ヘルペス性口内炎 は口内炎の中でも特に痛みが激しいことがよく知られています。生後6か月以降の乳幼児に多く発症し、発熱を伴うこともあると言います。つらいヘルペス性口内炎からお子さんを守る方法も含めて、ヘルペス性口内炎についてご紹介いたします。
こうして防ごう激しい痛みのヘルペス性口内炎
口内炎とは
口内炎とは口の中やその周辺の粘膜の炎症の総称です。頬の内側や歯茎など広い範囲に発症し、多くの場合痛みを伴います。
口は食事・会話・呼吸などのために外界と接する機会の多い器官です。そのために、ホコリや細菌、ウイルスなどの影響を受けやすいと言うことができます。
いろいろな口内炎
口内炎は軽度から重度まで症状と原因によって分類され、それぞれに病名がつけられています。
アフタ性口内炎
最も多くみられる口内炎です。アフタというのは口の中の粘膜にできる境界線のはっきりとした小さな腫瘍のことで、表面は白か黄色の膜で覆われてその周辺は赤くなっているものです。
アフタ性口内炎の原因は生活習慣の乱れ・口の中の傷・ホルモンバランスの乱れなど、さまざま考えられますが、大きな誘因は免疫力の低下であると言われています。
カタル性口内炎
主に物理的な刺激によって起こるのがカタル性口内炎です。口の中の粘膜に赤い炎症や斑点、水泡などができて、食べ物がしみたり、ヒリヒリとする痛みを感じることが多いようです。
アフタ性口内炎と同様に免疫力の低下によって発症しやすくなりますが、直接の原因は物理的な刺激や傷です。入れ歯や矯正器具、熱い食べ物が粘膜を刺激したり、傷つけたりした部位に細菌が繁殖することが主原因であると考えられています。歯科矯正中のお子さんは注意が必要です。
カンジダ性口内炎
口腔カンジダ症とも呼ばれ、口の中にカンジダというカビ(真菌)が増殖することによって発症する口内炎です。
偽膜性カンジダ症・萎縮性カンジダ症・肥厚性カンジダ症などの種類があります。最も多い偽膜性カンジダ症は白い苔のようなものが頬や口蓋、舌などに付着して、はがすと赤く腫れたり、出血したりします。乳幼児にも発症することがあります。
ヘルペス性口内炎
強い痛みとともに赤く腫れるヘルペス性口内炎はヘルペスウイルスに感染することで発症します。舌や歯茎、唇だけではなく、唇の外側や喉の粘膜まで、いたるところに症状が出ます。
生後6か月~3歳くらいの乳幼児がかかりやすいことがよく知られています。
感染すると、高熱が続き、しばらくすると口の中に小さな水泡が複数個できます。水泡はやがて赤く腫れて痛み、破れると腫瘍ができます。
乳幼児がかかると高熱と痛みを伴って、ときに重症化することもあります。
口内炎が治った後も、ヘルペスウイルスは潜伏を続け、成人してからも免疫力が低下したようなときに再発しやすいと言います。
ヘルペス性口内炎の原因
ヘルペスウイルスは人から人、物から人へと感染します。
上述したように、体内に潜伏していたヘルペスウイルスが再発した大人やヘルペスウイルスに感染した子供からうつって感染します。
直接触れ合うスキンシップだけではなく、ヘルペスウイルスをもつ人が使用したタオルや食器などからも感染することがわかっています。
ヘルペス性口内炎の治療と予防
ヘルペス性口内炎はウイルス性のものなので、医師の治療を受けることが大切です。
投薬によって10日間ほどで痛みや発熱も治まります。
家庭で留意することは脱水状態に陥らないように、こまめに水分やミネラルを補給することです。また、痛みを助長することになるので、刺激の強い食べ物は避けるようにしてください。
完治するまでは、家庭内二次感染を防ぐために、タオルや食器などを分ける配慮も必要です。
日常的に身の回りの物を清潔に保ち、人の唾液に触れないようにすることも大切です。食べ残しや飲み残しを安易に与えるようなことは慎むべきです。
まとめ
こうして防ごう激しい痛みのヘルペス性口内炎
口内炎とは
いろいろな口内炎
ヘルペス性口内炎
ヘルペス性口内炎の治療と予防