「子供の発達障害は改善の可能性あり!発症原因は遺伝性も?(前編)」では、発達障害の種類や症状に関してご説明致しました。後編では、 発達障害 の発症要因のひとつとして 遺伝 子的要因の可能性をご説明致します。
発達障害には、早期療育が最も有効です。
子供の発達障害は改善の可能性あり!発症原因は遺伝性も?(後編)
遺伝子的要因の可能性
発達障害を形成する特性は親から子へ遺伝しますが発達障害という障害が遺伝するのではありせん。発達障害を作り上げる特性が一つ一つ遺伝するのです。
発達障害を形成する特性が発達障害児のいる親にだけみられる特性ではなく普通の多くの人が少なからず持っている特性です。
その特性が集結して個々の特徴が著名にあらわれ発達障害と呼ばれることになります。
よく遺伝を指摘されると両親は自分を責めて悩みますが少し考え方を変えると気持ちが楽になります。「私が悪い」と考えず「両親のそれぞれ少し悪い部分が遺伝したんだ」と考えるようにして欲しいと思います。
どのような特性がどのような形で組み合わさり発達障害を発症するのかまではわかりませんが悩みすぎることは子供にも親にもいいことではありません。
遺伝性の発達障害の確率は女児より男児の方が少し高い確率ですが100%の確率で遺伝するのではありません。
親に発達障害があるからと子供へ確実に遺伝するわけではないので過度の心配をしないでください。
広汎性発達障害
確実な原因はわかりませんが一つの見解として先天性要因により発症するものがあります。
根拠として男女の発症確率に差があることが考えられ具体的な数字では女児1人に対し男児4人の比率で男児に多く発症しています。
遺伝子情報が非常に近い一卵性双生児には1人が広汎性発達障害であればもう1人は90%の高い確率で広汎性発達障害を持っていることが遺伝子要因の影響があるとする証拠となります。
また、文化や地域の違いで0.5%~0.9%の確率で広汎性発達障害を発症することも確認され環境要因よりも遺伝子的要因が強く原因と言えます。
アスペルガー症候群
父親がアスペルガー症候群であればアスペルガー症候群の発症確率は19%であり他の発達障害を発症する確率は33%となります。
また母親ではアスペルガー症候群の発症確率は4%で他の発達障害を発症するのは14%と父親が発症していると遺伝性が高くなります。
アスペルガー症候群は親族の血縁者の中でも特に男性の血縁者に陽性の人が家族歴内の近くに存在しています。
注意欠陥/多動性障害
注意欠陥多動障害は非常に発生頻度の高い発達障害で日本人の10%が発症する可能性を持っています。
環境要因にも注意が必要
遺伝とは関係なく環境要因としてダイオキシンは自分では防ぐことは困難ですが、喫煙や飲酒は自己抑制で防ぐことができます。
急に全部禁酒禁煙ができるのが一番望ましいでしょうがそのためにストレスを抱えることは決してよくありません。
生まれてくる赤ちゃんのために少しずつ控えるようにしたいです。
もう1つの環境要因としてイジメや虐待など日常生活における人間関係によるストレスが脳に働き大きな影響を与えることもあります。
改善の可能性がある子供の発達障害
発達障害の診断を受け「発達障害は先天的な脳機能障害で改善は望めない」と言われ続けた親御さんがほとんどだと思いますが、今までの常識を裏返す「改善や予防法を提言した脳科学者がいます。
医療機関で発達障害の診断を受けた200人以上の発達障害児に対し脳機能検査を実施して症状改善に道を開いた脳科学者の澤口俊之先生が断言しています。
- 発達障害は脳機能障害で機能が低下している、または障害されている機能を適切な方法で向上させる治療をすれば発達障害の症状は改善することができる。
- 適切な治療方法を日常的に実践すると症状改善だけでなく予防にも繋がります。
幼児の脳は未熟で発達する余地が大きく8歳までの子供であれば障害されている脳機能を向上させることは比較的容易のようです。
ただしある程度の条件があり発達障害の改善は8歳以降では困難、改善に適している年齢は4歳~6歳。アスペルガー症候群や自閉症などは4歳未満で改善するほうが良いなどがあります。
それ以下の年齢で非科学的な教育や改善方法、不適切な環境での生育で間違った対応をすると発達障害を発症させ悪化傾向にすすむこともあるので注意が必要です。
8歳未満の脳は未熟なため対応の仕方次第で改善する可能性もありますが悪化させてしまうことも忘れないでください。
まとめ
子供の発達障害は改善の可能性あり!発症原因は遺伝性も?(後編)
遺伝子的要因の可能性
環境要因にも注意
改善の可能性がある子供の発達障害