いぼや水いぼは子供がかかりやすいごくありふれた皮膚の病気です。治療は痛みを伴うこともあり、小さな子供には苦痛となります。いぼ や水いぼの特徴を知ることで、発症する確率を少しでも下げてあげることが大切です。
いぼと水いぼの特徴を知って発症を防ぐ
いぼとは
いぼは、皮膚の上で盛り上がったできものを指し示す通称です。いぼの多くは皮膚の腫瘍ですが、実際には様々な皮膚病が原因となっています。
ごく一般的ないぼと呼ばれるものは、ウイルス感染が原因でできるいぼのことで、ウイルス性疣贅(ゆうぜい)であることが多いと言われています。ウイルス性疣贅の他にも水いぼや中年いぼ、年寄いぼなどいろいろないぼがあります。
普通のいぼだと思っていても、悪性腫瘍だったということもありますので、自己判断するのはやめましょう。
ウイルス性疣贅にも見た目の違ういろいろな種類のものがあります。その中でも子供がかかりやすいのは、尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)と呼ばれるいぼです。
いぼの原因
いぼはヒト乳頭腫ウイルス(ヒトパピローマウイルス)と呼ばれるウイルスが皮膚に感染して発生します。ヒトパピローマウイルスは健康で正常な状態の皮膚には感染できないと考えられていますが、ごく小さな傷があるとそこから皮膚の内側に入り込み、基底細胞と呼ばれる一番深い層の細胞に感染していぼが発生します。
ヒトパピローマウイルスに感染した基底細胞は活発に細胞分裂を繰り返し、どんどん増えていきます。
子供の場合、外傷を受けやすい手足にいぼが発生しやすくなります。また、アトピー性皮膚炎を患っている子供ではかゆみから引っ掻いてしまうことの多い肘や膝にいぼができやすくなります。
いぼと水いぼの違い
いぼと水いぼは名前がよく似ていますが、見た目も原因ウイルスも異なる別のものです。いぼも水いぼも子供に多い皮膚の病気で、ウイルス感染によって発生するという点はよく似ています。
いぼはヒト乳頭腫ウイルス(ヒトパピローマウイルス)が原因となって感染しますが、水いぼは伝染性軟属腫ウイルスという別のウイルスが原因となって感染します。
水いぼは表面がツルリとしていて、光沢のある小さな丘疹で、真ん中の部分がほんの少しへこんでいるという特徴があります。いぼは表面が硬い丘疹であることが多いので、見た目にも違いがあります。
発生する部位にも違いがあります。いぼは足の裏や手の平などの手足にできることが多いものですが、水いぼは体にできることが多いと言われています。
水いぼの原因である伝染性軟属腫ウイルスは毛に感染するのではないかと考えられており、毛がない足の裏や手の平には水いぼはできづらいとされています。
いぼの治療
いぼの治療では液体窒素を用いる冷凍凝固療法やグルタルアルデヒドなどの外用療法、電気焼灼法、ヨクイニンなどの内服療法といった方法のうち、患者に適した方法で治療を行うのが一般的です。
液体窒素を用いる冷凍凝固療法は痛みを伴うため、小さな子供は我慢できず治療が行えないといこともあり、それぞれの患者の状態にあった治療法を選ぶことが大切となります。
水いぼの治療ではピンセットで患部をつまみ、中の白い塊を取り出すという方法が一般的ですがこちらも痛みを伴うため、小さな子供は治療を行うことが難しい場合もあります。表面麻酔のテープを貼って少しでも痛みを和らげながら、何回かに分けて治療を行っていきます。
水いぼは数が多くなってしまうと治療の際の痛みも大きくなり、時間もかかります。特に小さな子供の場合は、なるべく数が少ないうちに適切な治療を施しておくことが大切になります。
いぼや水いぼにならないために
いぼや水いぼはウイルス感染によって発生するものですが、感染を予防するワクチンは現在のところまだ作られていません。絶対に罹患しないようにするということは不可能です。
ですが、いぼや水いぼは健康な皮膚には感染しづらいという特徴がありますので、皮膚の状態を健やかなものにしておくというだけで予防効果があると考えられています。
手足のスキンケアを十分行うことが非常に大切です。特に小さな子供では、空気が乾燥しやすい季節には手足が荒れやすくなります。保湿剤をこまめに塗って、健康な肌を保つように工夫してあげましょう。
まとめ
いぼと水いぼの特徴を知って発症を防ぐ
いぼとは
いぼの原因
いぼと水いぼの違い
いぼの治療
いぼや水いぼにならないために