現代の日本では ストレス が原因の 胃腸炎 を発症する子供も増加しています。不登校の子供にも多いストレス性の胃腸炎では、その子供の状態や症状について周囲の大人が理解を示してあげることで状態が改善することもあるということを知ることが大切です。
不登校の子供にも多いストレス性の胃腸炎について知る
子供の胃腸炎について
子供がかかる胃腸炎で数が多いのは、ウイルス性胃腸炎や細菌性胃腸炎などの感染性胃腸炎と言われるものです。ウイルス性胃腸炎はノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなどが原因となり、冬場に幼稚園や学校などの集団生活の中で感染が拡大します。
細菌性胃腸炎はカンピロバクター、サルモネラ菌などの細菌が原因となる胃腸炎で小さな子供や赤ちゃんでは重症化することも多い病気です。
数の上ではウイルス性胃腸炎や細菌性胃腸炎が多いとされていますが、現代では子供の胃腸炎の原因としてストレスによるものも増加の傾向があるとされています。
ストレス性胃腸炎というのは、消化器官そのものには問題はなく、ストレスなどの精神的要因から胃腸の機能が低下してしまうという状態です。胃の組織や粘膜に機能的な異常はみられないのに、胃腸炎の症状があらわれるというのは大人でも比較的よくあることです。
ストレスが原因の胃腸炎とは
なんらかのストレスが原因で自律神経がうまく働かなくなり、胃が痙攣したり、胃酸の過剰分泌がみられたり、胃腸の機能低下などにより、消化不良が起こります。
子供では「お腹が痛くなるかもしれない」ということを考えることがさらにストレスとなって、栄養の消化吸収がうまくできなくなってしまうという悪循環が起きることもあります。
急性の症状を訴えることもありますが、慢性的な腹痛やお腹の不快感などを訴えることが多く、学校に行くことができない不登校の子供にも多くあらわれる症状です。日本人の4人~8人に1人ほどの割合でこの症状を訴えていると言われています。
子供はお腹が痛い状態を適切に言葉にしてあらわすことが難しいため、「なんとなくお腹が痛い」という曖昧な訴えをすることがあります。どこが痛いと適切に言えなくても、子供は実際に痛みを感じています。そのことを理解して共感してあげるだけでも、症状が和らぐこともあります。
ストレス性の胃腸炎の症状
胃がきゅっと差し込むように痛くなったり、吐き気やお腹のあたりの不快感があったり、胃がもたれることもあります。食欲が減退して、食事をとってもすぐにお腹がいっぱいだと感じてしまいます。
酸っぱい胃液がのどの方に上がってくることもあります。腹部の膨満感や下痢、便秘などが続くこともあります。下痢と便秘を交互に繰り返すこともあります。
ストレス性の胃腸炎の症状は人によって様々で、感じ方もそれぞれ異なると言われています。こういった症状は、すぐにおさまることもあれば、慢性的に長く続くこともあります。
ストレス性の胃腸炎の治療法
まずは実際に感じている症状を緩和させることが重要です。胃腸の機能を改善するための薬や胃酸の分泌を抑える薬、消化を助ける薬などを用いて治療を行います。
ストレスが原因の胃腸炎の場合、精神症状の安定を図ることも大切になります。カウンセラーと症状やストレスの原因について話し合うことで、ストレスそのものを軽減させたり、ストレスのコントロールが出来るようになったりします。
子供は親には症状やストレスの原因を言いたがらないというケースもあります。その場合、カウンセラーが間に入ることによって状態の改善を図ることができる場合もあります。
ストレス性の胃腸炎にならないためには
ストレス性の胃腸炎にならないためには、大人でも子供でもストレスをためないということが最も重要になります。子供も小学生や中学生になると大人の知らない個人の世界を持つようになります。
現代の子供の世界は複雑で順応するのが大変だということを大人がよく理解して、子供に寄り添ってあげる姿勢が大切です。ストレス性の胃腸炎を発症していても、脱水にさえならなければすぐに命にかかわるような症状を呈することは少ないので、まずは大人が子供を取り巻く状況を理解してあげるよう努力しましょう。
ストレス性の胃腸炎を発症していることを責めるなどして子供を追い詰めることのないよう、十分注意しましょう。
まとめ
不登校の子供にも多いストレス性の胃腸炎について知る
子供の胃腸炎について
ストレスが原因の胃腸炎とは
ストレス性の胃腸炎の症状
ストレス性の胃腸炎の治療法
ストレス性の胃腸炎にならないためには