冬にかけ、学校などで子供の胃腸炎が流行りだします。ノロウイルスの流行から始まり、ロタウイルスの流行へと11月頃から4月頃まで続きます。どちらも感染力が強く、集団で生活する機会の多い子供にとっては、感染を避ける事はなかなか難しい所です。
特に今年の2015年は新型のノロウイルスの流行が警戒されていますので、より注意が必要です。今回は子供が 胃腸炎 にかかってしまった時の 食事 と水分摂取による治療方法を紹介します。
子供の胃腸炎に対する経口補水療法と食事療法
子供の胃腸炎の症状
子どもがノロウイルスやロタウイルスに感染すると、嘔吐・下痢といった主症状が現れます。また、二次的にけいれん発作やぐったりとして反応が乏しくなるような脱水、低血糖による症状。
他にもウイルスの増殖により起こる血便や熱発等もみられる事があり、子どもの様態が重篤な状態に陥る事もあります。もし、このような症状がみられた場合は直ちに救急病院受診を行わなければなりません。
子供の胃腸炎の治療
基本的な治療は水分補給と食事療法を行います。特効薬は無いため自然治癒にゆだねる事になります。下痢止めや吐き気止めも極力使用を控えます。下痢や嘔吐は体内のウイルスを排出する自浄作用でもある為、抑制しない方が早期治療につながります。
ただし、この間に体内から水分やミネラル分が大量に排出されてしまいますので、脱水等二次的な病気を引き起こさないように、これらを補給していく必要があります。
胃腸炎の経口補水療法
子どもの胃腸炎時の水分補給方法は、点滴よりも口から水分を摂取する経口補水療法が主流になってきました。ウイルス感染を起こして直ぐは特に食欲も湧きませんので、まずやるべきことは水分をとらせるという事になります。
経口補水療法の大切なポイントは量より回数、そして塩分の摂取が重要であるという事を覚えておいてください。一口からでも構いません。10分から20分毎にちょこちょこと飲ませる事が大切です。一気に沢山飲んでも腸が弱っていて吸収できない状態ですから、お腹が張ってしまい次を飲まなくなるなど、結果的に水分摂取ができていないという事に繋がってしまいます。
理想的な飲み物は大塚製薬のオーエスワンです。水分と塩分のバランスが体液に近いように調整されていますので体への吸収率が良いのが特徴です。ただ、味が嫌いで飲もうとしない子供も多くいます。
そのような時はオーエスワンを少し冷やしてから子供に飲ませると味がごまかされ、飲めることがありますので試してみてください。冷やしすぎは下痢を助長しますので注意してください。
ポカリスエットとアクエリアスの違い
子どもに経口補水療法を行う際に手元にオーエスワンが無い、どうしても味を嫌がって飲んでくれないという事がある場合はスポーツドリンクの様なイオン飲料水でも代用ができます。
ここで、代表的に思いつくのがポカリスエットとアクエリアスです。ではこの二つのうちどちらが適しているかといいますと、答えはどちらも同じです。これらスポーツドリンクは糖分の違いはありますが、その他の成分は大きく変わりません。お好みで選択して構いません。
胃腸炎の食事療法
胃腸炎による吐き気が落ち着いてきたら食事を開始していきます。目安としては吐き気が治まって3時間以上経過し、再び吐き気がしないのであれば食事を開始できます。
人参スープやすりおろしリンゴは下痢の症状緩和に適しています。5部粥、全粥も非常に効果的で、世界でもおかゆは胃腸炎食として認められています。少し塩分を加える事も大切です。
食べ方としては経口補水療法と同じで一日6食など小分けに摂取する事が好ましく、お腹への負担を減らすことができます。油物、香辛料、冷えすぎたもの、柑橘類、甘いものは下痢の症状を悪化させることに繋がりますので、しばらくは避けるようにしてください。
手洗いうがいの徹底を!
子どもの胃腸炎はその原因となるウイルスがほぼ、手から口へと侵入しているといっても過言ではありません。ウイルスの増殖力は強く体内に数個侵入しただけでも増大し、胃腸炎症状を呈します。
ですから、手洗いうがいは必須であり、一番の予防につながるのです。是非、一日のうちに何度でも手洗いうがいを行うよう子供に指導してください。
まとめ
子供の胃腸炎に対する経口補水療法と食事療法
子供の胃腸炎の症状
子供の胃腸炎の治療
胃腸炎の経口補水療法
ポカリスエットとアクエリアスの違い
胃腸炎の食事療法
手洗いうがいの徹底を!