月齢の低い赤ちゃんがかかってしまうと、重症化しやすく、死亡してしまうケースもある百日咳。「コンコン」「ヒューヒュー」という発作が特徴的な百日咳ですが、予防接種で予防することができます。
それでは、 百日咳 の症状や原因、予防接種について詳しく見ていきましょう。
生後すぐの赤ちゃんも感染の危険あり!百日咳ってどんな病気?
百日咳はどんな症状?
百日咳に感染をすると、まず、くしゃみやせきといった、風邪と同じような症状が出はじめます。大抵の場合、発熱は伴いません。次第に、せきがひどくなっていき、夜になると、激しくせき込んでしまうようになります。
1週間から2週間ほどこのようなせきの症状が続いた後、百日咳特有の発作が始まります。これは、「コンコン、コンコン」と数十回せきを立て続けにした後に、笛を吹くような「ヒューヒュー」と息を吸い込む音(レプリーゼ)が出るのが特徴です。
百日咳の発作は、1回あたり2~3分ほど続き、1日に数十回も繰り返します。また、「百日咳」という名前が示す通り、こういった発作が100日も続くケースもあります。
特に気をつけたいのは、月齢の低い赤ちゃんが百日咳にかかった場合です。月齢の低い赤ちゃんの場合、激しいせきの後に息を上手く吸い込むことができなくなり、呼吸が止まってしまうケースがあるからです。
呼吸が上手くできないと、全身に酸素が行きわたらなくなり、チアノーゼといって爪や唇が青白くなったり、皮膚が青黒くなったり、けいれんをおこして死亡してしまうこともあります。また、百日咳菌が肺に侵入してしまうと、合併症として百日咳肺炎を併発してしまう危険もあります。
百日咳の原因は何?
百日咳の原因は、百日咳菌と呼ばれる細菌です。感染ルートは主に飛沫感染で、感染者のせきやくしゃみを介して感染します。百日咳菌に感染すると、5~20日の潜伏期間を経て、症状が出はじめます。
百日咳を予防接種で予防しよう
百日咳を予防できる予防接種は、3種混合(ジフテリア、百日咳、破傷風)または4種混合(ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオ)です。この予防接種は定期接種の予防接種です。生後3か月から接種可能ですので、できるだけ早めに予防接種を受けましょう。
1期の予防接種の後、3~8週間の間隔をあけて、2期の予防接種を受け、さらに3~8週間あけて3期の予防接種を受けます。百日咳は月齢が低いほど重症になりやすく、命にかかわることもあるので、出来るだけ早く受けるように心がけましょう。
3種混合または4種混合の予防接種の副反応として、接種部位が赤くなったり、腫れたり、しこりができることがあります。また、発熱や下痢といった症状が出ることもありますが、ほとんどの場合、軽度で済みます。
百日咳の治療とケア
子供のせきが続き、「コンコン」「ヒューヒュー」という発作が出て、「うちの子、百日咳に感染したかも」と思ったら、すぐに病院を受診しましょう。
百日咳は早めに治療を開始することが大切で、早めに治療を始めれば、症状が軽く済む傾向にあります。病院での検査の結果、百日咳と診断が出た場合は、抗生物質を使って治療を行います。
家庭では、安静第一にして、静かに過ごすようにしましょう。せきが沢山出ると、それだけで体力を消耗してしまいます。加湿器などで湿度を適度に保つと、せきが出にくくなることもありますので、特に乾燥する冬などは加湿器を上手く使いましょう。
また、激しいせきが続くと、食べ物や飲み物を受け付けなくなってしまうこともあります。脱水症状を避けるためにも、水分は少しずつ、何回にも分けて飲ませてあげましょう。砂糖の入った甘い飲み物や、かんきつ類などの酸味のある飲み物は、せきを誘発することがあるので、なるべく与えないようにします。
まとめ
生後すぐの赤ちゃんも感染の危険あり!百日咳ってどんな病気?
百日咳はどんな症状?
百日咳の原因は何?
百日咳を予防接種で予防しよう
百日咳の治療とケア