一般的に熱が出る風邪をひいたときに、よく使われる扁桃腺炎という言葉ですが、適切に治療をしないと大変なことになってしまうこともあります。子供がよくかかる 扁桃腺炎 について、原因や治療法を知っておくと役に立つのではないでしょうか。
扁桃腺炎にならないために知っておきたい基礎知識
扁桃腺炎とはどんな病気か
口を大きく開けると、のどの奥の左右に少し盛り上がった部分が見えます。それが扁桃腺と呼ばれる部分です。正式には扁桃といいますが、扁桃腺と呼ばれることが多いので、ここでは扁桃腺と呼びます。
扁桃腺は外部からの菌が入って来るのを防ぐ役割をしています。扁桃腺炎はこの部分が炎症をおこす病気です。小さい子供から大人までかかることがあります。
扁桃腺炎の原因
人は生まれて数か月もすると、口の中にさまざまな菌が存在するようになります。扁桃腺にはその菌と、免疫機能をつかさどる免疫細胞が存在しています。
常に口の中に存在している菌のことを常在菌といい、扁桃腺はその常在菌や外から入ってくるウイルスや細菌が溜まりやすいところでもあります。
溜まった菌は身体疲労や乾燥、風邪をひくといった影響を受けて増殖します。増殖すると、扁桃腺は赤くなって腫れたり、白く膿んだりして、炎症がおきてしまいます。その炎症状態になったものが、扁桃腺炎です。
扁桃腺炎はなぜ子供に多いのか
扁桃腺炎は小さい子供に多くみられます。それは免疫機能が未発達だという理由です。扁桃腺は中学生くらいの年齢で大人とほぼ同じサイズになります。また、それ以上の年齢では扁桃腺以外の免疫機能も働くようになります。
しかし、小さい子供は、その免疫機能を、小さいサイズの扁桃腺に頼る部分が大きいので、扁桃腺炎にかかりやすいのです。
扁桃腺炎の症状
扁桃腺炎は、38度以上の高熱、喉が痛くなる、寒気がする、全身のだるさがある、頭痛、関節痛がある、喉のまわりのリンパ節が腫れる、これらがおもな症状です。この症状がさらにすすむと、慢性扁桃腺炎や扁桃周囲炎をおこすことがあります。
慢性扁桃腺炎とは、症状は扁桃腺炎と同じですが、年に何回も扁桃腺炎を繰り返し、扁桃腺が病巣となって、ほかの病気をおこしてしまう扁桃腺炎のことです。
扁桃腺炎を起こす菌には、溶連菌、黄色ブドウ球菌、肺炎球菌などがありますが、特に、溶連菌が原因で扁桃腺炎を繰り返してしまう場合は、腎炎や心膜炎などに注意が必要です。
扁桃腺炎を繰り返す場合は、こういった理由から、扁桃腺を摘出してはどうかという医師からの指摘があることもあります。
扁桃周囲炎は、扁桃腺炎になったときに、原因菌の増殖に加えて、嫌気性菌(酸素が少ない場所でも増える菌)という菌も増殖してしまい、扁桃腺の周囲に炎症が広がるものです。扁桃周囲炎になると、口を開けるのもつらくなり、水を飲む事も厳しい状態になります。
また、扁桃腺の粘膜をやぶって、喉の奥に膿が入って血管にまで影響すると、胸にまで炎症が広がります。そうなると、命にかかわることもあるので、注意が必要です。
扁桃腺炎の治療方法
扁桃腺炎が軽い場合は、うがいをしたり、トローチを使えばよくなることもあります。しかし、自然治癒するだろうと自己判断をせず、医療機関を受診したほうがいいでしょう。
扁桃腺炎の治療は薬を服用します。ウイルスや細菌にあった抗菌薬や抗生物質、解熱剤を使うことで、回復します。喉が痛くて食事がとれないときは、点滴で栄養分を補給しましょう。規則正しい生活をし、水分をとり、安静にすることが大切です。
扁桃腺炎の予防
扁桃腺炎の原因はウイルスや細菌です。体の免疫力を高めることで、かかりにくくなります。免疫力を上げるには、食事と日ごろの生活習慣に気を付けることが第一です。バランスよく栄養価の高い食事をとり、手洗い、うがいの習慣をつけましょう。
休養はしっかりとり、睡眠不足に気を付けましょう。最近は、睡眠が足りていない子供もいると聞きます、扁桃腺炎を予防するには、健康的な生活を心がけましょう。
まとめ
扁桃腺炎にならないために知っておきたい基礎知識
扁桃腺炎とはどんな病気か
扁桃腺炎の原因
扁桃腺炎はなぜ子供に多いのか
扁桃腺炎の症状
扁桃腺炎の治療方法
扁桃腺炎の予防