様々な疾患では、事前の検査あるいは症状が出る前に疾患の原因を見つけることが可能な場合が多くあります。しかしながら、感染症の場合は、検査による見極めが大変困難な場合がほとんどです。
百日咳 も感染症ですので 検査 による見極めが大変難しいといわれていますが、検査方法はあります。いざというときのためにも、ここで確認しておきましょう。
検査による見極めが極めて困難な百日咳
おかしいなと思ったら
百日咳の典型的なサインを見逃さないでください。特徴的な症状は、発作性をもつ痙攣性の咳です。最初は風邪に似た症状(微熱、くしゃみ、鼻水、軽めの咳)なので、区別がつきにくいといわれていますが、咳や無呼吸発作の後、咳の回数が増え、それがますますひどくなるようでしたら、百日咳の可能性が極めて高いので、すぐにかかりつけの医師あるいは病院へ直行してください。
百日咳は、生後6ヶ月未満の乳児では、合併症、重症化あるいは死に至る可能性が極めて高い感染症ですので、自己判断せず、すぐ行動を起こしましょう。
検査方法
百日咳に感染しているかどうかの検査方法は3つです。1つ目は、医師あるいは病院での身体検査。2つ目は、お子さんの喉の奥あたりの粘液(鼻の穴から採取します)を培養して検査することで百日咳菌に感染しているのか判断する方法。
3つ目は、血液検査です。百日咳は、カタル期という第1期(約1、2週間続きます)の後、痙咳期という第2期へ移行します。実は、百日咳の菌は、カタル期の後半に検出されるものの、痙咳期になると菌が検出されないという、やっかいな特徴をもっています。
そのため、検査による見極めが大変困難であるといわれています。実際に行われる検査は、抗体といって百日咳の菌に対する免疫ができているかどうか調べる方法がとられています。百日咳菌は、気管の上部へくっついて、毒素を排出しています。
その排出された毒素が気管の腫れなどを引き起こし、激しい咳を引き起こしているのです。その毒素に対する抗体を調べるという方法です。血液検査で行われますが、一回の検査では判断しずらいため、ペア血清といい、感染初期と回復段階の抗体を調べ、比較して抗体値が上昇していたら百日咳であると診断されます。
その他にも、ELISA法による抗PT抗体、抗FHA抗体、あるいは染色体DNA解析、PCR法という遺伝子検出も行われることもあります。
このように、検査による診断は容易ではありません。前述の特徴のある症状が出てきた初期段階、あるいは周囲のお子さんや一般社会で流行してきたと聞いた場合は、百日咳の感染を防ぐためにあるいはすでに感染しているかもしれないと疑って、すぐに検査を受けることをお勧めいたします。
百日咳は感染症ですので、飛沫感染あるいは接触感染というルートで感染が拡大してゆきます。母体からの免疫も獲得していないため、感染ルートを遮断しない限り、乳児が感染する可能性はおおいにあります。
百日咳は、検査だけに頼らずに、予防あるいは感染ルートの遮断、そして初期段階でのお子さんの健康状態や体調変化をすばやく察知するなど、できることからはじめましょう。
予防ワクチン接種のすすめ
前述のように、検査によって百日咳に感染したのかどうかを判定することはあまり容易ではないこと、また百日咳の乳児の重症化、そして検査の困難さ、これらの要因により、現在では百日咳のワクチン接種が推奨されています。
生後3ヶ月から、三種混合ワクチンあるいは四種混合ワクチンを接種できます。お子さんが生後3ヶ月に達したら、できるだけ早くワクチン接種をしてください。
生後3ヶ月から、3から8週間の間隔で3回、そして3回目接種の約1年後に4回目の接種を受けます。このワクチン接種は大変有効です。百日咳の抗体ができますので、予防のためにも、早く免疫をつけることが大切です。
まとめ
検査による見極めが極めて困難な百日咳
おかしいなと思ったら
検査方法
予防ワクチン接種のすすめ