「肺炎球菌ワクチン定期接種で予防できる病気と副作用について(前編)」では、肺炎球菌ワクチンの効果や肺炎球菌が原因となり発症する病気についてご紹介いたしました。
後編では、 肺炎球菌ワクチン 定期接種計画 について、また肺炎球菌ワクチンにより起こりうる副作用についてご紹介いたします。
肺炎球菌ワクチン定期接種で予防できる病気と副作用につい(後編)
肺炎球菌ワクチン定期接種計画
肺炎球菌ワクチンの接種回数は初回接種する月齢や年齢により異なります。早めにかかりつけ医に相談しスケジュールを決めます。ここでは標準的な接種年齢を紹介します。
生後2カ月から11カ月の間に3回の接種と12カ月から15カ月の間に1回接種します。
生後2カ月から6カ月までに接種開始の場合
1回目接種した後27日間以上の間隔をあけ2回目の接種をし、その27日以上の間隔をあけ3回目の接種をします。生後12カ月から15カ月に4回の接種をしますが、4回目の接種は3回目接種後60日以上の間隔が必要です。
もし、標準的な年齢で接種できなかった時や接種間隔があいた場合も接種スケジュールが異なります。5歳未満であれば定期接種対象になることがあるのでかかりつけ医に相談してください。
接種時期
肺炎球菌感染症は季節に関係なく発症するので生後2カ月過ぎたら早めに検討します。生後2か月の乳児は母親からの免疫がなくなる時期で肺炎球菌感染症に罹患する確率が高くなり季節は関係ありません。
季節の変わり目など日中と夜の寒暖差が大きくなる時期や暑さで体力消耗する時期は感染の期間があり注意が必要です。予防できるものは早めにします。
国の助成
日本では「小児肺炎球菌ワクチン」は2010年2月から使用可能になり2013年には定期接種となりました。WHO世界保健機関が貧しい国でも定期接種に入れ無料で国民を守るよう指示しています。
予防接種計画の注意点
肺炎球菌ワクチン接種計画を立てる時の注意点を紹介します。予防接種と予防接種同士の間隔に注意をしなければなりません。
生ワクチンをした場合、次のワクチン接種はどの接種でも4週間以上、また不活化ワクチンの場合で6日以上の間隔をあけなければ接種ができません。
<生ワクチン種類>
BCG・MR(麻疹、風疹混合ワクチン)麻疹・風疹など
<不活性ワクチン>
ビブ・肺炎球菌・四種混合・日本脳炎・二種混合など
肺炎球菌ワクチン接種の副作用
比較的よくみられる副作用
小児肺炎球菌ワクチン接種後によくみる副作用で発熱、接種部位の腫れがあります。接種部位の腫れや痛みがおこる頻度は他のワクチン接種と同じ程度です。
また副作用として気になるのが発熱だと思います。「37.5度」以上の熱がでることもあり「38.0度」や「39.0度」の高熱がでる場合もあります。
しかし発熱のほとんどは接種当日や翌日にみられ1日から2日程度で下がることが多いので自宅安静で様子をみます。ただし普段の様子と大きく異なり、また3日以上の発熱が続く時は医療機関で相談してください。
重大な副作用
全てのワクチンで極めて重いアレルギー体質があればワクチンにより「アナフィラキシ―様反応」や「血小板減少城」また「ギランバレー症候群」のような救急処置が必要な場合が稀にあります。
しかしワクチンの改良で大幅にこの重大な副作用は減り、処置によりほとんど全部対処できています。ワクチンと聞けば脳に影響があるのではと思われますが肺炎球菌ワクチン接種後の脳炎に関しては日本でも調べています。
60年くらい前に日本でワクチン製造法が未熟なため多くの死亡者がでました。同様なことが世界でもそれ以前にあり、それ以後ワクチンの品質管理が厳格に行われて現在は製造法に関し安全性に対する問題はありません。
まとめ
肺炎球菌ワクチン定期接種で予防できる病気と副作用について(後編)
肺炎球菌ワクチン定期接種計画
肺炎球菌ワクチンの副作用