「幼児の発達障害の診断、時期や診断後の対応は?(前編」では、発達障害の代表的な症状をご紹介いたしました。後編では、 幼児 の 発達障害 を 診断 してくれる病院や診断名についてご説明いたします。
発達障害は早期療育が大変有効です。
幼児の発達障害の診断、時期や診断後の対応は?(後編)
幼児の発達障害を診断してくれる病院
親御さんがお子さんの発達障害を疑った場合、早期診断、早期療育がその子の今後の人生のカギになりますから、すぐに診断をしてもらいましょう。
発達障害の疑いをもって病院に行っても、普通の小児科ではなかなか診断していただけないこともあるため、小児神経専門医、中でも発達障害診断医を訪ねると良いと思います。
日本小児神経学会のホームページから発達障害診断医リストを開き、お近くの先生にアポを取った上で初診に行ってください。
診断名は変化することもあります
幼児期に診断された診断名が成長とともに変化する例があります。
これは、まだ発達障害が世界に認知されてから間もない障害であるために、医療関係者、福祉関係者、国の中でとらえ方にあいまいな部分があるため、研究途上で確定していない部分があるため、個々の成長や社会生活上の変化とともに、消える症状と新たに問題となる症状があらわれるためです。
発達障害は、特定の病原菌や、脳の損傷があるわけではなく、子供の症状をみて、それを診断名に当てはめていく方式をとるため、他の病気とは違う方法で診断します。
その他の病気は、症状から原因をみつけ原因を治療しますが、発達障害は、原因が目に見えないために、目にみえている症状から診断名を探すのです。それから問題となっている行動を減らしていくという療育を行います。
定型発達のお子さんでも、成長とともに次第に落ち着いていくように、発達障害のお子さんでも、成長や療育の成果により多動や衝動性は消えていく傾向があるため、幼児期にADHDと診断されたお子さんでも自閉症スペクトラムと、診断名が変わることもあります。
反対に自閉症スペクトラムの診断名だったお子さんも、成長とともに自閉症スペクトラム特有の症状が減り、不注意や家を片づけられないなどの問題が生活上の支障になり始めたら、ADHDと診断名が変化する可能性があります。
しかし、診断名によりお子さんが変わるわけではありません。診断名に振り回されることなく、診断名は後からついてくるものと捉える気持ちが大切です。
発達障害と診断されたら
発達障害と診断されたら、幼児に薬物療法をすすめる医師もいないわけではありません。薬物療法が必要なケースもあり、一概に悪いものと捉える必要はありませんが、心配な点はとことん、納得するまで医師と相談しましょう。
そしてコンサータやストラテラ、リスパダールなどを服用中に問題が生じたら、ためらわずに病院に電話しましょう。
そして、早期療育も薬物療法も必要なことですが、特に幼児のうちはご家庭での家族との関わり方が最も大切な事柄です。幼児期に発達障害と診断されたお子さんは、全般的に認知力が低いことが多いため、認知力を向上させるトレーニングを日々の生活に組み入れると良いでしょう。
例えば、視覚認知力を向上させるために点つなぎや、冷蔵庫に数字のチップを散りばめ貼り付け、1から30まで順番に探させるような遊び、空間認知力のアップのために積木ブロック遊びや、お話の読み聞かせの中では、「果物の名前が出てきたら一度手をたたきましょう」と、ゲーム性を取り入れることにより、集中力の向上につながります。
また、自閉症スペクトラムの子供の中で、知能の低さがみられないにもかかわらず、言葉が出ないお子さんには、パソコンを習得することで、同時に言語の習得に成功した例もありますので、このようなICTの導入を検討してみてください。
まとめ
幼児の発達障害の診断、時期や診断後の対応は?(後編)
幼児の発達障害を診断してくれる病院
診断名は変化することもあります
発達障害と診断されたら