学校の朝礼中に 貧血 でバタッと 倒れる などしてしまう子供はいつの時代にもいるものです。しかし寝ている時間が長い乳児に貧血が多いことは不思議な気もします。
常に元気いっぱいの子供が実は貧血になりやすいという特有の原因があるのでしょうか。
子供が貧血で倒れる?!子供がなりやすい貧血とは?(前編)
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貧血とは?
貧血とは血液中のヘモグロビンの成分の一つである鉄分が不足することで起こる症状です。
赤血球に含まれるヘモグロビンは、肺からの酸素と結合して、酸素を臓器や粘膜などさまざまな組織に運搬する一方で、二酸化炭素を肺まで運ぶ役割があります。
ヘモグロビンの活動には鉄分が十分必要で、鉄分が不足することで体中に酸素が行き渡らず結果的に貧血という症状が発症することになるのです。
体内には内臓や粘膜内に貯蔵できるフェリチン(貯蔵鉄)と呼ばれる鉄分を保有しています。
体内に貯蔵できる鉄分は約1,000mg前後と言われていて、食事からだけでは補えきれない鉄分はフェリチンを使うことで貧血などを避けることができています。
貧血というと吐き気が起きたり、めまいが起こりクラクラして倒れるような症状だけを指すように感じますが、それだけでなく、息切れや動悸、手足のしびれ、また瞬発的に起こるものだけではなく肌荒れ、スプーン爪、目の結膜が白っぽいなども貧血症状の一つと言えます。
子供がなりやすい貧血とは?
子供の代表的な貧血というと鉄欠乏性貧血です。子供以外でも貧血と言えば大半は鉄欠乏性貧血と言われていますが、子供の場合は特に乳児期や思春期にこの鉄欠乏性貧血になりやすいと言われています。
乳児期の貧血の原因としては次のことが考えられます。一般的に妊娠七ヶ月くらいから、母体より胎児に鉄分が移行されます。生後半年くらいまでは母体から移行されて貯蔵しておいた鉄分で貧血を避けることができます。
しかし早産など何らかのトラブルによって胎児の時にうまく鉄分の移行がおこなわれないために生後フェリチン(貯蔵鉄)が不足した上に、急速な成長で鉄分を大量に使うことが貧血につながります。
そのほか母乳は比較的鉄分が含まれていますが人工ミルクばかり与えたり、離乳食初期はメニューに乏しい上にイヤイヤが始まることでバランスの良い食事を与えることが難しいなどの理由により鉄分欠乏となり貧血を起こしやすくなるのです。
また母乳で補っていた鉄分も、離乳食開始と共に牛乳に切り替わってくることでも鉄分不足となります。こういったことから母乳の栄養は子供にとっては非常に重要であることがわかります。
また思春期の月経時になるめまいや貧血も鉄欠乏性貧血にあたります。貧血患者の大半が鉄欠乏性貧血と言われていますが、まれにほかの病気が原因となってあらわれる貧血もあります。
そのほかの貧血には再生不良性貧血、溶血性貧血、悪性貧血、腎性貧血などがあります。
再生不良性貧血は骨髄における血液を作り出す働きにトラブルが生じることで貧血症状が出ます。しかし明確な原因が特定できないことで難病指定されているものです。
溶血性貧血は細菌感染やアレルギーによって赤血球が通常の寿命よりも短い期間で破壊されてしまうことで造血が間に合わず貧血状態になってしまうことです。先天性と後天性があります。
悪性貧血は正式には巨赤芽球性貧血と呼ばれるものです。赤血球の造血に必要なビタミンB12と葉酸が不足したことにより貧血が起こります。
腎性貧血は何らかの疾患によって腎臓から産出されるエリスロポエチンが低下することによって、赤血球の造血が不足してしまうことで貧血が起こります。
食事改善や十分な睡眠など生活スタイルの見直しをおこなってもめまいなどで倒れるなどの貧血が頻発する場合は何か大きな病気が疑われる可能性も高いため診断を受けることをお勧めします。
まとめ
子供が貧血で倒れる?!子供がなりやすい貧血とは?(前編)
貧血とは?
子供がなりやすい貧血とは?