たものなどを与えます。
品質の良いアイスクリームやビスケットなどは栄養補給にもなりますので、間食に少しずつ与えると良いでしょう。
第四段階は普通食
軟らかめに炊いたご飯やよく煮たうどんなどからはじめて、徐々に普通食に近づけていきます。しばらくの間は、できるだけ胃に負担をかけないように、脂っぽいものや刺激の強いものは避けるようにすると安心です。
普段でしたら推奨される食物繊維の多い食材にも注意が必要です。胃や腸が完全に良くなるまでは消化しづらい食物繊維の多い食材は少なめにするように気を付けましょう。
果物類は子供が喜ぶことの多い食材ですが、みかんなどの柑橘類は避けるようにして消化の良いバナナやりんご、桃などを与えると良いでしょう。
まとめ
上手な食事療法で胃炎を長引かせない
第一段階は水分
第二段階は流動食
第二段階は流動食
第三段階は軟食
第四段階は普通食