以前は親のしつけの問題と言われることの多かった発達障害ですが、最近では脳の機能障害であるという認識が広まってきました。
発達障害 は 遺伝 的な要素が強く関係しているものとストレスなどによって起きるものがあります。
早期に対処することで社会に適応できることもあります。
生きづらさを感じることの多い発達障害は遺伝するの?
発達障害とはどんなもの?
子どもは成長するにつれ、いろいろなことを経験し、さまざまな能力を身につけていきます。それぞれの子どもは、それぞれの段階を経て徐々に大きくなっていきます。
10人の子どもが10人とも同じように、同じスピードで成長していくということはあり得ません。得意なことと不得意なことがあるのは当たり前で、バランスを取りながら徐々に成長していきます。
そういった中で、発達障害の子どもたちにおいては、得意分野と不得意分野の差が大きく開いているという特徴があります。
特定領域の発達において顕著な遅れがみられ、通常の社会生活に適応することができないときは、発達障害と考えて、なんらかの対処をとっていく必要があります。
発達障害の症状
発達障害は、それぞれの脳の働き方に個性があり、どういう状態を発達障害とするかについての明確な定義はありません。いくつかの大きなくくりに沿って、発達障害を診断していきます。
「アスペルガー症候群」「自閉症」「レット障害」といった広汎性発達障害では、対人障害、コミュニケーション障害、ひとつのことに対するこだわりの強さなどが症状としてあげられます。
この3つの症状すべてが、3歳頃までに顕著にみとめられるときは、「自閉症」という診断がつきます。この3つの中でコミュニケーションの障害については軽いが、はじめての言葉が2歳頃までにみられ、二語文が3歳頃までにあらわれるときは、「アスペルガー症候群」として診断がつきます。
落ち着きがなく、注意力が散漫で待つことが苦手という子どもで、7歳よりも前に家庭や学校など2か所以上でこの症状がみられるときは「AD/HD」と診断されます。
おおよその知的発達には大きな問題がみられないのに、特定の学習においてだけ障害があるときは「LD」と診断されます。読み書き、計算などの基礎的な学習のうち、特定のものにだけ障害がみられます。小学校に入学してからはじめて、周りの大人が気づくケースが多い発達障害です。
発達障害の原因
発達障害の原因には、遺伝子の異常による先天性のものと、ストレスなどで引き起こされる後天性のものがあると言われています。先天性の発達障害では、ドパミンという神経伝達物質のやりとりに関連するたんぱく質を規定する遺伝子が原因となっているということがわかっています。
遺伝的な原因と子どもを取り巻く環境による原因は相互に作用するということもわかってきました。子どもを妊娠中に、母親が喫煙していると、誕生した子どもは発達障害となる確率が高まるという報告も上がっています。
発達障害は遺伝するの?
以前は、親のしつけの問題だとされた発達障害ですが、現在は遺伝的な要素が強い障害であると考えられています。父親か母親のどちらかが「AD/HD」などの発達障害であるとき、誕生する子どもには発達障害がみられる可能性が高いとされています。
発達障害は男児の方が多く発症するとされています。その差は実に歴然としており、男児は女児の4倍の確率で発達障害を発症すると言われています。この性差も発達障害が遺伝で発症しているとする根拠となっています。
発達障害かもしれないと思ったら
子どもをみていて、少し他の子どもと違うかもしれないと思うときは、まずは専門家に相談してみると良いでしょう。
体の症状が顕著にあらわれているときは、かかりつけの小児科で相談してみましょう。情緒的な面に心配があるときは、児童精神科や総合病院、大学病院などの精神科を受診してみましょう。
行政でも相談窓口を設けているところもありますし、小学校などでカウンセリングを行っているところもあります。
最近になって、発達障害についての理解が進み、珍しい病気ではなく、身近に起こりうる病気であるという認識もされるようになってきました。
発達障害と診断されても、行動訓練などによって社会にうまく対応できるようになるケースもあります。早期の発見、治療教育などで子どもの未来が開けるということを、しっかりと認識しておくと良いでしょう。
まとめ
生きづらさを感じることの多い発達障害は遺伝するの?
発達障害とはどんなもの?
発達障害の症状
発達障害の原因
発達障害は遺伝するの?
発達障害かもしれないと思ったら