ノロウイルスやロタウイルスなどのウイルスや細菌感染性の胃腸炎をはじめとして、子供はよく胃腸炎にかかるものです。 胃腸炎 の症状として 熱 が出るようなことはあるのでしょうか。
胃腸炎の原因によっても違う対処法を含めてご紹介いたします。
原因によって対処も変わる胃腸炎の熱
胃腸炎の種類
ウイルスや細菌が病原体となって吐き気・おう吐・腹痛・下痢などの急性胃腸炎の症状を引き起こすのは感染性胃腸炎です。
感染性胃腸炎はロタウイルス・ノロウイルス・アデノウイルスなどのウイルス感染によるものとサルモネラ・腸炎ビブリオ・カンピロバクター・病原性大腸菌などの細菌感染によるものにわかれます。
ウイルス感染による胃腸炎は冬場に多く、乳幼児に圧倒的に多くみられます。
細菌感染による胃腸炎は夏場に多く、いわゆる食中毒の原因はこれらの菌の感染によるものです。
子供にも主にストレスが原因となって自律神経の働きが悪くなって、胃酸の分泌が過多になったり、胃の痙攣が起きたりする大人と同じような胃腸炎もあります。
時として高熱になる胃腸炎に伴う発熱は感染症の特徴といっても過言ではありません。以下の項では原因別に感染性胃腸炎の発熱についてご紹介いたします。
発熱を伴う感染性胃腸炎
原因となるウイルスや細菌を問わず、感染症の典型的な症状として感染性胃腸炎は発熱を伴うことが多いものです。
ノロウイルス
子供から高齢者まで幅広い年代の方がかかることで知られているノロウイルス感染性胃腸炎は24~48時間の潜伏期間を経て、おう吐・腹痛・下痢・発熱などの症状で発症します。
ロタウイルス
1月初旬にインフルエンザに先駆けて流行するのが乳児おう吐下痢症とも呼ばれるロタウイルス感染性胃腸炎です。生後6か月~2歳までに好発し、この年齢層ではしばしば重症化します。
白色下痢便でよく知られていますが、病態の初期におう吐と軽い発熱、咳を伴うことがあると言います。
アデノウイルス
主に3歳未満の乳幼児にみられるアデノウイルス腸炎はこの年齢層のかかるものとしては、ロタウイルスに次いで多いのですが、比較的軽症で発熱も少ないことが特色です。通年性でやや夏場に多い傾向があります。
サルモネラ菌
代表的な食中毒の原因菌です。特に鶏卵汚染が注目されています。12~48時間の潜伏期間を経て、発熱・腹痛・下痢・おう吐などの症状で発症します。場合によっては38度以上の熱が1週間以上も続くようなこともあります。
キャンピロバクター腸炎菌
この菌に汚染された肉やまな板を介して感染し、腹痛・悪心・おう吐と共に3日くらい38度以上の熱が持続します。
新生児は敗血症や髄膜炎を引き起こすことがありますので注意が必要です。左右対称性の四肢運動麻痺を起こすギランバレー症候群の原因になることがよく知られています。
胃腸炎による発熱の対処法
胃腸炎の症状に発熱が伴う場合、保護者の方はまず、原因を考えてみるとよいかもしれません。冬期で、ノロウイルスやロタウイルスが流行していて、下痢便などの様子からウイルス感染が想定されるようなこともあるでしょう。
また、食中毒に思い当たる節がある場合もあるでしょう。
小児科の受診を急がなければならないのは、主に細菌感染性胃腸炎です。あっと言う間に症状が重篤になる場合があるからです。
ウイルス感染性胃腸炎には残念ながら特効薬がありませんので、小児科でも対症療法を施すことになります。吐き気止めの薬を上手に使って、吐き気を抑えることで水分を摂って、脱水状態になることを防ぎます。
下痢はウイルスを体外に排出する行為なので、素人判断でむやみに下痢止めを使用することは止めましょう。受診はかかりつけの小児科に相談してからでも遅くはありません。
乳児やおう吐や下痢があまりに酷く、脱水症状が疑われる場合は速やかに受診して点滴治療などを受ける必要があります。他にも、ぐったりしている・呼びかけに答えない・呼吸が速いなどの場合も受診を急ぎましょう。
胃腸炎の原因別に発熱のパターンを覚えておくと役立つでしょう。
まとめ
原因によって対処も変わる胃腸炎の熱
胃腸炎の種類
発熱を伴う感染性胃腸炎
胃腸炎による発熱の対処法