子供の 胃腸炎 のほとんどの割合を占めるのが急性胃腸炎です。 原因 としてはロタウイルスが最もよく知られています。
ロタを含むウイルス性がいちばん多いのですが、加えてサルモネラ菌などの細菌、腸に寄生する寄生虫が原因でも起こります。これらは感染者から別の人に広がって行きます。
また、毒キノコとは思いもせずに食べてしまった自然毒が原因で起こるタイプの胃腸炎もあります。冬に流行るウイルス性から詳しく見て行きましょう。
ロタウイルスだけではありません。胃腸炎の原因とは?
ウイルス
嘔吐下痢症の原因として最も知られているロタウイルスは、感染者の吐瀉物・糞便から手や口をとおして別の人に感染します。
例えば吐瀉物で汚れたタオルを触った後、手洗いが十分でなかった場合に起こります。気温が低く乾燥した冬に流行るのが特徴です。
ノロウイルスも広がり方はロタと同じですが、違いは感染力がより強く一年中起こるということです。秋から徐々に増え続けて冬にピークとなり、3月頃にはだいぶ減ります。
また、アデノウイルスは吐瀉物と糞便に加えてプールの水からも感染して流行するので、一年をとおして起こる中、夏に若干多いと言われます。
乳幼児の胃腸炎の原因の多くはロタとアデノウイルスです。他に、アストロ、ノルウォーク、コロナなどのウイルスも胃腸炎の原因となります。
細菌
胃腸炎を引き起こす細菌にはサルモネラやO-157などがあります。ご存知のようにサルモネラ菌は、鶏肉や卵(殻だけでなく中身にも)に含まれ、十分に加熱調理をしていないことが原因で感染します。
非常に稀なケースですが、アメリカでマヨネーズに使われた卵からのサルモネラ菌が原因で死者が出たことがあります。
O-157は大腸菌の一種で、特に牛肉やひき肉からの感染が多いです。ひき肉の例としてアメリカで、生焼けのハンバーガーを食べて感染し死に至った例があり、これも不十分な加熱が原因です。
また、魚介類に付着してそれを食べた人間に感染する細菌には腸炎ビブリオがあります。
特徴はあたたかい海水の中で増殖する好塩菌(真水の中では増えない)で、特に夏に流行ることです。コレラ菌はウイルス性と同様に吐瀉物・糞便によってヒトからヒトに感染します。
寄生虫
クリプトスポリジウムとランブル鞭毛虫が代表的な寄生虫です。クリプトスポリジウムは様々な動物の腸に寄生していて、動物との接触、水道水、食品などからヒトに感染します。全てのクリプトスポリジウム属の寄生虫からではなく、特定の種類のからの感染ということがわかっています。
ランブル鞭毛虫はヤツヒゲハラムシという別名があります。イヌ、ネコ、ウシ、ヒツジなどに寄生します。この寄生虫による病気はイジアルジア症と呼ばれます。
主な感染ルートは患者の糞便、水、食品です。どちらも世界中に見られ、その中でも特に熱帯・亜熱帯地方に患者が多く確認されています。
自然毒
自然毒にはフグや貝など魚介類から起こる動物性と毒キノコなどからの植物性とがあります。キノコ類は正確には植物ではありませんがあえて植物と分類し、動物性と区別しています。これらを食べることで毒素を摂取してしまい胃腸炎が起こります。
動物性は、ほとんどが水中の生物という点が特徴です。植物性は主にキノコ類とアジサイ、ジャガイモ、ヨウシュヤマゴボウ等の高等植物です。ヨウシュヤマゴボウは実から鮮やかな濃い紫色のインクが出るので子供達が潰して遊ぶうちに手から口に入り感染することがあります。
医薬品
医薬品の副作用で胃腸炎が起きることがあります。個人の体質により、合わない薬による色々な副作用が起こり得ます。胃腸炎も副作用の症状の一つという事です。
まとめ
ロタウイルスだけではありません。胃腸炎の原因とは?
ウイルス
細菌
寄生虫
自然毒
医薬品