扁桃炎は子供の病気としてよく知られています。症状はカゼやインフルエンザと似た発熱、頭痛、のどの痛みや炎症、体のだるさなどが一般的です。 扁桃炎 による 熱 かなと思った時は、早めに診察を受けて合併症を防げるように知っておきたい知識をまとめました。
なかなか下がらない時はどうしたら?子供の扁桃炎と熱
扁桃炎はなぜ起こる?
大人にも子供にも起こる病気で、扁桃腺炎とも呼ばれます。ヒトの扁桃(のどの奥のサクランボに似た部分)には溶連菌、黄色ブドウ球菌、肺炎球菌、インフルエンザ菌などの細菌が常に存在しています。
元気な時には特に問題にはなりませんが、カゼや疲れによって体の免疫力が低下すると、これらの菌が活発化して扁桃炎が起こります。
なおインフルエンザ菌は、インフルエンザを引き起こすインフルエンザウィルスとは異なる菌です。また細菌だけではなく、ヘルペス、アデノ、エンテロなどのウィルスも扁桃炎の原因となります。
熱は何度?
扁桃炎による熱は38度から40度と、インフルエンザと同様にいきなり高熱になり、医師に処方された薬を飲んでいても平熱に戻るまでに数日かかることが多いのが特徴です。従って、熱がすぐに下がらなくてもそれほど心配はありませんが、脱水症状や中耳炎に注意して下さい。
脱水症状を防ぐには、まめに冷えたお茶、イオン飲料やゼリーなどのど越しのよいもので水分補給をする、特に冬場は加湿器などを用いて部屋の快適な湿度を保つなどの工夫が必要です。
慢性扁桃炎になっても高熱は続く?
急性扁桃炎を一年に3、4回以上繰り返す場合は慢性扁桃炎と呼ばれます。就学前の子供に最も多いのが特徴です。慢性化すると熱は平熱か、あっても微熱程度で高熱になることはほとんどないために、まだ言葉がおぼつかない小さな子供の扁桃炎を見逃してしまうこともあります。
合併症
溶連菌が原因の扁桃炎の場合は、リウマチ熱やアレルギー性紫斑病などの合併症が起こりやすいため、より注意が必要です。リウマチ熱は、のどに炎症が起きてから数週間後に起こることが多く、就学児童に多いのが特徴です。また、高熱に加えて関節の痛みも起こります。
他の合併症には心炎や舞踏病などがあります。心炎にかかると後遺症が残ることもあり、生涯にわたりリスクが伴うため、できる限りかからないようにすること、カゼと間違えて見逃されないようにするなど扁桃炎の初期から注意が必要です。
治療方法
まずは薬による治療となります。早めに診察を受け処方された薬を服用することで、中耳炎、リウマチ熱などの合併症を防ぐことができます。抗生剤、解熱剤の他に症状に応じてトローチや湿布なども処方されます。
通常は通院ですみますが、症状が重い場合は入院治療が必要になることもあります。摘出手術の必要性は、年間に何度急性扁桃炎を起こしたか、日常・学校生活への影響、本人や家族の希望、医師の意見などから総合的に判断されます。
家庭で心がけたいこと
扁桃腺による熱が出た場合は、処方された薬をきちんと飲ませることはもちろん大切ですが、加えて子供がゆっくり休めるように部屋の環境を整えて下さい。
具体的には、先に述べた水分補給、湿度を保つことの他、アイス枕などで頭部やおでこを冷やす、部屋の温度を調節する、汗をかいたら拭く、パジャマを着替えるなどです。
また、熱が上がっているかどうか子供の様子をよく観察することも大切です。高熱でもきちんと薬を飲んでよく眠っている、あるいは起きていても機嫌よくしていればそれほど心配ありませんが、吐いたり、きゅうにぐったりしてきた場合はすぐにかかりつけの医師に連絡して指示に従って下さい。
また、きちんと治療をしても年に何回も起こる場合には、摘出手術の必要性も視野に入れて医師に相談して下さい。
まとめ
なかなか下がらない時はどうしたら?子供の扁桃炎と熱
扁桃炎はなぜ起こる?
熱は何度?
慢性扁桃炎になっても高熱は続く?
合併症
薬による治療
摘出手術が必要な場合
家庭で心がけたいこと