大柄なお子さんは頼もしく感じる時がありますが、肥満にまで進んでしまうと、それはお子さんにとって悲しいことです。成人病のリスクが高まり、ひざなどの間接を痛めてしまうこともありますので、家族でケアをして 肥満 を原因とする 病気 を遠ざけていきましょう。
小児肥満が引き起こす恐い病気。子供の肥満は家族でケアを。
太っているだけ、なぜいけないの?
ここでいう肥満とは、ただ体重が重たいということではなく、肥満のために健康に害を及ぼしている状態をいいます。しかし、診断された当初は本人と家族に自覚症状がないことが多いため、「子供が太っているだけのことで病気扱いをされている」と、憤慨なさる親御さんがいるようです。
確かに、人によって太りやすい体質や、子供の旺盛な食欲を止めることというのは親御さんにとってはなかなか難しいことであり、その責を一身に受けることに異を唱えたいという気持ちは非常に理解できます。
しかしながら、やはりお子さんのこれからの健康を守り続けていくという意味においては、親御さんの一層の努力に期待しなければなりません。
そこで、小児肥満がもたらす生活習慣病のリスクについて、十分理解しておきましょう。
肥満を原因する病気
小児肥満がもたらす生活習慣病で特に知られているのは、糖尿病(2型)と脂質異常症や高血圧です。
糖尿病は小学生10万人に対して1人、中学生10万人に対して4~5人の割合で発生しています。当初は自覚症状のない糖尿病の診断方法ですが、学校での尿検査で糖が出た場合、病院に行き血液検査で糖尿病をみつけます。
子供にはこの時点で全く自覚症状がないので、治療や食事制限は大変辛いと思いますが、将来的なリスクをこの頃から最小限に抑え続けなくてはなりませんから、家族の協力が絶対不可欠です。
糖尿病の合併症は、網膜症、腎臓の病気なへとつながるので、このような事態にならないために気を付けていきましょう。
脂質異常症は、かつては高脂血症ともいわれていたのですが、血液がドロドロの状態のことをいいます。心筋梗塞や脳卒中がおこる危険と隣り合わせなので、生活習慣を改善させなくてはなりません。
規則正しい食生活と、食事内容の見直しや日常生活に運動を取り入れるなど、よくいわれていることですが、この基本的なことが守れずに子供を肥満にさせてしまっているので、できることから少しずつ改善していきいましょう。
また、高血圧がわかった場合には原因となる病気が腎臓にみつかる場合や、ガンが発見されることもありますので、子供が高血圧とわかったら、引き続き検査を受ける必要があります。
他に、高尿酸血症、痛風、脂肪肝、胆石など、どれもこれまでは主に中高年の病気と考えられていましたが、肥満の子にとってはいつかかってもおかしくない病気です。
これらの症状を持っていると、動脈硬化や脳卒中、心筋梗塞を起こすリスクが高まり、特に動脈硬化は子供のうちから進行するといわれています。
これらのリスクは肥満を解消することで改善されていきます。診断されてはいないが、心配があるという方は、一度家庭でこどものメタボリックシンドロームのチェックリストを行い、子供の状態を客観的に把握することが大切です。
骨や関節、皮膚に与える影響
肥満は骨や骨格、関節、また、皮膚に影響を与える場合があります。
肥満化したお子さんがよく腰痛を訴えますが、原因が肥満そのものにあることが多くみられます。骨格に対して重たい体重が、腰椎や腰回りの筋肉に負担をかけるためです。
股関節炎やひざ関節炎も、骨格に見合わず重たすぎる体重が関節に負荷をかけ続けることにより引き起こされます。
骨が曲がってしまうこともあり、その後痩せたとしても成長期に変形した骨格が完全に元通りにならないケースもありますので、この時期の肥満は骨や骨格の形成の面からも注意が必要です。
他に、皮膚萎縮線条という皮膚のひび割れや、黒色表皮症という肌が黒くなる症状があらわれることがあります。これは病気というほどのことはないのかもしれませんが、本人にとっては辛く感じることがありますので、まずは肥満を解消する手助けをしてください。
まとめ
小児肥満が引き起こす恐い病気。子供の肥満は家族でケアを。
太っているだけ、なぜいけないの?
肥満を原因する病気
骨や関節、皮膚に与える影響