人に感染する ヘルペスウイルス は8種類がよく知られています。中でも単純ヘルペスウイルスと水痘・帯状疱疹ウイルスによって発症する病気は子供がよくかかる病気です。
水泡ができる病気の 症状 をよく知っておくことは適切な治療への近道となります。
ヘルペスウイルスで発症する病気の症状の違いを知る
ヘルペス性歯肉口内炎
ヘルペス性歯肉口内炎は、単純ヘルペスウイルスⅠ型が原因で発症する病気です。はじめてのヘルペスへの感染としてあらわれることが多く、発症するのは感染者の10%前後と言われています。
ヘルペスウイルスを持つ人との接触により感染します。家族間で感染してしまうことが多いようです。生後6か月~3歳位の乳幼児に多くみられます。
突然の高熱から発症し、発熱は38度~39度を超えることもあります。発熱して2日~3日後に口内炎が多数あらわれ、歯茎が赤く腫れあがります。出血することもあります。口の周囲に水泡ができてしまうこともあります。
痛みがかなり強く、食事をとることが難しくなります。小さな子供は脱水を起こしやすいので、症状が重い場合は入院して点滴治療を行うこともあります。
口唇ヘルペス
口唇ヘルペスになると口の周りがチクチク、ピリピリとした感じになり、その後赤く腫れたようになります。腫れた皮膚の上には水泡ができます。
初めて口唇ヘルペスに感染した時は、水泡が大きく、症状も重くなる傾向があります。口唇ヘルペスは再発を繰り返す病気で、再発時は基本的には初感染の時よりも程度は軽くなります。
水泡の中には単純ヘルペスウイルスⅠ型のウイルスが沢山入っているので、水泡をやぶいてしまうと他の部分に広がってしまいます。
カポジ水痘様発疹症(すいとうようほっしんしょう)
カポジ水痘様発疹症は単純ヘルペスウイルスⅠ型によって発症する病気です。主にアトピー性皮膚炎の患者が皮膚を掻いて傷つけたところにヘルペスウイルスが加わることによって、痛みを伴う水泡と発疹が広がります。
発熱やリンパ節の腫れなどもあるため、子供には辛い状態となることが多いようです。
発症後、早い段階で治療を行うと発疹の広がりを抑えることもできますが、広範囲に広がってしまうと入院治療が必要となることもあります。人によって痒みを感じることもありますが、痛みの方が強いのが一般的です。
アトピー性皮膚炎の子供はカポジ水痘様発疹症を発症していても、アトピー性皮膚炎が悪化しているという誤認識のもとに治療が遅れてしまうことがあります。アトピー性皮膚炎の治療薬であるステロイドを使うことでカポジ水痘様発疹症の症状が悪化してしまうこともあります。
ヘルペス性角膜炎
ヘルペス性角膜炎は主に単純ヘルペスウイルスⅠ型が角膜(黒目の部分)に感染して引き起こされる病気です。目の痛みやゴロゴロした感じ、充血、まぶたの腫れなどが症状としてあらわれます。
涙目になったり、明るい光に過敏に反応するようになったりもします。目の周りに水泡ができることもあります。角膜の炎症が進むと角膜が白く濁って視力が低下することもあります。
ヘルペス性角膜炎は程度が軽いと自然に治ってしまうこともあります。しかし、ウイルスは目の奥に潜んでいて、体が疲れたりストレスを感じたりすると再発します。再発を繰り返していくうちに角膜の損傷がひどくなって、角膜移植を必要とする場合もあります。
水疱瘡と帯状疱疹
水疱瘡は2歳~8歳前後の子供に多くみられる病気です。水疱瘡の原因は水痘・帯状疱疹ウイルスと呼ばれるヘルペスウイルスの一種です。このウイルスに最初に感染した時には水疱瘡と呼ばれます。
水疱瘡が治った後もウイルスは体の中に潜伏しており、体が疲れたりストレスを感じたりすると、帯状疱疹としてあらわれます。
水疱瘡は最初、小さな赤い発疹があらわれ、半日程度経過すると水を持った水泡があらわれます。発疹があらわれた時点で発熱を伴うことが多く、他の発疹があらわれる病気との区別が難しいため、初診時に誤診されることもあります。
全身に広がる水泡があらわれてから、水疱瘡と診断がつくことが多いです。
まとめ
ヘルペスウイルスで発症する病気の症状の違いを知る
ヘルペス性歯肉口内炎
口唇ヘルペス
カポジ水痘様発疹症(すいとうようほっしんしょう)
ヘルペス性角膜炎
水疱瘡と帯状疱疹