「有効性の高いヒブワクチンを効果的に使うために(前編)」では、ヒブワクチンの有効性や接種時期についてご説明いたしました。後編では、 ヒブワクチン と同時接種が可能なワクチンについて、またヒブワクチンの副反応についてご説明いたします。
有効性の高いヒブワクチンを効果的に使うために(後編)
同時接種しても大丈夫?
1歳までの赤ちゃんは予防接種として受けるワクチンの数が非常に多いので、うまく接種していくために、一部のワクチンで同時接種を行うことがあります。ただ、小児科医によっては同時接種をしていないという医院もあるため、接種前にはきちんと確認するようにしましょう。
ヒブワクチンは同時接種ができるワクチンのひとつで、生後2か月の初回接種時にロタウイルスワクチン、B型肝炎ワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンの同時接種を行うことができるとされています。
さらにヒブワクチンの2回目接種時には四種混合ワクチンと同時接種することができます。
ヒブワクチンの副反応
ヒブワクチンの接種後に副反応があらわれることがあります。他のワクチン接種と同様の副反応が起こるとされ、通常は一過性のもので数日でおさまります。
約半数の子供に接種部位の赤みがみられ、2割の子供に接種部位の腫れやしこりがみられます。また、2%ほどの子供に軽い発熱がみられます。
重い副反応では、海外での報告としてアナフィラキシーショックや血小板減少性紫斑病、けいれんなどが起こるとされています。これらは非常にまれであるとされます。
海外と日本でのヒブワクチンの扱い
ヒブワクチンは欧米では1990年代から接種が開始されています。そのため、現在はヒブ感染による喉頭蓋炎や髄膜炎の発症は激減しています。
1998年にはWHO(世界保健機関)によって乳児への定期接種が推奨されるようになりました。すでに100か国以上の国で定期接種としてヒブワクチンが接種されています。世界的にもヒブワクチンは非常に有効性が高いワクチンとして推奨されているのです。
アメリカでは1988年にはヒブワクチンの導入が開始されました。2006年の時点でのヒブワクチン接種率は94%となっています。
ワクチンが導入される以前は5歳未満の人口10万人あたり25人が年間でヒブ感染による髄膜炎を発症していました。しかし、ワクチン導入後は発症する子供がほとんどみられなくなり、ヒブ感染による髄膜炎は過去の病であると言われるようになりました。
2007年に日本でもフランス製のヒブワクチンである「アクトヒブ」の輸入承認がなされました。2008年にはようやく日本でも発売され、2013年には定期接種として子供たちへの接種が開始されました。
まとめ
有効性の高いヒブワクチンを効果的に使うために(後編)
同時接種しても大丈夫?
ヒブワクチンの副反応
海外と日本でのヒブワクチンの扱い