扁桃腺が腫れ痛みを生じており、 膿 が出ていた場合には扁桃腺の摘出となる場合があります。また、 扁桃炎 で膿んでしまうと、扁桃周囲炎や扁桃周囲膿瘍という病名がつき、合併症が伴うケースもあるため、ここに至るまでに治してあげましょう。
扁桃炎で膿がたまり、扁桃周囲炎となる前に治療を。
扁桃炎と膿
まず、扁桃炎をおこす扁桃には、免疫細胞が多くあり、鼻や口から気管へ入ろうとする病原菌に対し、防御する機能を果たしています。
そして、扁桃炎とは、扁桃腺の常在菌(溶連菌、ブドウ球菌、肺炎球菌)による活動のために炎症をおこすことです。特に子供の場合は、体力が落ちている時に、この普段は悪さをしない常在菌に、負けてしまうことから発症します。
主な症状は、38度以上の発熱、発熱に伴う関節痛、咽頭の痛みや頭痛などと、頸部の腫れです。もっともひどい時にはつばを飲み込むことも辛く、口を開けることも苦痛になるほどの痛みが生じ、側頭部や耳まで痛みが広がることがあります。
この状態になった時には、扁桃周囲に膿が広がっており、白苔という、扁桃表面が白く覆われたような状態になってしまいます。
扁桃炎が膿んだ時の対処法
扁桃炎が酷くなり周囲に膿が見られる時には、のどや口腔内の痛みがピークを迎えており、水分補給や食事に支障をきたします。
しかしながら、水分補給は怠ることなく続ける必要があります。親御さんはお子さんの痛がる姿をみて、あまり無理に飲ませたくない気持ちになるかもしれませんが、心を鬼にしてでも水分補給を行いましょう。やはり、高熱時には脱水症状が恐いのです。
効率よく水分補給をさせるためには、経口補水液が良いでしょう。万が一水分を摂れずに高熱が治まることなく続いた場合には、病院で点滴をして体に水分を摂りいれることとなります。
食事が喉を通らない場合でも、鎮痛剤が出されている場合は、胃が空の状態で投薬すると胃腸に負担がかかりますので、少しでも良いから何か消化の良いものを食べさせて、薬を飲ませるようにしましょう。扁桃炎には抗生剤が有効ですから、抗生剤を服用させることは忘れずに行いましょう。
扁桃炎から扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍
扁桃炎はまだ扁桃腺が赤く腫れて痛みを持った状態ですが、扁桃周囲炎になると、扁桃腺やその周りに白い膜が張ったような状態になります。この白い膜正体は膿で、白苔といいます。この状態を越えると、扁桃周囲膿瘍となり、扁桃腺の周りの隙間に隙間に膿がたまります。
ここまで進行してしまうと、他の部位まで膿がたまっていくケースもあり、命の心配が出てきます。入院して手術となることもありますので、扁桃炎になった場合には「たかが喉の風邪」と甘く考えずに、初期の頃にしっかりと治すようにしましょう。
扁桃炎が膿まないためにできる予防法
扁桃炎が慢性化している方や習慣性扁桃炎になっている方は、普段からのどのケアを行い、膿まないようにケアする必要があります。もちろん、家に帰ったら手を洗うことは必要最低限ですが、それ以上の心がけが必須です。
自宅で簡単かつ効率よ良くできる方法と言えば、イソジンうがい薬や、明治うがい薬など、ヨウ素系のうがい薬を使用したうがいが効果的です。
普段から睡眠の時にはマスクをつけて喉を菌から守ること、空気清浄機や加湿器を使い、部屋の空調管理を行うこと、ビタミンCが豊富なメニューなど、栄養のある食事に気を使うこと、睡眠不足にならないように規則正しい生活をすることなども体の免疫を高めます。
また、扁桃腺が弱いお子さんがいるご家庭では、室内は禁煙にすることは絶対不可欠です。
扁桃腺の除去手術
1年に3回4回と、慢性的に扁桃腺を腫らしたり、扁桃腺が膿んだりしている方は、医師から除去手術をすすめられる場合があります。
アメリカなどでは、小児に積極的に進められている手術で、それほど危険なものではありませんので、医師からすすめられた場合には、恐がることなく手術に踏み切るのもよいでしょう。
除去をしたらその後は辛い扁桃炎や喉の膿や炎症に悩まされることがなくなるので、快適になったという方も多くみられます。
まとめ
扁桃炎で膿がたまり、扁桃周囲炎となる前に治療を。
扁桃炎と膿
扁桃炎が膿んだ時の対処法
扁桃炎から扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍
扁桃炎が膿まないためにできる予防法
扁桃腺の除去手術