ヨーグルトは健康食品として昔からよく知られています。腸内環境を整える効果があることから胃腸炎のときに食べると良いと思う人も多いようですが、実際は効果があるのでしょうか。
また、 胃腸炎 の予防に ヨーグルト は効くのか、検証してみましょう。
胃腸炎の最中と回復期、ヨーグルトはいつ食べる?
胃腸炎の最中に、ヨーグルトは?
胃腸炎は胃や腸の粘膜が炎症を起こしている状態のことで、胃腸の不快感、下痢、吐き気、嘔吐、腹痛といった症状があらわれ、発熱や疲労感が起こる場合もあります。
特効薬はないので、水分を必ずとりながら胃腸に負担のかからない消化の良いものを食べて症状がおさまるのを待つことになります。
下痢の症状があるときの腸は活発に動いている状態です。通常の状態では、腸はぜん道運動をしながら水分や栄養を吸収し、残った不要物を便として排出していて、このとき摂取した水分の99%は吸収されるのですが、腸の動きが活発になりすぎると水分が吸収されないまま便が速く通過してしまうので、便が水っぽくなり下痢の状態となります。
このような時には食欲も空腹感もなく、何を食べても出してしまうので無理をせず、半日~1日くらいは絶食をして、激しい症状がおさまるまで腸をしっかり休ませましょう。
この期間にとれるのは脱水症を防ぐための水分です。経口補水液のような水分を常温で少量ずつ数回にわけて飲むようにします。
ヨーグルトは固形物ですので、この時には適していません。
胃腸炎の回復期の食事とヨーグルト
吐き気がおさまってきたら、様子をみながら少しずつ胃腸に負担のかからない食事をとっていきましょう。栄養があってすぐに消化される食べ物を選ぶと胃腸に負担がかからず、身体の回復にもつながります。
食材は繊維を細かく切ってよく火を通したものを、暖かい状態で食べるようにします。1日に5~6食に分けて少しずつ食べると、負担を軽減しながら栄養をとることができます。おかゆや軟らかく煮たうどんに、野菜を細かく切ったりつぶしたりしたものを合わせて食べると良いでしょう。
塩分が濃すぎると負担になるので薄味にします。逆に、油脂・香辛料・酸を多く含む柑橘系のフルーツなどは胃腸の負担となるので避けましょう。
胃腸炎の症状がおさまり、回復期に入って少しずつ食事がとれるようになってきたら、整腸作用のあるヨーグルトが有効になります。
ただし、ヨーグルトの酸味によって吐き気をもよおす状態ではまだ避けた方がよいでしょう。また、冷たいヨーグルトで体が冷えてかえって下痢になってしまう場合もあるので、常温にするか口の中でゆっくり溶かすようにしながら食べます。
この時も、一度にたくさん食べることは避けて、様子をみながら少しずつ食べるようにしましょう。
胃腸炎の予防にヨーグルト
胃腸炎の予防には手洗いとうがいを徹底することが必須です。また、バランスのとれた食事と適度な運動、質の良い睡眠をとることを心がけて体力や免疫力を上げておくことも大切です。
そして、免疫力を高める食材として注目されているのがヨーグルトです。ヨーグルトはメーカーによってさまざまな種類の乳酸菌を使った商品が販売されています。
乳酸菌の種類は多く、それぞれに特有の効果があり、中にはウイルスや細菌に対する免疫力の向上や、ピロリ菌を減らす効果が実証されたものもあります。
ヨーグルトの種類に関わらず、ヨーグルトに含まれる乳酸菌を継続的にとり、腸内の善玉菌を増やしたり活発にしたりしておくと、腸内環境が改善して免疫力が高くなります。それによって感染性の胃腸炎にかかりにくい体になり、感染しても症状が軽くなります。
乳酸菌は胃酸で死滅してもその死骸が腸内の善玉菌を増やす効果があることがわかっていますが、現在では乳酸菌が「生きたまま腸まで届く」とうたった商品もあり、高い整腸作用が期待できます。
こうした効果を得るためには、1日100g程度の量を毎日とり続けることが大切です。
ヨーグルトの選び方
ヨーグルトは商品によってうたい文句もさまざまで、自分に合うものを選びたいところですが、人の体質によってその効果には差が出ます。
2週間程度続けても望む効果があらわれない場合は違うヨーグルトを試してみましょう。体質にぴったり合うものが見つかったら、とても高い効果が得られるようです。
ただし、健康食品として知られるヨーグルトでも体に合わない人もいるので、胃に不快感が残ったり下痢をしやすくなったりするのであれば、たとえヨーグルトでも無理をせずに避けましょう。
また、甘味料として使われているキシリトールなどは消化しにくく、体質によっては下痢をまねくことがあるので注意が必要です。
まとめ
胃腸炎の最中と回復期、ヨーグルトはいつ食べる?
胃腸炎の最中に、ヨーグルトは?
胃腸炎の回復期の食事とヨーグルト
胃腸炎の予防にヨーグルト
ヨーグルトの選び方