集団生活をすることが多く、免疫力のまだ弱い状態の子供はさまざまな感染性の胃腸炎にかかるものです。ウイルスの種類によって潜伏期間にも長短があると言います。
感染性 胃腸炎 の 潜伏期間 について注意事項も含めてご紹介いたします。
感染性胃腸炎の潜伏期間でも人にうつしてしまいますか
感染性胃腸炎の潜伏期間とは
感染性胃腸炎は細菌やウイルスを病原体とする感染症です。病原体にはノロウイルスやらロタウイルスなどのウイルスや細菌や寄生虫などがありますが、毎年秋から冬にかけて流行するウイルス感染による胃腸炎が圧倒的に大多数です。
病原体のウイルスによって潜伏期間にも若干の違いがあります。
ノロウイルスは感染してから24~48時間の潜伏期間を経て発症すると言われています。毎年11~1月に流行することがよく知られています。
ロタウイルスは感染してから24~72時間の潜伏期間を経て発症すると言われています。ノロウイルスより少し潜伏期間が長く、流行期間は2~5月です。
アデノウイルスは上述の2つのウイルスよりも潜伏期間が長いことがよく知られています。感染してから5~7日の潜伏期間を経て発症します。
プール熱と呼ばれることもあるので、夏場に流行するものだと考えられがちですが、1年を通して感染する可能性のある厄介なウイルスです。
潜伏期間中の感染
感染力の強いノロウイルスは潜伏期間中のほんのわずかなウイルスでも感染してしまいます。数十個~百個のウイルスでもあっという間に感染が広がってしまうと言われているほどです。
学校や保育園・幼稚園などで大流行してしまうのは、1~2日という短い潜伏期間のうちに感染してしまい、発症する頃には集団感染の状態になってしまうことがあるためです。
ロタウイルスは潜伏期間だけにとどまらず、主症状が治まった後も便からウイルスが長期にわたって排出され続けるので、日常的に感染している可能性が高いと言えます。
ロタウイルスはほぼ全員の子供が5歳までに1度は感染し、その後も感染を繰り返すことがあるというのはそのような理由によります。
アデノウイルスは潜伏期間中もウイルスを排出します。潜伏期間が長いことも厄介で、症状が出る頃にはすでに1週間も経ってしまっているので、家庭内二次感染を引き起こしやすいウイルスだと言うことができるでしょう。
感染性胃腸炎の治癒とウイルスの排出
潜伏期間中にもウイルスに感染する可能性があるのは上述の通りですが、主症状が治まった後はどうなのでしょうか。
感染力は強いものの、ノロウイルスもロタウイルスも2~3日経つと症状が落ち着いてきます。体内のウイルスを全て排出しないと人にうつす可能性があるわけですが、通常で1週間、長い場合で1か月間にもわたって便の中にウイルスが残ると言われています。
主症状が消失した後も二次感染を防ぐための工夫や配慮が必要となってきます。
治療と予防のポイント
感染性胃腸炎の特効薬はなく、症状に応じた対症療法となります。乳幼児は下痢をすることによって脱水症状を引き起こすことがあるので、早めに小児科を受診する方がよいでしょう。
おう吐や下痢は体内からウイルスを排出しようとする生体反応ですので、素人判断で吐き気止めや下痢止めを服用させることは非常に危険です。
ロタウイルスには任意ではありますが、ワクチンがありますので、予防接種を受けることをお勧めします。
トイレの後や調理の前には石鹸と流水で丁寧に手洗いをするようにしましょう。
便やおう吐物を処理するときは使い捨ての手袋・マスク・エプロンを着用するようにしましょう。処理後の手洗いは言うまでもありません。
おう吐物は床から1メートルの高さから吐いた場合、カーペットでは最大1.8メートル、フローリングでは最大2.3メートルも飛び散るという実験結果が報告されています。
おう吐物や便の処理には6パーセントの濃度のハイターなど塩素系漂白剤100mlに水を加えて6ℓにして使用するとよいとされています。
あらゆる感染症の予防の基本は手洗いだと言われています。潜伏期間が疑われるときも病後も二次感染を防ぐために石鹸を使って30秒以上丁寧にこすり洗いした後、流水で洗い流すようにしましょう。
タオルの共用を避け、ペーパータオルや清潔なタオルを使用するようにしてください。
まとめ
感染性胃腸炎の潜伏期間でも人にうつしてしまいますか
感染性胃腸炎の潜伏期間とは
潜伏期間中の感染
感染性胃腸炎の治癒とウイルスの排出
治療と予防のポイント