今やいびきなどの睡眠障害の問題は大人だけではなく子供にも急増しています。十分な睡眠がとれず、日中強い眠気を感じる子供も急増しているというのです。子供の いびき は体質的な問題以外に 枕 が大きな影響を与えていると話題になっています。
今回は子供のいびきを調べてみました。
枕を変えたらいびき改善への道が見えてきた?!(前編)
どうしていびきをかくの?
アメリカの耳鼻咽喉・頭頸部外科学会での発表によると、子供のおよそ10人に1人の割合でいびきをかいているという結果が出されています。
加えて、いびきをはじめとした睡眠呼吸障害が乳幼児期に何年も継続した場合、成長過程で行動障害を発症するリスクが非常に高まるという結果も出されています。
就寝時10秒以上呼吸が止まっている状態が5回/時間以上ある、または1回の就寝時(7時間程度)に30回以上呼吸停止状態があった場合を睡眠時無呼吸症候群といいます。
無呼吸症候群に対して何も治療をしないままでいた場合、将来的に動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞、狭心症、糖尿病、また脳障害などの病気を発症するリスクが非常に高まることになります。
起きている時にはいびきをかくことはありません。それは寝転がったことで空気のとおり道である上気道がさまざまな要因で狭まってしまい、呼吸をするたびに上気道内の粘膜が振動を起こすことによっていびきが発せられるのです。
子供のいびきの原因の多くは扁桃腺肥大とアデノイド(咽頭扁桃増殖症)の問題と言われています。うまれつき扁桃腺が大きかったり、咽頭の上部に位置するアデノイドと呼ばれる咽頭扁桃が肥大化したままの子供がいます。
アデノイドは幼児期から5、6歳頃まで大きくなり、その後徐々に小さくなります。しかし何らかの原因で肥大化したままになってしまうことでいびきなどの症状としてあらわれます。
いびきだけでなく、食べ物を飲み込みづらいなどの問題もある場合は、切除手術が必要な場合もありますので専門科に相談してください。
子供のいびきは扁桃腺やアデノイドの肥大以外に、肥満、アレルギーなどによる慢性的な鼻づまり、口呼吸などがあげられますが、中でも就寝時に使用する枕が睡眠障害に大きな影響を与えていることが近年話題となっています。
いびきはどこの病院を受診すればよいの?
平成25年度の厚生労働省がおこなった20歳以上から70歳以上の男女を対象とした睡眠調査の結果で「睡眠全体の質に満足できなかった」に対しては男性の22,4%、女性の23%との回答があり、そのほかにも男性の37,7%、女性の43%が「日中眠気を感じた」と回答しています。
今やそれほど睡眠障害を感じている大人が増えている中で、同じようにいびきをはじめとした睡眠障害に悩む子供たちが増加していることが大きな問題となっているのです。いびきや睡眠時無呼吸症候群をはじめとした睡眠に関する問題は昔からありました。
しかし大きな病院にも十数年前までは睡眠障害を専門にした治療科はほとんどないに等しいものでした。しかし睡眠が病気へのリスクや成長に対して与える影響が非常に大きいものという認識が広まったため、近年続々と専門の治療科が増え始めてきています。
子供のいびきが激しく、心配になった場合、まず相談する窓口としては耳鼻咽喉科や内科、小児科で問題ないでしょう。
しかし個人病院の場合「いびき、無呼吸症候群などの睡眠障害の治療」のような内容を看板に掲げていない限り、徐々に数は増えてきているとはいえ睡眠障害に対する専門的な治療をおこなえるところはまだ多くはありません。
一方で近年、大きな病院では耳鼻咽喉科という窓口だけでなく、いびき外来や睡眠(呼吸器)外来といった睡眠障害を対応するための専門科を設けているところも続々と増えてきています。
もしいびきなどの睡眠障害の原因が体質面ではなく枕が問題だった場合、病院によってはオーダー枕の計測や販売をおこなったり、対応施設の紹介などもしています。
まとめ
枕を変えたらいびき改善への道が見えてきた?!(前編)
どうしていびきをかくの?
いびきはどこの病院を受診すればよいの?