ヘルパンギーナ という病名を皆さんはお聞きになった事はありますか?意外と知らない方もいらっしゃるのではないでしょうか。それは、この病気で病院を受診した際に「夏風邪ですね」の一言で、詳しい病名を伝えられないケースもあるからです。夏風邪の原因になるウィルスや細菌も色々な種類があります。
では、このヘルパンギーナはどのような夏風邪なのでしょうか。
夏に流行る風邪の一種、ヘルパンギーナ。その症状とは?
ヘルパンギーナとは
6歳以下の乳幼児がかかりやすく、主に1歳~3歳がその大半を占めているようです。ヘルパンギーナは夏バテ気味の大人も稀に感染する事もあります。エンテロウィルス属のコクサッキーウィルスやエコーウィルスなどに感染して発症します。突然の高熱と咽頭に口内炎のような白い水泡が出来るのが特徴です。夏の暑い時期に高熱が1~3日続きますので、体力の消耗もしますし、発熱によって発汗量も増えますので水分補給が大切です。
ヘルパンギーナの流行時期
流行する時期は初夏の5月から徐々に増え始め、夏風邪の代表と言われるように7月がピークとなり、秋の10月頃には殆どみられなくなります。
ヘルパンギーナの感染経路
乳幼児に発症率が高い、ヘルパンギーナの代表的な感染経路は、ウィルス保持者の糞便に接触し、十分な手洗いがなされず経口から体内に入ってしまう糞口感染と咳やくしゃみによる空気中への飛散によって体内に吸い込んでしまう飛末感染が主とされているようです。体内に入り込んだウィルスは、症状が急激に現れている時期に糞便から排出されている事が多く、この時期の糞便への接触には十分に配慮し、処理後の手洗いはしっかりと行う必要があります。また、ヘルパンギーナのウィルスの特徴として、回復後の2~4週間後でもウィルスが糞便から検出される事もありますので、十分な手洗い、消毒の励行は必須です。
ヘルパンギーナの主な症状と治療方法
ヘルパンギーナのウィルス潜伏期間は2~4日。わかりやすい症状は、39度ぐらいの高熱が1~3日続く、のどの痛み、咳、食欲の低下です。
特に医師がヘルパンギーナと診断する代表的症状は、咽頭部深部に左右対称にできる口内炎のような白い水泡です。この白い水泡のまわりは赤く腫れ、破れると、ただれた潰瘍状になり痛みが生じてきます。この痛みが咳をする事によって更に倍増しますので、乳幼児の小さな子供さんにとっては、とても辛く苦しいものになります。食事は、なるべく薄味のものや口当たりの良いもの、栄養価の高いものを少しづつ与えてください。
乳児の場合は、この痛みによって哺乳がうまく出来なくなると脱水症状になる事もありますので早目に病院を受診し、点滴などの的確な処置をしていただく事をおすすめします。
また、高熱が続く事により、まれに熱性けいれんを起こす場合もありますので注意が必要です。ヘルパンギーナに対する有効な治療薬はありませんので、解熱剤の使用等、つらい症状を緩和する目的の対症療法となります。
しかし、ヘルパンギーナの多くは短期間で治る病気とされています。熱は2~3日で自然に下がり、咽頭部の水泡も一週間ぐらいでなくなります。
ヘルパンギーナと診断を受けたら
いわゆる夏の時期に流行る風邪ですので、登校登園については特に規定はありません。しかし、流行阻止目的というよりも患者本人の症状により個人で判断していただき、休養するのがベストかと思います。
乳幼児期の病気は、回復するのも早いですが同じように重症化するのも早いそうです。まずは、自分のお子さんの状態を注意深く観察し、異変を感じた時には、すぐに病院を受診しましょう。
まとめ
夏に流行る風邪の一種、ヘルパンギーナ。その症状とは?
ヘルパンギーナとは
ヘルパンギーナの流行時期
ヘルパンギーナの感染経路
ヘルパンギーナの主な症状と治療方法
ヘルパンギーナと診断を受けたら