テレビや新聞などで肺炎球菌ワクチンの接種を呼びかけているのをご存知の方は数多いのではないでしょうか。 肺炎球菌ワクチン とはどのようなもので、ワクチン接種はどのような 間隔 で受ければよいのでしょうか。
肺炎球菌ワクチンの効果も含めてご紹介いたします。
肺炎球菌ワクチンの接種間隔とお勧めの接種開始時期
肺炎球菌ワクチンとは
肺炎球菌ワクチンは肺炎球菌感染症を防ぐための予防接種で、肺炎球菌による肺炎などの感染症を予防し、重症化を防ぐ効果があります。ただし、肺炎球菌ワクチンがすべての肺炎を防ぐというわけではありません。
肺炎球菌は子供のかかる感染症の二大原因のひとつとされている細菌です。まわりを莢膜(きょうまく)というかたい膜に覆われているために、人間の免疫力が作用しにくい細菌です。
また、幼い子供、特に赤ちゃんは免疫力が十分ではないので、細菌性髄膜炎を併発してしまうなど、重症化してしまうこともあります。
風邪やインフルエンザにかかった後に肺炎や中耳炎を引き起こすような場合にも肺炎球菌が関与していることがあります。
肺炎球菌には90種類以上の型があると言われていますが、その中で子供に髄膜炎や菌血症などの重い病気を引き起こすことの多い種類の菌を選んで、それらの病気を予防するためにつくられたのが肺炎球菌ワクチンです。
肺炎球菌ワクチンが予防する病気
細菌性髄膜炎
脳や脊髄を覆っている髄膜に菌が侵入して炎症を起こすのが細菌性髄膜炎です。ワクチンが普及する前には毎年200人の子供が肺炎球菌による髄膜炎にかかっていたと言われています。
細菌性髄膜炎は重症化すると命にかかわることや重い後遺障害が残ることなどがよく知られています。
菌血症
血液の中に菌が侵入する病気で、血液を通じてさまざまな臓器が侵されます。
重症肺炎
菌血症を伴う症状の重い肺炎で入院加療が必要になることもあります。
肺炎球菌ワクチン接種の間隔
肺炎球菌ワクチンは生後2か月から接種することができます。標準的には4週間隔で3回接種の後、生後12~15か月で4回目を接種しますが、初回の接種の月齢によって接種回数や間隔が違ってきます。
初回接種が2~6か月の場合
接種回数は4回になります。1回目から4週以上の間隔で2回目、2回目から4週以上の間隔で3回目を接種します。3回目から60日以上の間隔をあけて生後12~15か月に4回目を接種します。
初回接種が7~11か月の場合
接種回数は3回になります。1回目から4週以上の間隔で2回目、2回目から60日以上の間隔をあけ、生後12~15か月で3回目を接種します。
初回接種が1歳の場合
接種回数は2回になります。1回目から60日以上の間隔をあけて2回目を接種します。
初回接種が2~5歳の場合
接種回数は1回になります。
推奨される接種の受け方
細菌性髄膜炎はかかった子供の半数が0歳児の赤ちゃんだと言われています。この病気は重症化することがあるだけでなく、早期発見も非常に難しい上に抗生物質が効かないタイプの菌もありますので、生後2か月のヒブワクチンとの同時接種が推奨されています。
生後2か月でワクチンを接種し始めると、6か月までにしっかりと免疫をつけることができます。また、生後3ヶ月からは四種混合ワクチンとの同時接種もできるようになります。
生後6か月以降の赤ちゃんに増える肺炎球菌による細菌性髄膜炎にかからないためには、6か月までに3回目の接種を完了させるというのがポイントです。また、12~15か月に4回目となる追加接種を受けないと、効果が長続きしないと言われています。
補助的追加接種とは
2013年11月に7種類の肺炎球菌に予防効果がある7価のワクチンから13種類の肺炎球菌に効果がある13価のワクチンに切り替わりました。
2013年11月までに小児用肺炎球菌ワクチンの接種を完了している場合、現在使用されている13価のワクチンを1回追加接種することで、新たに追加された6種類の肺炎球菌に対する予防効果があります。
ただし、任意接種ですで、接種費用は自己負担となります。
まとめ
肺炎球菌ワクチンの接種間隔とお勧めの接種開始時期
肺炎球菌ワクチンとは
肺炎球菌ワクチンが予防する病気
肺炎球菌ワクチン接種の間隔
推奨される接種の受け方
補助的追加接種とは