肥満細胞 と聞くと、太ってしまうようなイメージを持ちますが、人が肥満になる事とは全く関係がありません。医療用語には時にこのような誤解を招きやすいものがあります。
例えば、「運動神経」実はこの運動神経という名前の神経は人体に存在しません。あくまでも神経伝達経路の総称なのです。では本来肥満に関する細胞はどのようなものでしょう?
肥満細胞は太る事と全く関係ない。では太る細胞は何!?
肥満細胞とは?
肥満細胞は免疫反応に関わる細胞で、皮膚や粘膜に多く存在している細胞です。血球系細胞ですので、血管のある組織にはほぼ含まれています。細胞にはヒスタミンやセロトニンなどさまざまな物質が含まれており、マスト細胞とも呼ばれます。
アレルギー反応を引き起こすヒスタミンの放出を行うことで有名で、花粉症や蕁麻疹の引き金になる細胞です。最近では花粉などのアレルゲンとなる物質と肥満細胞の反応の仕組みが解明されアレルギーの根治薬の開発が期待されています。
肥満に関する細胞は脂肪細胞!
肥満に関する細胞は脂肪細胞です。この細胞が脂肪の溜め込みを行うことで肥満になります。溜め込みが進むとセルライト呼ばれる脂肪の塊になります。
人は体を動かすと、血中の糖分濃度が下がりますが、その時に脂肪細胞に溜められた脂肪が血中に放出されエネルギー代謝の材料として使用されます。
このように脂肪細胞は通常、脂肪の溜め込みと放出のバランスを上手く保っているのですが、運動不足や食べすぎなのでこのバランスが崩れ血中に脂肪が多く余っているような状態になると、脂肪細胞が過剰に脂肪の溜め込みを行ってしまい、結果太ってしまうのです。
このような仕組みから、ダイエットには運動が欠かせないという事が言えます。
脂肪細胞は分裂・増加する!!
なぜ人は果てしなく太ってしまうのか?それは脂肪細胞が増殖する細胞であるからにほかなりません。脂肪細胞は余った脂肪を取り込み溜め込む性質がありますが、一つの細胞に溜めこめる脂肪の量には限界があります。
しかし、脂肪細胞の周りには前駆脂肪細胞といった予備みたいな脂肪細胞が存在し、脂肪の貯留が限界になると、この予備的な前期脂肪細胞が成熟した脂肪細胞となり順次肥大化していきます。
さらに、飽和状態になった脂肪細胞自体も細胞分裂を起こす性質がありますので、果てしなく太っていってしまうのです。数が増えすぎた肥満細胞を減らしていくことは容易ではありません。
痩せるには褐色脂肪細胞の活性化が必要
痩せるためには脂肪を燃焼させる必要があり、その方法はさまざまありますが、ここでは肥満細胞に対抗して褐色脂肪細胞といった細胞レベルでのダイエットを紹介します。
褐色脂肪細胞とは体温が下がり過ぎないよう、熱を発生させる事に関する細胞です。人体には恒常性といった能力があり一定の身体の状態を維持しようとする働きがあります。体が冷えると、この褐色脂肪細胞の働きで体に熱が産生され一定の体温を保てるようになっています。
褐色脂肪細胞のエネルギー源は脂肪です。脂肪を燃料に熱エネルギーが産生されます。熱エネルギーはカロリーと呼ばれます。つまり、カロリーが消費されているという事になります。ですから、ダイエットにはこの褐色脂肪細胞の活性化を促せばよいということになります。
褐色脂肪細胞の活性方法
褐色脂肪細胞の働きには個人差が多くあります、大食いで有名なギャル曽根さん等はすごく食べられる割には太らないですよね。こういった方は褐色脂肪細胞の量が多く非常に活発です。
俗にいう痩せの大食いの方のサーモグラフをとってみると、褐色脂肪細胞の分布している部分の温度が非常に高いということが解っています。
褐色脂肪細胞の分布している場所は主に背中になります。具体的には首の周囲、肩甲骨周囲、わきの下、腎臓の周囲です。この褐色脂肪細胞を活発に働かせるには細胞自体を冷やしてしまえばよいのです。人体の恒常性の働きを強制的に発揮させる方法です。
しかし、急に冷水を浴びると心臓に負担をかけてしまいますので、40℃のお湯20℃程度の水との温冷交換浴で活性化を促す事をお勧めします。
また、温冷交換浴よりはやや効果は落ちますが、手を冷やすといった方法でも褐色脂肪細胞を活性化させることができます。手のひらには神経が多く集まっており、感覚受容器が冷たいという刺激を褐色脂肪細胞に伝達します。
ダイエットをお考えの方は運動も含め細胞刺激にまで目を向けてみてはいかがでしょうか?
まとめ
肥満細胞は太る事と全く関係ない。では太る細胞は何!?
肥満細胞とは?
肥満に関する細胞は脂肪細胞!
脂肪細胞は分裂・増加する!!
痩せるには褐色脂肪細胞の活性化が必要
褐色脂肪細胞の活性方法