百日咳は感染症です。名前のごとく長い間特徴ある症状が続きます。乳児が感染した場合、重症化あるいは深刻な事態になることがあります。しっかりと早い段階で症状を見極め、感染予防そして早期治療のためにご両親が行動しなければなりません。
とっさのときに慌てないためにも、ここでは 百日咳 の典型的な 症状 について確認しておきましょう。
ときには死に至る百日咳の症状とは
百日咳とは
百日咳は、独特な痙攣性の咳発作が特徴的な、急性気道感染症です。母親からの免疫が期待できないために、乳児期早期(1歳未満)、特に生後6ヶ月未満の乳児では、大変深刻あるいは重症となり、ときには死に至る危険性が極めて高い感染症です。
1歳未満の乳児が百日咳に感染した場合、そのほとんどが病院に入院して治療を受ける必要があります。百日咳に感染した乳児の、約61%が無呼吸発作、約23%が肺炎、約1%が激しいひきつけ、約1%が死亡、そして約0.3%が脳炎、という結果が報告されています。
百日咳の症状
症状は、3つの経過をたどります。まず、カタル期という第1段階が、約1、2週間持続します。病原菌の潜伏期間は約1週間から10日程度です。その後、風邪に似た症状(鼻水、微熱、くしゃみ、軽い咳、乳児では無呼吸発作)が出たかと思うと、咳の回数が増えてゆき、次第に咳がどんどん激しくなってゆきます。
つぎに、痙咳期という第2段階が、約1週間から最長で約6週間持続します。この時期では、百日咳の特徴ともいえる、発作性で痙攣性をもつ咳が出ます。短い咳が連続的に起こります。続いて、息を吸う際に笛の音のような「ヒュー」という音が出ます。
百日咳は、英語でWhooping Coughと呼びますが、英語名もこの特徴ある咳に関係しています。ときに、嘔吐がみられ、また強い咳による顔面浮腫、点状出血、眼球結膜出血、鼻血などもみられます。咳が激しく、せきこむため体力消耗がひどくなります。
咳はなんらかの刺激によって引き起こされますが、夜間に発作が多いという特徴もでています。年齢が低いほど、特に乳児期では特徴的な咳に加え、無呼吸発作、チアノーゼ、痙攣、呼吸停止に進展することがあり、合併症として肺炎、脳炎も引き起こしていることから、生後6ヶ月未満という早期に百日咳に感染した場合は、重症あるいは致命的であるといわれているのです。
そして最後に、回復期という最終段階が、約2、3週間続きます。この最終段階になると、やっと激しい咳の発作がおさまってゆきます。この後も、ときおり発作的な咳をする子もいます。百日咳と呼ばれるように、特徴のある咳が、最長で約3ヶ月程度(全治2、3ヶ月)も長引くことから、このような病名になっています。
百日咳の原因菌
百日咳の病原体は、グラム陰性桿菌という百日咳菌(Bordetella Pertussis)です。この菌はヒトだけの間で感染します。感染ルートは、空気中に拡散している咳やくしゃみなどによる飛沫感染、そして菌に触れることによる接触感染です。
実は、乳児が百日咳に感染する場合ですが、その感染源は周囲の大人特に御両親だといわれています。もしご自分あるいは配偶者で、くしゃみや咳が長い間続いているなどおかしな症状があった場合は、どこかで百日咳に感染したかも?と疑って、家庭内とくに乳児をもつご家庭では、お子さんに感染させないためにも、すぐにかかりつけの医師あるいは医療機関を受診してください。
ちなみに、大人と子供では百日咳の症状は異なりますので、注意が必要です。
世界中で流行
百日咳はWhooping Coughとよばれ、小児が中心となり全世界で流行する感染症です。重症化しやすい特徴をもっており、1歳未満の乳児、特に生後6ヶ月未満の乳児が、百日咳で死亡するケースの患者の大半を占めています。
全世界の年間死亡数は、約20から40万人といわれている、とても恐ろしい感染症なのです。
まとめ
ときには死に至る百日咳の症状とは
百日咳とは
百日咳の症状
百日咳の原因菌
世界中で流行