幼い子供はさまざまな種類の胃腸炎になり、よく下痢をするものです。胃腸炎にはどのようなものがあり、どのように対処すればよいのでしょうか。
胃腸炎 と 下痢 について、原因別の注意点と下痢時の注意点なども含めてご紹介いたします。
さまざまな原因がある胃腸炎の下痢の注意点とは
ウイルス感染性胃腸炎
子供の胃腸炎の90%はウイルスや細菌に感染したことで起こる感染性胃腸炎です。まず、主なウイルス感染性胃腸炎についてご紹介いたします。
ノロウイルス胃腸炎
毎年11~1月の冬季に流行しますが、通年にみられる病気で、乳児から高齢者まで幅広い年代の方がかかる胃腸炎です。1~2日の潜伏期間を経て、おう吐、発熱、腹痛、下痢という流れで経過しますが、熱は出ない場合もあります。
おう吐の症状が強く、2~3日で症状が軽くなって、一般的には1週間程度で治ります。子供は大人に比べると軽めの下痢が長く続くことが多いと言われています。
ロタウイルス胃腸炎
5歳以下の子供がほとんどかかると言われているウイルス感染性胃腸炎です。2~4日の潜伏期間を経て、おう吐、発熱、腹痛、下痢という流れで経過します。熱が出ることが多くなります。
おう吐より下痢が長いことで知られており、1~2週間続くようなこともあります。水のような下痢便が特徴的です。ワクチンがありますので、予防接種を受けることができます。
アデノウイルス胃腸炎
夏に多くみられるプール熱と呼ばれるもので、喉の痛みの他に胃腸炎の症状が出る場合があります。
5~6日の潜伏期間を経て、扁桃腺の腫れや40℃に近い高熱が出ることが多いものですが、乳幼児や学童期の子供はおう吐や下痢などの胃腸炎症状を訴えることが多いと言われています。
下痢はノロウイルスやロタウイルス感染性胃腸炎よりは弱いものの、重症化すると腸重積を起こすことがあるので注意が必要です。
細菌感染性胃腸炎
いわゆる食中毒である細菌感染性胃腸炎は夏場に多く、急性の腹痛や下痢を伴います。
カンピロバクター感染症
カンピロバクターに汚染された肉や井戸水、調理器具などから感染します。1~7日の潜伏期間を経て、初期症状は風邪に似ていますが、腹痛、下痢、発熱、おう吐などの症状が出てきます。
下痢便は水様便や血便がみられることもあります。胃腸症状は3日程度で治ることが多いです。
サルモネラ感染症
サルモネラ菌に汚染された食品や取り扱った人の手が食品に触れたりすることで感染します。子供の場合、潜伏期間は半日~2日であるとされています。おう吐、腹痛、下痢と経過し、下痢は3~4日続きます。
長い場合は1週間も下痢が続くこともあり、時には血便がみられることもあります。発熱は38℃を超えるような場合もあります。
その他の食中毒の原因菌として牛肉・乳製品が原因で起きる「O-157」の下痢便は水様便や血便、魚介類が原因の「腸炎ビブリオ」の下痢便は水様便になります。
ウイルス感染性胃腸炎の注意点
ノロウイルスは原因になりやすい2枚貝を食べる時のしっかりとした加熱が大切になってきます。中心部が85~90℃になるように最低でも90秒間の加熱が必要だと言われています。
また、患者の吐しゃ物や便からの感染も多いので、処理をする保護者は手袋だけでなく、使い捨てのエプロンやマスクを着用し、排泄物などは密封して捨てることが必要です。
ロタウイルスには上述のようにワクチンがありますので、予防注射ができる期間に注意して受けておくとよいでしょう。
アデノウイルスはノロウイルスやロタウイルスに比べると感染力も症状も弱いですが、さまざまな型があるために何度も感染する可能性があることに留意してください。
細菌感染性胃腸炎の注意点
カンピロバクター感染症にならないためには肉の中心が65℃以上になるようにしっかり加熱することだと言われています。子供に生肉を食べさせることは避けるべきです。調理器具や食器を70℃以上の熱で消毒したり、漂白剤に1分以上つけ置きをするのも効果的です。
下痢の時の注意点
いずれの場合も体に侵入したウイルスや菌を排出しようとするのが下痢です。素人判断で下痢止め薬を服用させることはやめましょう。
下痢の時に最も注意しなければならないのは脱水症状です。水分補給が全くできなかったり、ぐったりしているというような症状があるときには、小児科を受診して点滴などの適切な処置を受けるようにしてください。
まとめ
さまざまな原因のある胃腸炎の下痢の注意点とは
ウイルス感染性胃腸炎
細菌感染性胃腸炎
ウイルス感染性胃腸炎の注意点
細菌感染性胃腸炎の注意点
下痢の時の注意点